硯寿堂
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硯寿堂(けんじゅどう、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。
来歴
[編集]師系・経歴不詳。インディアナポリス美術館所蔵の肉筆画「桜下美人図」(絹本着色)に「硯壽堂画」の落款と朱筆の花押があることから、この絵の作者とされている。「桜下美人図」は桜の下に居る花魁を描いたもので、寛政の頃の画風とされる。なお明石藩の武士で「硯寿堂」と号した津田景彦(つだかげひこ)という人物がおり、『国書解題』などによれば天保6年(1835年)刊行の『山崎物語』のほか、いくつかの著作を残しているのが知られるが、『江戸絵画への熱いまなざし』はこの津田景彦が「桜下美人図」の作者と同一人物ではないかと述べている。
参考文献
[編集]- 佐村八郎 『国書解題』(増訂第二版) 1904年 ※「山崎物語」の項。※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり[1]。
- 市古貞次ほか編 『国書人名辞典』(第三巻) 岩波書店、1996年 ※「津田景彦」の項(304頁)
- 『江戸絵画への熱いまなざし インディアナポリス美術館名品展』 読売新聞大阪本社、2004年 ※展覧会図録。142頁、205頁