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知床岬灯台

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
知床岬灯台
知床岬灯台の位置(北海道内)
知床岬灯台
知床岬灯台の位置(日本内)
知床岬灯台
航路標識番号
[国際標識番号]
0218 [M6862]
位置 北緯44度20分27秒 東経145度20分11秒 / 北緯44.34083度 東経145.33639度 / 44.34083; 145.33639座標: 北緯44度20分27秒 東経145度20分11秒 / 北緯44.34083度 東経145.33639度 / 44.34083; 145.33639
所在地 北海道斜里郡斜里町大字遠音別村字岩尾別
塗色・構造 白地に黒横帯2本塗 塔形 コンクリート造
レンズ 灯器はLED
灯質 群閃白光 毎20秒に2閃光 [Fl (2) W 20s]*
(*:2008年10月の太陽光発電・LEDへの切り替え前。以下同様)
実効光度 3,700* cd
光達距離 12.0海里(約 22 km*
明弧 106度 - 344度
塔高 12 m (地上 - 塔頂)
灯火標高 102 m (平均海面 - 灯火)
初点灯 1963年(昭和38年)10月15日
管轄 海上保安庁第一管区海上保安本部(紋別海上保安部)
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知床岬灯台(しれとこみさきとうだい)は北海道斜里郡斜里町大字遠音別村字岩尾別にあるコンクリート造の灯台で、オホーツク海に突き出した知床半島知床岬に立つ。

日本の灯台50選に選ばれている同灯台は知床国立公園特別保護地区内にあり、通常は観光船で海上から望遠することしかできない。

歴史

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  • 1963年(昭和38年)10月15日 - ディーゼル発電による電化灯台として初点灯
  • 2008年(平成20年)10月16日 - 太陽光発電・LEDに切り替え[1]。切り替え前は北海道内で唯一のディーゼル発電による給電方式で、発電用の軽油は2カ月に1回補給され、年間 3800 L を使用していた[2]

携帯基地局設置計画

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知床岬周辺は知床国立公園特別保護地区内のため、原則として新たな鉄塔などの建設は禁止されている。この様な事情から海上を含む知床岬周辺は各携帯電話会社における通信可能エリア外となっている[3][4]

2022年4月に発生した知床遊覧船沈没事故を受けて、知床岬周辺での緊急通報を可能にする観点から日本政府総務省などは同岬での携帯電話通信エリアを拡大する方針を示しており、容易に設置が出来るとされる本灯台周辺が携帯電話基地局設置候補の1つとして有力視されていると同年6月に報じられた[3][4]

しかし、天然記念物で設置候補地周辺に生息しているオジロワシへの影響を懸念する声が相次ぎ、国や通信事業者は一旦工事を中断することになった[5][6]

2024年10月、政府は「もともとの計画で工事を進めるのは困難」として、当初の計画を断念することを明らかにした[7]

脚注

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  1. ^ 第一管区海上保安本部「地球にやさしい知床岬灯台へ - 省エネ・エコロジー化への取り組み状況 - (PDF) 」2008年10月31日
  2. ^ 北海道新聞「知床岬灯台が来月、太陽光発電に切り替え 軽油発電から」2008年6月23日
  3. ^ a b 知床の灯台に携帯基地局 船の通信環境改善へ 政府、観光船事故受け検討”. 北海道新聞 (2022年6月3日). 2022年6月5日閲覧。
  4. ^ a b TBSテレビ (2022年6月3日). “知床半島の灯台に『携帯の基地局設置』を検討 観光船事故を受け 海上の多くが“エリア外””. TBS NEWS DIG. 2022年6月5日閲覧。
  5. ^ ワシ営巣か、知床岬の携帯基地局工事延期”. 共同通信 (2024年5月29日). 2024年10月12日閲覧。
  6. ^ 札幌テレビ (2024年6月7日). “どうなる「知床の携帯基地局」観光船事故受け…設置?自然への影響? 有識者会議議論白熱”. 日テレNEWS NNN. 2024年10月12日閲覧。
  7. ^ 知床岬基地局、計画断念を表明 携帯向け設備、生態系の影響懸念―政府”. 時事通信 (2024年10月11日). 2024年10月12日閲覧。

外部リンク

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