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双曲線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
直角双曲線から転送)
双曲線

双曲線(そうきょくせん、: hyperbola)とは、2次元ユークリッド空間2 上で定義され、ある2点 F, F' からの距離の「差が一定」であるような曲線の総称である。

この2点 F, F' は焦点と呼ばれる。2点 F, F' を通る直線と2点 F, F' の垂直二等分線は主軸と呼ばれる。

双曲線の方程式

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一般形

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2次元直交座標系において、双曲線の2焦点の座標をそれぞれ , 、焦点からの距離の差の絶対値 とする。このとき双曲線の方程式は、次のように表される。これを一般形という。

この方程式は、うまく式変形することにより、必ず

  (ただし は実数)

という形に表すことができる。証明は以下の通り。

標準形

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双曲線の標準形
標準形
漸近線
焦点
頂点
準線
離心率

双曲線は、主軸を座標軸とする直角座標系において、次の方程式により表すことができる。これを標準形という。

(*)

この場合、焦点の座標は

と書ける。このとき、2焦点 F, F' から双曲線上の点 P への距離の差 |PF − PF'| は 2a となる。原点を双曲線の中心といい、2点(±a, 0) を双曲線の頂点という。

双曲線上の点 P と焦点 F との距離 PF と点 P から準線 までの距離の比は一定であり、比の値は離心率 に等しい。

また、双曲線には2つの漸近線が存在しており、漸近線の方程式は

である。

特に、漸近線が直交している、すなわち a = b であるとき、この双曲線を特に直角双曲線という。

反比例のグラフ xy = C も双曲線の一種である。これは、直角双曲線:x2y2 = 2C を原点の回りに 45° = π/4 だけ回転させた双曲線に等しい。


媒介変数表示

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双曲線は、双曲線関数を用いて媒介変数表示することができる。

また双曲線から左側の頂点 (−a, 0) を除けば有理関数を用いて媒介変数表示することもできる。

ただし t ≠ ±1 とする。右側の連結成分は −1 < t < 1 に、左下の連結成分は t > 1 に、左上の連結成分は t < −1 に対応する。これは二点 (−a, 0)(0, tb) を通る直線 ay = tb(x + a) と双曲線との交点のひとつとして得られる。

円錐曲線としての双曲線

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円錐切断面の4つのタイプ (放物線楕円、双曲線)

双曲線は、直円錐を直円錐の頂点を通らず、上下両方の直円錐に交わる平面で切断したときの、切断面の境界である。

離心率e であるような円錐曲線を Ce とする。このとき、e > 1 であれば、 Ce は双曲線となる。この円錐曲線を適当に直交変換することにより、準線が x = −f , 焦点の一つが F(f, 0) となったとする。双曲線の任意の点 P(x, y) に対し、方程式

が成立するが、 となるから、上方程式の両辺を2乗して移項整理することにより、

さらに x に関して平方完成させることにより、

これが、円錐曲線としての双曲線の基本形である。さらに平行移動: , Y = y を行って適当に整理することによって、(*) の形になる。

脚注

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参考文献

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  • 田端毅、讃岐勝、礒田正美 著、礒田正美・Maria G. Bartolini Bussi 編 編『曲線の事典 性質・歴史・作図法』共立出版、2009年12月25日。ISBN 978-4-320-01907-2 
  • 中村滋『円錐曲線 歴史とその数理』共立出版〈数学のかんどころ 7〉、2011年12月30日。ISBN 978-4-320-01987-4 

関連項目

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外部リンク

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