サルスベリ
サルスベリ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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Lagerstroemia indica
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Lagerstroemia indica L. (1759)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Crape-myrtle |
サルスベリ(百日紅[2][注 1]・猿滑[3]、学名: Lagerstroemia indica)は、ミソハギ科サルスベリ属の落葉小高木。別名は、ヒャクジツコウ[1]。すべすべした幹肌が特徴で、夏から秋の長期にわたって紅色の花が咲く。
名称
[編集]和名サルスベリの語源は、木登りが上手なサルでも、滑り落ちるほど樹皮が滑らかという例えから名付けられている[4][5]。花が咲く期間が長いことから、ヒャクジツコウ(百日紅)の別名もあり[4]、漢名もまた百日紅である[5]。
英語名 Crape myrtle は、ギンバイカ(myrtle)の花に似て、花弁がちりめん(crape)のように縮れていることから。
中国では、唐代長安の紫微(宮廷)に多く植えられたため、紫薇と呼ばれるが、比較的長い間紅色の花が咲いていることから、百日紅ともいう。江蘇省徐州市、湖北省襄陽市、四川省自貢市、台湾基隆市などで市花とされている。
ミャンマーのビルマ語ではパンイー(ပန်းအိ ビルマ語発音: [pœ́ɰ̃ʔḭ])と呼び、文字通りには〈やわな花〉を表す[6]。なお、ミャンマーにも〈猿が滑る木〉という意味合いの名を持つミャウッチョー(ビルマ語: မျောက်ချော; ビルマ語発音: [mjaʊʔ t͡ɕʰɔ́])という木が存在するが、これはヤナギ科(旧イイギリ科)のビルマラーンスウッド(英: Burma lancewood; 学名: Homalium tomentosum)やミソハギ科ではあるがサルスベリとは別属の Woodfordia fruticosa(シノニム: Lythrum fruticosum)のことを指す[6]。
分布・生育地
[編集]中国南部原産[4][5]。世界の熱帯各地に分布する[5]。日本へは江戸時代以前に渡来したと言われている[4]。日本では植栽樹として、庭や公園、寺社などで見られる[3]。
形態・生態
[編集]広葉樹の小高木[4]。熱帯地域ではない日本などでは落葉樹である[5]。樹皮は見るからに滑らかな表面をもち、全体に淡褐色で、所々がはげ落ちて白く、濃淡が混じった斑模様になる[4][2]。特に幹の肥大成長に伴って、特に夏に古い樹皮のコルク層が剥がれ落ち、新しいすべすべした感触の樹皮が表面に現れて更新していく[5]。一年枝は細く、はっきりした稜がある[2]。混み合って植栽された幹は曲がることが多く、枝も細かく曲がる[2]。
葉は通常2対互生(コクサギ型葉序)、対生になることもある。葉身は倒卵状楕円形[4]、葉先はくぼむことが多い[3]。春の芽吹きの時期はやや遅く、新葉は樹皮の色に似て赤味を帯びる[2]。秋に紅葉し、濃い赤色から橙色を中心に、条件がよいと鮮やかに色づく[3]。
花期は7 - 10月[5]。花は紅色または白色[注 2]で[4]、円錐花序になり、がくは筒状で6裂、花弁は6枚で縮れている。花は開花したその日で萎んでしまう一日花であるが、蕾が次々と開花するため、百日紅の別名どおり100日近く咲き続ける[5]。
果期は8 - 11月[5]。果実は円い蒴果で、先が6つに割れて、翼がある種子を飛ばす[2]。果実は種子を飛ばしたあとも遅くまで枝に残っている[2]。
冬芽は小さな卵形で先端は尖り、枝の先端に仮頂芽がつき、側芽は対生するか、ときにずれてコクサギ型互生となる[2]。仮頂芽と側芽はほぼ同じ大きさで、芽鱗2 - 4枚に覆われている[2]。冬芽わきにある葉痕には、弧状の維管束痕が1個ある[2]。
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幹
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葉
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花
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白花(シロバナサルスベリ)
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濃紅色の花
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果実
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Lagerstroemia indica - Museum specimen
人間との関わり
[編集]花が美しく、耐病性もあり、必要以上に大きくならないため、しばしば好まれて庭や公園、街路樹などに植えられる[5]。種子から栽培する「あすか」という一才物の矮性種もある。材は硬くて重い特性から、線路の枕木など土木用途で使用される[4]。
サルスベリの花言葉は、「雄弁」[5]「活動」[5]「世話好き」[5]「愛嬌」[要出典]などとされる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lagerstroemia indica L. サルスベリ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年1月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 125.
- ^ a b c d 林将之 2008, p. 65.
- ^ a b c d e f g h i 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 90.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 田中潔 2011, p. 133.
- ^ a b Judson, A.; Stevenson, Robert C.; Eveleth, F. H. (1921). “အိ; ပန်းအိ; မျောက်ချော, မျောက်ငို”. The Judson Burmese-English Dictionary. Rangoon: American Baptist Mission Press. pp. 133, 618, 782
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lagerstroemia indica L. 'Alba' シロバナサルスベリ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年1月2日閲覧。
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、125頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 田中潔『知っておきたい100の木:日本の暮らしを支える樹木たち』主婦の友社〈主婦の友ベストBOOKS〉、2011年7月31日、133頁。ISBN 978-4-07-278497-6。
- 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4-8299-0187-8。
- 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、90頁。ISBN 4-522-21557-6。
- 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花2』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、616-617頁。ISBN 4-635-07004-2。
外部リンク
[編集]- "Lagerstroemia indica L." (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2012年7月23日閲覧。
- "Lagerstroemia indica". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- "Lagerstroemia indica" - Encyclopedia of Life
- 波田善夫. “サルスベリ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学生物地球学部. 2012年7月23日閲覧。