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狐塚古墳 (京都市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
狐塚古墳

墳丘・石室開口部
別名 大覚寺4号墳
所属 大覚寺古墳群
所在地 京都府京都市右京区嵯峨大覚寺門前堂ノ前町10-1,4
位置 北緯35度1分26.17秒 東経135度40分54.70秒 / 北緯35.0239361度 東経135.6818611度 / 35.0239361; 135.6818611座標: 北緯35度1分26.17秒 東経135度40分54.70秒 / 北緯35.0239361度 東経135.6818611度 / 35.0239361; 135.6818611
形状 円墳
規模 直径28m
高さ4.5m
埋葬施設 両袖式横穴式石室
出土品 須恵器
築造時期 7世紀初頭-前半
史跡 なし
地図
狐塚古墳の位置(京都市内)
狐塚古墳
狐塚古墳
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150 m
4号墳(狐塚)
3号墳(南天塚)
2号墳(入道塚)
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1号墳(円山)
大覚寺古墳群分布図

狐塚古墳(きつねづかこふん、大覚寺4号墳)は、京都府京都市右京区嵯峨大覚寺門前堂ノ前町にある古墳。形状は円墳大覚寺古墳群を構成する古墳の1つ。史跡指定はされていない。

概要

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大覚寺古墳群一覧[1][2]
古墳名 形状 規模 築造時期 陵墓・史跡
1 1号墳
(円山古墳)
円墳 直径50m 6c後半 陵墓参考地
2 3号墳
(南天塚古墳)
円墳 6c後半-末 (埋没)
3 4号墳
(狐塚古墳)
円墳 直径28m 7c初頭-前半 なし
2号墳
(入道塚古墳)
方墳 25×30m 陵墓参考地
墳丘

京都盆地(山城盆地)西部の有栖川扇状地に築造された古墳である。一帯では4基の古墳が分布して大覚寺古墳群を形成し、本古墳はそのうち最南端に位置する。古くから石室が開口し、墳丘周囲裾部は削平されて宅地化が進んでいる。1970年昭和45年)に測量調査が、2014年度(平成26年度)以降に測量・発掘調査が実施されている。

墳形は円形で(ただし方形の可能性も残る[3])、直径28メートル・高さ4.5メートルを測る[1]。墳丘周囲には周溝が巡らされ、周溝を含めた古墳全体としては直径45メートル以上におよぶと推定される[3]。埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、南東方向に開口する。チャート自然石の巨石を用いて構築された石室になる。副葬品は明らかでないが、墳丘南側(石室前面裾)の発掘調査では須恵器片(坏身・坏蓋・高坏:TK43-209型式期)が検出されている[4]。築造時期は古墳時代終末期7世紀初頭-前半頃と推定される[2]

現在では石室内への立ち入りは制限されている。

遺跡歴

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  • 少なくとも近世期には開口(土師器皿の出土)[1]
  • 1936年昭和11年)まで、石室開口部前面に稲荷社の祠が所在[1]
  • 1970年(昭和45年)、墳丘測量・石室実測調査:第1次調査(京都大学考古学研究室、1971年に報告)。
  • 2014年度(平成26年度)、石室実測および羨道・前庭部の発掘調査:第2次調査(龍谷大学文学部考古学研究室、2016年に報告)[1]
  • 2015年度(平成27年度)、墳丘測量調査:第3次調査。方墳の可能性を示唆(龍谷大学文学部考古学研究室、2017年に報告)[5]
  • 2016年度(平成28年度)、墳丘東側の発掘調査:第4次調査(龍谷大学文学部考古学研究室、2018年に報告)[6]
  • 2018年度(平成30年度)、墳丘南側の発掘調査:第5次調査。須恵器片の出土(龍谷大学文学部考古学研究室、2020年に報告)[4]
  • 2020年度(令和2年度)、墳丘周辺試掘調査(京都市文化財保護課、2022年に報告)[3]

埋葬施設

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埋葬施設としては両袖式横穴式石室が構築されており、南東方向に開口する。石室の規模は次の通り[1]

  • 石室全長:現存6.8メートル
  • 玄室:長さ3.8メートル、幅2.0-2.4メートル、現在高さ2.1-2.3メートル
  • 羨道:現存長さ3.0メートル、幅1.5メートル、現在高さ1.2メートル

石室の石材はチャートで(一部の小型石材に砂岩等)、自然石を使用して構築される。玄室の奥壁は各段1石の3段積みであるが、1段目は土砂の堆積のため詳らかとせず、3段目はやや持ち送る。側壁は各段2石の3段積みと推定されるが、奥壁同様に1段目は土砂の堆積のため詳らかとしない。縦目地・横目地を意識した様子はあまり見受けられず、隙間には小型石材を充填する。前壁は持ち送らず垂直に積む。玄門部の立柱石は1石。羨道は土砂の堆積のため詳らかとしない[1]

脚注

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参考文献

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(記事執筆に使用した文献)

  • 地方自治体発行
  • 龍谷大学発行
    • 「大覚寺4号墳第2次発掘・測量調査報告」『龍谷大学考古学実習』第12号、龍谷大学文学部考古学実習室、2016年。 
      • 花熊祐基「考察」
    • 「大覚寺4号墳第3次測量調査報告」『龍谷大学考古学実習』第13号、龍谷大学文学部考古学実習室、2017年。 
    • 「大覚寺4号墳(狐塚古墳)第4次発掘調査報告」『考古学実習・文化財実習報告書 第1集』龍谷大学文学部歴史学科文化遺産学専攻、2018年。 
    • 「大覚寺4号墳(狐塚古墳)第5次発掘調査報告」『考古学実習・文化財実習報告書 第3集』龍谷大学文学部歴史学科文化遺産学専攻、2020年。 

関連文献

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(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 京都大学考古学研究会 編「各古墳の概要 > 狐塚古墳」『嵯峨野の古墳時代 -御堂ヶ池群集墳発掘調査報告-』京大考古学研究会出版事務局、1971年。 
  • 京都市 編「古墳時代 > 右京区」『史料京都の歴史 第2巻 考古』平凡社、1983年。 

関連項目

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