熊本3歳女児殺害事件
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熊本3歳女児殺害事件 | |
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場所 |
日本・熊本県熊本市北区高平のスーパーマーケット(殺害現場) スーパーマーケットから約700メートルの坪井川に合流する排水路(死体遺棄場所) |
日付 | 2011年(平成23年)3月3日(発見は翌4日) |
概要 | 当時大学生の男が、障害者用トイレで3歳女児を殺害し、死体を損壊・遺棄した。 |
攻撃手段 | 絞殺 |
攻撃側人数 | 1人 |
死亡者 | 当時3歳の女児 |
犯人 | 大学生の男 |
刑事訴訟 | 無期懲役 |
熊本3歳女児殺害事件(くまもと さんさいじょじさつがいじけん)とは、2011年(平成23年)3月3日に熊本県熊本市で当時3歳の女児が行方不明になり、翌4日に遺体で発見された事件[1]。
概要
[編集]熊本市北区のスーパーから当時3歳の女児が行方不明になった。直前、女児は一緒に買い物に来た父親や5歳の兄にトイレに行くことを伝えていた。男は女児を殺害後、遺体をリュックサックに入れ、その場を離れた。家族や店員が閉店時刻まで探したが見つからずに母親が通報した。しかし、そのときには既に女児は男に殺害されて遺棄されていた。[2]
経過
[編集]犯人逮捕前
[編集]3月3日
[編集]- 女児は、女児の保育園で行われたひな祭りの行事に参加した。
- 16時頃
- 男がトイレ周辺を以後3時間余りうろつき始める(それまでは他の店でも狙っていたとする情報もある)。
- 19時30分頃
- 女児が父親に「トイレに行っていい」と聞き、父親はレジにいて手を離せなかったため一旦は止めたが、女児は「どうしても今行きたい」と話し、数十メートル先のトイレに1人で向かった。この時、父親は角を曲がる女児の姿を目で追っている。
- 直後、若い男もトイレに入る。
- この15分の間に女児は障害者用トイレに連れ込まれ、わいせつの末、口を塞がれもう片方の手で首を絞められて殺害された。
- 女児の父親は、トイレにすぐに向かい、まず女子トイレの方へ名前を呼んだ。返事が返ってこなかったため、障害者用トイレを叩き女児の名前を何度も叫んだが、返事はなく、中から「使用しています」と声が聞こえた。その声は犯行時の男の声だった。
- 19時45分頃
- 男だけがトイレから出てくる。リュックサックはかなり膨らんでいた。
- この時女児の両親は、女児の遺体をリュックに入れて立ち去る男とすれ違っている。
- 20時頃
- スーパーが閉店しても、女児が見つからないため、母親が通報。
- 20時10分頃
- 男が女児の遺体を坪井川の排水溝に遺棄。
3月4日
[編集]- トイレ前の画像および近くのガソリンスタンドで、大きく膨らんだリュックサックを背負った、無我夢中で自転車を漕ぐ男の画像を公開した[誰による?]。すると、犯人の元担任が自分の元教え子ではないかと聞き込み捜査で伝え、市内の熊本学園大学に通う当時20歳の男が浮上した。
- 警察の事情聴取で容疑を認め、供述通り女児の遺体が見つかったため午後死体遺棄容疑で逮捕された[2]。
- 熊本学園大学では緊急会見が行われ、岡本悳也学長や、男が通っていた社会福祉学部の部長らが謝罪を行った。
- 22時00分
- 男の自宅の家宅捜索が行われた。
逮捕後
[編集]- 3月5日
- 司法解剖の結果、女児の死因は窒息死。服装はそのままで、目立った外傷はなかった。
- 3月6日
- 県警は容疑者を熊本地検へ送検。
- 3月22日
- 県警は容疑者を殺人容疑で再逮捕。
- 8月13日
- 地検は簡裁での4ケ月の留置を経て容疑者を殺人罪、強制わいせつ致死罪、死体遺棄容疑で熊本地裁へ起訴。
裁判
[編集]第一審・熊本地裁(2012年)
[編集]- 10月17日
- 初公判が開かれ[3]、遺族も参加した。
- 10月23日
- 論告求刑で検察側は被告に無期懲役を求刑
- 10月29日
- 松尾嘉倫裁判長は求刑通り無期懲役を宣告[4]。
- 11月9日
- 被告側が判決を不服として福岡高裁へ控訴。
控訴審・福岡高裁(2013年)
[編集]- 3月1日
- 初公判が行われた。
- 3月13日
- 陶山博生裁判長は一審を支持して被告の控訴を棄却[5]。
上告審・最高裁第一小法廷(2013年)
[編集]- 6月26日
- 被告の上告を棄却。無期懲役が確定。
その他
[編集]- この事件が発生した8日後に東日本大震災が発生したためそれ以降は全国のニュース報道は縮小気味であった[6]。
- 女児の父親は、犯罪被害者遺族として全国で講演活動を行い、その回数は300回を超えている。また、女児の十三回忌を迎えた2023年の2月には女児の名前を背中に書いたTシャツを着用し熊本城マラソンを完走している[7][8]。
脚注
[編集]- ^ “3歳女児を川に遺棄容疑、大学生逮捕…熊本”. 読売新聞. 2011年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月4日閲覧。
- ^ a b “熊本3歳女児遺体、男を逮捕 「スーパーで殺害」”. 日本経済新聞 (2011年3月5日). 2022年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月19日閲覧。
- ^ “元大学生が殺意否認、熊本地裁 3歳女児殺害事件で初公判”. www.chibanippo.co.jp. 千葉日報 (2012年10月17日). 2021年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月19日閲覧。
- ^ 日高奈緒、森田岳穂. “熊本の女児殺害事件、元大学生に無期懲役判決 地裁”. www.asahi.com. 朝日新聞. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月4日閲覧。
- ^ “熊本女児殺害、責任能力認め二審も無期 福岡高裁判決”. 朝日新聞. 2013年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月4日閲覧。
- ^ “生きていれば今春高校生、ドキンちゃんも卒業か 熊本市3歳児殺害事件 ○ちゃん十三回忌 ひな祭りの夜に刻まれた遺族の苦悩 ”. 熊本日日新聞. 2023年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月14日閲覧。
- ^ 中島忠道 (2021年3月3日). “○ちゃん殺害事件から10年 「犯罪ない社会を」 悲しみ胸に講演続ける父|熊本日日新聞社”. 熊本日日新聞. 熊本日日新聞社. 2021年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月4日閲覧。
- ^ 松冨浩之 (2023年3月3日). “○ちゃん十三回忌、両親ら追悼 熊本市3歳女児殺害事件 父・○○○さんは講演300回超 「同じような事件起きないように」”. 熊本日日新聞. 熊本日日新聞社. 2023年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月4日閲覧。