渡辺松男
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渡辺 松男(わたなべ まつお、1955年5月13日 - )は、日本の歌人。短歌結社「かりん」所属。
経歴
[編集]群馬県伊勢崎市生まれ。群馬県立前橋高等学校、東京大学文学部卒業[1]。公務員のかたわら1990年に短歌結社「歌林の会」に入会し、馬場あき子・岩田正に師事する[2]。 1999年から2010年まで、上毛新聞歌壇選者を務める[2]。同じく1999年より5年間、群馬県立土屋文明記念文学館に勤務した[2]。 2010年より筋萎縮性側索硬化症(ALS)で闘病している。
作風
[編集]口語やオノマトペを自在に使ったやわらかな文体で、人間が生き物一般と等価に立つような、独特の自然観の短歌を詠む。
受賞歴
[編集]- 1992年 かりん賞(「地下に還せり」30首)[2]
- 1995年 第6回歌壇賞(作品「睫はうごく」30首)
- 1998年 第42回現代歌人協会賞(歌集『寒気氾濫』)
- 2000年 第8回ながらみ現代短歌賞(歌集『泡宇宙の蛙』)
- 2003年 第8回寺山修司短歌賞(歌集『歩く仏像』)
- 2012年 第46回迢空賞(歌集『蝶』)
- 2023年 第73回芸術選奨文部科学大臣賞(歌集『牧野植物園』)[3]
- 2023年 第59回短歌研究賞(作品「鴇茶雀茶鳶茶」28首)[4]
著書
[編集]単著
[編集]- 寒気氾濫 歌集 本阿弥書店 1997.12(かりん叢書)
- 寒気氾濫(復刊)書肆侃侃房〈現代短歌クラシックス〉、2021年。ISBN 978-4-86385-482-6
- 泡宇宙の蛙 歌集 雁書館 1999.8(かりん叢書)
- 歩く仏像 歌集 雁書館 2002.6(かりん叢書)
- けやき少年 歌集 砂子屋書房 2004.8(かりん叢書)ISBN 978-4-7904-0796-6
- 〈空き部屋〉 歌集 ながらみ書房 2007.7(かりん叢書)
- 自転車の籠の豚 歌集 ながらみ書房 2010.9(かりん叢書)
- 蝶 歌集 ながらみ書房 2011.8(かりん叢書)
- 隕石 句集 邑書林 2013.10。ISBN 978-4-89709-747-3
- きなげつの魚 歌集 角川学芸出版 2014.7。ISBN 978-4-04-652880-3
- 歌集 雨る(ふる) 書肆侃侃房 2016.3。ISBN 978-4-86385-218-1
- 歌集 牧野植物園 書肆侃侃房 2022.6。ISBN 978-4-86385-522-9
- 歌集 時間の神の蝸牛 書肆侃侃房、2023年12月。ISBN 978-4-86385-608-0
アンソロジー
[編集]- 『現代短歌最前線(下巻)』北溟社、2001年。ISBN 978-4-89448-201-2
- 『現代の短歌:100人の名歌集』篠弘編、三省堂、2003年。ISBN 978-4-385-36068-3
- 『現代の歌人140』小高賢編、新書館、2009年。ISBN 978-4-403-25101-6
- 『短歌タイムカプセル』東直子・佐藤弓生・千葉聡編著、書肆侃侃房、2018年。ISBN 978-4-86385-300-3
その他
[編集]- 「特集:渡辺松男の世界」短歌ムック『ねむらない樹』8号、書肆侃侃房、2022年。ISBN 978-4-86385-508-3
脚注
[編集]参考
[編集]- 文藝年鑑2007
- ジャパンナレッジ
外部リンク
[編集]- 渡辺松男論:欲情しつつ山を行く - 川野里子の短歌とエッセイ
- 橄欖追放:第87回 渡辺松男『蝶』 - 東郷雄二のウェブサイト(2011年11月21日更新)
- 世界観を詠む、読む:渡辺松男歌集『雨(ふ)る』をめぐって - 柳宣弘「夢からうろこ」(砂子屋書房:月のコラム)(2016年6月1日)
- 渡辺松男作品をめぐって(句集『隕石』) - 吉野裕之HP:俳句工房[ZA](2014年6月2日)