清水真砂子
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清水 真砂子(しみず まさこ、旧字体:淸水 眞砂子、1941年5月27日 - )は、日本の翻訳家・児童文学研究者。青山学院女子短期大学名誉教授。
アーシュラ・K・ル=グウィン『ゲド戦記』の翻訳で知られる。ほか児童文学に関する評論もある。夫は科学技術ジャーナリストの菅沼純一。
略歴
[編集]1941年朝鮮生まれ。1946年、内地に引き揚げ、静岡県の掛川で育つ。
1960年静岡県立掛川西高等学校卒業[1]。1964年静岡大学教育学部卒業。大学卒業後、静岡県立島田高等学校の英語教諭となる。
1968年より児童文学の翻訳を始め、1974年に「石井桃子論」で日本児童文学者協会新人賞を受賞。
1976年青山学院女子短期大学講師、1980年助教授、1988年児童教育学科教授。2010年定年退職、名誉教授。
受賞歴
[編集]- 1981年:第28回産経児童出版文化賞(マヤ・ヴォイチェホフスカ「夜が明けるまで」)
- 1993年:第33回日本児童文学者協会賞受賞(「子どもの本のまなざし」)
- 2004年:日本翻訳文化賞受賞(ル=グウィン「ゲド戦記」全6巻)
著書
[編集]単著
[編集]- 『子どもの本の現在』(大和書房) 1984、のち岩波同時代ライブラリー
- 『子どもの本のまなざし』(JICC出版局) 1992
- 『幸福の書き方』(JICC出版局) 1992
- 『もうひとつの幸福 - 挫折と成長』(岩波書店) 1994
- 『学生が輝くとき - 何か、こわい、この時代に』(岩波書店) 1999
- 『子どもの本とは何か』(川崎市生涯学習財団かわさき市民アカデミー / シーエーピー出版) 2003
- 『幸福に驚く力』(かもがわ出版) 2006
- 『「ゲド戦記」の世界』(岩波ブックレット) 2006
- 『そして、ねずみ女房は星を見た』 (テン・ブックス、大人が読みたい子どもの本) 2006
- 『青春の終わった日 ひとつの自伝』(洋泉社) 2008
- 『本の虫ではないのだけれど』(かもがわ出版) 2010
- 『大人になるっておもしろい?』(岩波ジュニア新書) 2015
- 『子どもの本のもつ力 - 世界と出会える60冊』(大月書店) 2019
共編著
[編集]翻訳
[編集]- 「ゲド戦記」(アーシュラ・K・ル=グウィン、岩波書店)
- 『影との戦い』(A Wizard of Earthsea(1968)) 1976、のち同時代ライブラリー、少年文庫
- 『こわれた腕環』(The Tombs of Atuan(1971)) 1976、のち少年文庫
- 『さいはての島へ』(The Farthest Shore(1972)) 1977、のち少年文庫
- 『帰還 -ゲド戦記最後の書-』(Tehanu, The Last Book of Earthsea(1990)) 1993、のち少年文庫
- 『アースシーの風』(The Other Wind(2001)) 2003、のち少年文庫
- 『ゲド戦記外伝』(Tales from Earthsea(2001)) 2004、のち改題『ドラゴンフライ - アースシーの五つの物語』(少年文庫)
- 『空にのこったおばあさん』(モード&デロス・ラブレイス、あかね書房、こども世界の民話 南アメリカ編) 1970
- 『ふしぎな時計』(ハワード・パイル、講談社、こどもの世界文学) 1972
- 『かぎっ子たちの公園』(エリック・アレン、大日本図書) 1972
- 『大地に歌は消えない』(ウイリアム・H・アームストロング、大日本図書) 1975
- 『だまされたおおどろぼう』(ハロルド・バースン、アリス館牧新社) 1975
- 『くまくんのじてんしゃ』(エミリー・ウォレン・マクラウド、アリス館牧新社) 1976
- 『はのいたいくま』(デイビッド・マクフェイル、アリス館牧新社) 1976
- 『のんきなかりゅうど マザー・グースのうた』(スーザン・ジェファース、アリス館牧新社) 1976
- 『わすれられたたんじょうび』(R・ハイムラー, A・ハイムラー、あかね書房) 1977
- 『クリスマスのつぼ』(ジャック・ケント、ポプラ社) 1977
- 『あかいかさ』(ロバート・ブライト、ほるぷ出版、海外秀作絵本) 1977
- 『クリスマスのつぼ』(ジャック・ケント、ポプラ社、世界のほんやくえほん) 1977
- 『オギーのぼうけん旅行』(A・ローレンス、あかね書房) 1979
- 『月はだれのもの』(ソニア・レヴィティン、佑学社) 1979
- 『ふうがわりなたまご』(ソニア・レヴィティン、佑学社) 1979
- 『ハル』(ジーン=マクギボン、偕成社) 1980
- 『オギーのゆかいな友だち』(A・ローレンス、あかね書房) 1980
- 『ジャクソンねこのほんとうの家』(ブリアン・ボール、大日本図書) 1980
- 『ごきげんなライオンのおくさんがんばる』(ルイーゼ・ファティオ、佑学社) 1981
- 『モリスのたからもの』(ポーラ・フォックス、大日本図書) 1981
- 『アウトサイダーズ』(スーザン・E・ヒントン、大和書房) 1983
- 『ジャクソンねこの休日』(ブリアン・ボール、大日本図書) 1983
- 『魔法のオレンジの木 ハイチの民話』(ダイアン・ウォルクスタイン、岩波書店) 1984
- 『はじめてのともだち ジョーとティモシーのおはなし』(ドロシー・エドワーズ、福音館書店) 1984
- 『森の精』(バージニア・ハビランド、学校図書、世界のむかし話 チェコスロバキア) 1984
- 『エルクの日記』(アン・K・ローズ、あかね書房、あかね世界の文学シリーズ) 1985
- 『ジャクソンねこのほんとうの家』(ブリアン・ボール、キャロリン・ハリソン絵、童話館出版、子どもの文学・青い海シリーズ) 1999
- 『トーク・トーク カニグズバーグ講演集』(岩波書店) 2002
アニタ・ヒューエット
[編集]- 『大きいゾウと小さいゾウ』(アニタ・ヒューエット(Anita Hewett)、大日本図書、子ども図書館) 1968
- 『ジャングルの黄色いカエルたち』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、子ども図書館) 1969
- 『ギターねずみ』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、子ども図書館) 1970
- 『ファクシミリさんととら』(アニタ・ヒューエット、ほるぷ出版) 1976
- 『ゴリラぼうやのパセリさがし』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、ヒューエット・どうぶつのお話) 1986
- 『はんてんをなくしたヒョウ』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、ヒューエット・どうぶつのお話) 1986
- 『かげをみつけたカンガルーぼうや』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、ヒューエット・どうぶつのお話) 1986
- 『コアラのぼうけんりょこう』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、ヒューエット・どうぶつのお話) 1986
- 『ジャングルのしあわせなムクドリ』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、ヒューエット・どうぶつのお話) 1986
- 『ナマケモノをすくったアルマジロ』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、ヒューエット・どうぶつのお話) 1986
- 『花をかざったサイのぼうし』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、ヒューエット・どうぶつのお話) 1986
- 『ペカリぼうやはくびわがほしい』(アニタ・ヒューエット、大日本図書、ヒューエット・どうぶつのお話) 1986
マヤ・ヴォイチェホフスカ
[編集]- 『ひとすじの光』(マイア・ヴジェコフスカ(ヴォイチェホフスカ)(en:Maia Wojciechowska)、ポプラ社) 1970、のち偕成社文庫
- 『夜が明けるまで』(マヤ・ヴォイチェホフスカ、岩波少年文庫) 1980
- 『わんぱくきょうだい大さくせん』(マヤ・ヴォイチェホフスカ、岩波書店) 1981、のち少年文庫
- 『LSD - 兄ケビンのこと』(マヤ・ヴォイチェホフスカ、岩波書店) 1983
- 『神さまがやってきた』(マヤ・ヴォイチェホフスカ、すぐ書房) 1989
マーガレット・マーヒー
[編集]- 『めざめれば魔女』(マーガレット・マーヒー、岩波書店) 1989
- 『ゆがめられた記憶』(マーガレット・マーヒー、岩波書店、世界の青春ノベルズ) 1996
- 『ヒーローのふたつの世界』(マーガレット・マーヒー、岩波書店) 1997
- 『紙人形のぼうけん』(マーガレット・マーヒー、岩波書店) 1998
出演
[編集]脚注
[編集]- ^ “ぐるっと東日本・母校をたずねる:静岡県立掛川西高/1 児童文学者・翻訳家 清水真砂子さん /東京”. 毎日新聞. 2023年3月15日閲覧。
- ^ "己の影を抱きしめて 清水眞砂子". NHK. 2024年1月26日. 2024年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月28日閲覧。