コンテンツにスキップ

淫婦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

淫婦(いんぷ)とは、

概説

[編集]

淫婦とはみだらな女や多情な女のことであり、つまりに関して、欲望のままに行動していたり道徳意識が欠如していたりして、相手の男性がひとりに定まっておらず、多くの男性との間に情事を持つ女性のことを指すための言葉である。また売春婦を意味することもある。

プログレッシブ英和中辞典でも、淫婦は二つの意味に分けられており、「1 多情で浮気な女」に相当する英語は「flirt」とされており。「2 売春婦」の意味に相当するのは「prostitute」とされている。

淫婦という概念が用いられている例を挙げると、例えば古典的なものであると、新約聖書の『ローマの信徒への手紙』ではキリストとの関係の在り方が様々な比喩で説かれており、六章の終わり(第二段)においては主人の関係に喩えて、良心の問題として語られ、大七章では、夫婦の関係に喩えて願望の問題として扱い、ただ仕えるはずであるといった義務的なことではなく、妻たる者は夫に従うことを願う、それと同じことだ、と語られる。その箇所で淫婦という概念と区別しつつ説明されている。

夫のある女は、夫が生きている間は律法によって夫につながれている。しかし、夫が死ねば、夫の律法から解放される。だから、夫の生存中に他の男のところにゆけば、その女は淫婦と呼ばれるが、もし夫が死ねば、その律法から解かれるので、他の男のところに行っても、淫婦ではない。兄弟たちよ、ちょうどこのように、あなたがたも、キリストの身をとおして、律法に関してはすでに死んだのだ。それは、あなたがたが別の人、つまり、死のなかからよみがえられた人のものとなり、われわれが神のために実をむすぶために、わたしたちの身体のうちに働いていたのである。わたしたちは、わたしたちをつないでいた律法に対しては死んだので、律法から解放され、古い文字によってではなく、新しいによって仕えているのです。 — ローマの信徒への手紙 第7章

出典

[編集]
  1. ^ a b 広辞苑 第五版 p.211【淫婦】
  2. ^ a b goo辞書

関連項目

[編集]

関連する文献

[編集]
  • 大橋 崇行(2008)「淫婦の「境遇」--山田美妙「いちご姫」における〈ゾライズム※〉の理解と受容」[1] (※ ゾライズム= エミール・ゾラ風の作風で小説を書くこと)
  • 菅聡子(2007)「<淫婦>の恋--『にごりえ』と『河内屋』の交錯と乖離 (特集 日本文学と恋)」[2]