海野螢
海野 螢(うんの ほたる、9月29日生)は、日本の漫画家、同人作家。
東京都出身。私立武蔵高等学校、早稲田大学卒業[1]。男性。血液型A型[2]。主に成年向けの漫画雑誌に作品を発表している。名前は「蛍」ではなく「螢」の表記を用いる。
日本SF作家クラブ所属。
略歴
[編集]1998年春、フクヤジョウジ名義の、『まりあの受胎』でアフタヌーン四季賞佳作、以降、『月夜に釜を掘り出す』(1998年夏)でアフタヌーン四季賞佳作、『ボクたちのカリスマ』(1998年秋)にてアフタヌーン四季賞佳作、そして1999年春、『オヤスミナサイ』によりアフタヌーン四季賞四季大賞を受賞し、一般誌デビューする。
また、1998年12月には海野螢名義にて『われはロボット』(ふゅーじょんぷろだくと「パイク 戊寅・師走号[1998年12月号, vol.15]」)を発表した。
その後、フクヤジョウジ名義で『アフタヌーンシーズン増刊』(講談社)に『めもり星人』を連載した(全3話)。この作品は後に第4話「夏への扉」[3]を描き下ろして宙出版から海野螢名義にて刊行された。
以降は成年向け雑誌などで活動している。
2003年4月、処女単行本『風の十二方位』[4]を刊行した。
同人では、ももせたまみらと娼学館[5]と講漫社[6]というサークル名で活動した(2003年まで)。2003年以降は「黒鹿亭」[7]に名を改め、主に夏冬のコミケを中心にゲーム・ライトノベル・アニメのパロディ作品などを発表している。
2016年、星雲賞コミック部門に『はごろも姫』がノミネート。
人物
[編集]作品にはSFの味付けがあることが多く、淡いタッチの叙情的な画面が特徴である。既存のSF小説のネタを用いることも多い。コマ割りには種々の工夫が見られる。また、作品中に登場する少女の描写は大抵貧乳でショートカットである[8]。
海野が駆け出しでまだ数本しか商業で発表していなかった頃、FOX出版の『コミックヒメクリ』創刊に際してオファーがあり、しかもその雑誌では作家が自由に漫画を描けたという。海野は成人向けとしては異色な長編『風の十二法位』を連載し、以降もこういった作風での仕事の依頼が増えたという。
趣味は、サントラ、SF、映画[9]。
作品リスト
[編集]単行本
[編集]- 風の十二方位(FOX出版、2003年4月20日発行)
- 少女の異常な愛情(松文館、2003年9月5日発行)
- 空想少女綺譚(宙出版、2004年9月18日発行)
- めもり星人(宙出版、2005年12月21日発行)
- 思春期の終り(富士美出版、2006年10月25日発行)
- 時計じかけのシズク(オークス、2006年12月15日発行)
- マは小悪魔のマ(実業之日本社、2008年9月29日発行)
- 大人の手がまだ触れない(オークス、2008年9月29日発行)
- アンバランスな制服たち(松文館、2009年3月28日発行)
- 新装版 風の十二方位(久保書店、2009年5月10日発行) - リニューアルし巻頭カラーや描き下ろしを追加。
- オールリーフ大進撃(文苑堂、2009年12月24日発行)
- 貧ショージング・ストーリーズ(久保書店、2010年4月10日発行)
- アリスの二つの顔 (上)(松文館、2010年7月8日発行)
- 夢十夜(久保書店、2011年5月30日発行)
- アリスの二つの顔 (中)(松文館、2011年7月28日発行)
- アリスの二つの顔 (下)(松文館、2012年2月28日発行)
- トコの長い午後(ホビージャパン 2013年4月27日発行)
- モウイイカイ?(太田出版 2014年7月17日発行)
- 組曲・子供の情景(久保書店、2014年8月10日発行)
- はごろも姫 (上)(リイド社、2015年10月27日発行) 『コミック乱』連載
- はごろも姫 (下)(リイド社、2015年11月27日発行)
- 不確定性少女(大洋図書、2017年11月11日発行)電子書籍、短編集。
- あるいは秘密でいっぱいの世界(楽楽出版、2022年4月6日発行)
『めもり星人』『オールリーフ大進撃』『トコの長い午後』『はごろも姫』『不確定性少女』以外はすべて成人指定。
脚注
[編集]関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 海野屋 - archive.today(2013年4月27日アーカイブ分)(公式サイト)
- 螢日記(公式ブログ)
- 海野螢 (@Ocean_Firefly) - X(旧Twitter)
- 海野螢 - pixiv
- ザ・インタビューズ - ウェイバックマシン(2014年9月1日アーカイブ分)
- 海野螢:公開作品 - マンガ図書館Z
- 海野螢 - メディア芸術データベース