河内丸
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河内丸 | |
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同型艦のリーヴァイ・ウッドバリー | |
基本情報 | |
建造所 | Westervelt & Son |
運用者 |
アメリカ税関監視艇局 大日本帝国海軍 |
艦種 | 蒸気ブリッグまたはスクーナー |
建造費 | $103,000 |
艦歴 | |
進水 | 1863年9月15日 |
就役 | 明治元年12月、明治政府が購入 |
改名 | カンカキー → 河内丸 |
要目 | |
排水量 | 350トン |
長さ | 138 ft (42 m)[1] |
全長 | 138尺(23間[2])[3](約41.8m) |
幅 |
26 ft 6 in (8.08 m) または27 ft (8.23 m)[1] |
最大幅 | 27尺(4間3尺[2])[3](約8.18m) |
深さ | 11尺[2][3](約3.3m) |
吃水 |
11 ft (3.4 m) または9尺[2](約2.7m) |
機関 | 蒸気機関[4] |
出力 | 120名馬力[3][2] |
帆装 | 2檣[2] |
速力 |
12ノット 明治元年12月:8から9ノット[2] |
燃料 | 石炭:15トン[2](25,200斤[3]) |
航続距離 | 5日[2] |
乗員 |
明治元年:48人[3] 明治2年総員:50名[5] |
兵装 |
Kankakeeとして 30ポンドパロット砲 x 1 24ポンドダールグレン榴弾砲 x 5 明治元年12月[2] 30ポンド線八砲 1門 24ポンド砲 4門 |
河内丸 (かわちまる) は軍務官直轄 (日本海軍) の軍艦[1]。艦名は河内国に因む[4]。元アメリカ税関監視艇局の「カンカキー」[注釈 1] (USRC Kankakee)。
艦歴
[編集]「河内丸」は米国でポータクセット級(Pawtuxet class) 蒸気カッターの5番艦「カンカキー」として建造された。ポータクセット級は南北戦争中に税関監視艇局のカッター(哨戒艦)として6隻が建造されたが、戦争中は船団の護衛と哨戒に従事していた。後に6隻中3隻が日本に売却されている。なお、ポータクセット級の帆装は縦帆のスクーナーであるが、カンカキーだけは横帆のブリッグであったとの記録もある[6]。
明治元年12月(1869年1月から2月)にアメリカ人から購入[4]、12月29日(1869年2月8日)に「河内丸」と命名された[7]。翌明治2年1月2日(1869年2月12日)に受領、軍務官所管となる[8]。6月に兵庫港に係留され保管艦として使用されたが[8]、8月7日(9月12日)から岡山藩に管理させた[8][9]。 明治3年(1870年)7月2日に岡山藩から返上の申し出があり[10]、兵部省は許可した[11]。その後は大蔵省へ移管し倉庫船として使用された[8]。
艦長
[編集]- (艦長代) 直塚傳太:明治元年12月23日[12] -
同型艦
[編集]- 高雄丸(第二回天):元2番艦アシュロット(USRC Ashuelot)
- 武蔵艦:元6番艦キワニー(USRC Kewanee)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ #M1-M9海軍省報告書画像7、明治元年戊辰艦船総数表では原名カンキーナとしている。
出典
[編集]- ^ a b c #日本近世造船史明治(1973)p.170
- ^ a b c d e f g h i j #M1兵部省書類鈔録1/辨事掛合控戊辰9-12月抜粋画像1-2、12月9日
- ^ a b c d e f #M1-M9海軍省報告書画像7、明治元年戊辰艦船総数表
- ^ a b c #艦船名考(1928)pp.8-9、「7 河内 かはち Kawati.」
- ^ #M1公文類纂/軍艦乗組人名録画像1-5、船長代1、副長1、同4、医師1、会計1、皷手壱人1、水手小頭1、同助役3、水手22、火手小頭助役1、火手12。
- ^ Naval News、NYタイムズ1864年11月2日
- ^ #海軍沿革志料5-1画像15、『明治元年十二月廿九日 米利堅軍艦カンカキーナ「プレッキ」分御買揚ケ之事」船 右船名御改河内丸ト相称候事 乗組名前之義ハ軍艦姓名録ニ記ス』
- ^ a b c d 『日本海軍史 第7巻』p.461、河内丸(初代)
- ^ #M1-M9海軍省報告書画像10、明治二年己巳 軍務官 兵部省、8月。
- ^ #M3公文類纂10/河内丸返上の件岡山藩上申画像1
- ^ #M3公文類纂10/河内丸返上の義岡山藩へ達画像1
- ^ #M1公文類纂/真塚傳太笠間楯雄河内丸艦長副長被仰付画像1、類第三号海軍掛日記「十二月廿三日左之通相達候事 写 直塚傳太 当分軍艦河内丸艦長代申付候事 但笠間楯雄江副長申付候以下ノ士官ハ取調推挙可有之候也 十二月 軍務官 笠間楯雄 当分軍艦河内丸副長申付候事 十二月 軍務官」
参考文献
[編集]- アジア歴史資料センター(公式)(防衛省防衛研究所)
- 『記録材料・海軍省報告書第一』。Ref.A07062089000。(国立公文書館)
- 『明治元年 公文類纂 完 本省公文/海軍掛日記 12月 真塚傳太笠間楯雄河内丸艦長副長被仰付』。Ref.C09090000700。
- 『明治元年 公文類纂 完 本省公文/軍艦乗組人名録』。Ref.C09090001300。
- 『公文類纂 明治3年 巻10 本省公文 艦船部/諸達並雑記 7月 河内丸返上の義岡山藩へ達』。Ref.C09090136500。
- 『公文類纂 明治3年 巻10 本省公文 艦船部/諸願伺 7月 河内丸返上の件岡山藩上申』。Ref.C09090136600。
- 『海軍創業之際兵部省書類鈔録 1 明治元年/辨事掛合控 戊辰9月より戊辰12月に至るの内抜粋 軍務官』。Ref.C11081515800。
- 『明治1~3年 海軍沿革志料(5)艦船之部(1)』。Ref.C10123648500。
- 浅井将秀/編『日本海軍艦船名考』東京水交社、1928年12月。
- 海軍歴史保存会『日本海軍史 第7巻』(第一法規出版、1995年)
- 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』(光人社、1993年) ISBN 4-7698-0386-9
- 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝<普及版> 全八六〇余隻の栄光と悲劇』潮書房光人社、2014年4月(原著1993年)。ISBN 978-4-7698-1565-5。
- 造船協会『日本近世造船史 明治時代』 明治百年史叢書、原書房、1973年(原著1911年)。
- "Kankakee, 1863"、米国沿岸警備隊
関連項目
[編集]- 大日本帝国海軍艦艇一覧
- 河内 (戦艦) - 2代目河内