沖縄県警察部
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沖縄県警察部(おきなわけんけいさつぶ)は、戦前の内務省監督下の沖縄県が設置した府県警察部であり、沖縄県内を管轄区域とする。沖縄戦により、事実上消滅した。最後の部長は荒井退造。
沿革
[編集]- 1874年(明治7年)7月12日 琉球藩那覇に内務省出張所を開設。
- 1876年(明治9年)5月17日 琉球藩より司法権・他府県人の警察権を接収。琉球藩民の警察権は従来どおり琉球王府平等方が行う。
- 1879年(明治12年)3月11日 琉球処分により、琉球藩廃止。
- 1879年(明治12年)7月27日 沖縄県警察署を設置。
- 1879年(明治12年)9月24日 沖縄県警察本署に改称。
- 1886年(明治19年)7月12日 沖縄県警察本部に改称。
- 1886年(明治19年)12月27日 沖縄県初の警察電話を開設。
- 1890年(明治23年)10月10日 沖縄県警察部に改称。
- 1892年(明治25年)4月12日 那覇西村唐船堀埋立地に警察部庁舎の改築工事が落成して移転[1]。
- 1893年(明治26年)10月30日 衛生事務が移管される。
- 1900年(明治33年)10月30日 那覇警察署が警視を署長とする警察署に指定。
- 1905年(明治38年)4月18日 沖縄県第四部に改称。
- 1907年(明治40年)7月13日 沖縄県警察部に改称。
- 1928年(昭和3年)9月18日 特別高等警察課を設置。
- 1945年(昭和20年)2月下旬 戦時体制に移行し琉球警察警備隊を設置。
- 1945年(昭和20年)6月9日 警察部長が沖縄県警察部の解散を宣言。
- 1945年(昭和20年)6月26日 内務省宛の打電を最後に警察部長の生死が不明となる。
組織
[編集]1943年(昭和18年)時点
- 警察部長書記室
- 特別高等警察課
- 警務課
- 警防課
- 保安課
- 刑事課
- 経済保安課
- 保険課
- 職業課
- 警察練習所
警察署
[編集]1943年(昭和18年)時点
- 那覇警察署
- 首里警察署
- 糸満警察署
- 与那原警察署
- 嘉手納警察署
- 名護警察署
- 渡久地警察署
- 宮古警察署
- 八重山警察署
歴代部長
[編集]代 | 官職名 | 氏名 | 就任日 | 退任日 | 前職 | 後職 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 二等警部 | 寺原長輝 | 1879年7月24日 | 1880年4月6日 | 警視庁大警部 | 二等警視属 | |
- | 警察本署長心得 | 田野熾 | 1880年4月6日 | 1880年7月6日 | 沖縄県警部 | 那覇警察署長 | |
- | 警察本署長 | 松山範治 | 1880年7月6日 | 1881年5月30日 | 沖縄県警部 | ||
- | 立川千一 | 1881年5月30日 | 沖縄県警部 | ||||
- | 田中馨治 | 1881年 | 沖縄県師範学校長 | 沖縄県二等属 | |||
- | 大滝新十郎 | 1881年10月11日 | 鹿児島県三等警部 | - | |||
- | 警部長心得 警察本署長 |
1884年7月30日 | - | ||||
1 | 警部長 警察本署長 |
猪鹿倉兼文 | 1884年7月30日 | 1886年7月20日 | 沖縄県警部 | - | |
警部長 警察本部長 |
1886年7月20日[3] | 1886年10月12日[4] | - | 沖縄県書記官[4]・第一部長 | |||
2 | 龍岡信熊 | 1886年10月12日[4] | 1888年4月12日 | 沖縄県警部 | 宮崎県警部長 | ||
3 | 渡辺隆 | 1888年4月12日 | 1889年 | 宮崎県警部長 | |||
4 | 小松川隆 | 1889年 | 1890年10月11日 | - | |||
警部長 警察部長 |
1890年10月11日[5] | 1891年12月25日 | - | 奈良県警部長 | |||
5 | 竹下康之 | 1891年12月25日 | 1893年1月25日 | 三重県警部長 | |||
6 | 田中坤六 | 1893年1月25日 | 1896年4月21日 | 三重県警部長 | 台北県警部長 | ||
7 | 師岡毅 | 1896年4月21日 | 1896年9月28日 | 佐賀県警部長 | 依願免本官 | ||
8 | 久保敏樹 | 1896年9月28日 | 1897年4月26日[6] | 警視 | 佐賀県警部長 | ||
9 | 五十村良行 | 1897年4月26日[6] | 1897年10月23日 | 埼玉県警部長 | 非職[7] | ||
10 | 若林賚蔵 | 1897年10月23日 | 1900年3月1日 | 群馬県警部長 | 警察監獄学校幹事[8] | ||
11 | 和田勇 | 1900年3月1日 | 1905年4月19日 | 元新潟県警部長 | - | ||
事務官 第四部長 警務長 |
1905年4月19日[9] | 1907年7月13日 | - | - | |||
事務官 警察部長 警務長 |
1907年7月13日[10] | 1913年6月13日 | - | 免官 | |||
12 | 警察部長 | 島内三郎 | 1913年6月13日[11] | 1915年8月12日 | 沖縄県内務部長 | ||
13 | 堀口満貞 | 1915年8月12日 | 1919年4月19日 | 徳島県事務官 | 休職[12] | ||
14 | 浜田虎太郎 | 1919年4月19日[13] | 1921年6月3日[14] | 群馬県警察部長[14] | |||
15 | 桑原一郎 | 1921年6月3日[14] | 1923年1月23日 | 大分県警察部長 | 朝鮮総督府事務官[15] | ||
16 | 吉田康太郎 | 1923年1月23日 | 1924年10月2日[16] | 兵庫県理事官 | 鹿児島県警察部長[16] | ||
17 | 辻本正一 | 1924年10月2日[16] | 1924年12月20日 | 埼玉県理事官[16] | - | ||
書記官 警察部長 |
1924年12月20日[17] | 1926年9月28日[18] | - | 沖縄県書記官・内務部長 | |||
18 | 内山田三郎 | 1926年9月28日[19] | 1927年5月17日 | 地方事務官[19] | 埼玉県書記官・警察部長 | ||
19 | 小早川貞登 | 1927年5月17日 | 1928年7月3日 | 鹿児島県書記官・警察部長 | 長崎県書記官・警察部長 | ||
20 | 関壮二 | 1928年7月3日 | 1929年7月8日 | 青森県書記官・学務部長 | 佐賀県書記官・警察部長 | ||
21 | 小林長彦 | 1929年7月8日 | 1930年8月10日 | 警視庁監察官 | 台湾総督府 | ||
22 | 島川直英 | 1930年8月10日 | 1931年12月24日 | 地方事務官 | 宮崎県書記官・警察部長 | ||
23 | 井田憲次 | 1931年12月24日 | 1932年6月30日 | 和歌山県商工水産課 | 休職 | ||
24 | 竹崎米吉 | 1932年6月30日 | 1934年11月12日 | 愛媛県書記官・学務部長 | 沖縄県書記官・総務部長 | ||
25 | 綱島覚左衛門 | 1934年11月12日 | 1936年4月25日[20] | 大阪府刑事課長 | 愛媛県書記官・警察部長 | ||
26 | 西井一孝 | 1936年4月25日[20] | 1937年7月8日 | 長崎県庶務課長 | 鹿児島県書記官・警察部長[21] | ||
27 | 松浦栄 | 1937年7月8日 | 1939年4月21日 | 静岡県地方課長 | 宮城県学務課長 | ||
28 | 山内隆一 | 1939年4月21日 | 1940年8月29日 | 愛知県庶務課長 | 企画院書記官 | ||
29 | 後藤吉五郎 | 1940年8月29日 | 1941年9月6日 | 静岡県特別高等警察課長 | 台湾総督府保安課長 | ||
30 | 荒井尚 | 1941年9月6日 | 1942年11月1日[22] | 警察講習所教授 | 徳島県部長・警察部長 | ||
31 | 部長 警察部長 |
水川依夫 | 1942年11月1日[22] | 1943年7月1日 | 沖縄県経済部長 | 石川県部長・経済部長[23] | |
32 | 荒井退造 | 1943年7月1日 | 1945年6月26日 | 福井県官房長 | 殉職 |
主な事件
[編集]脚注
[編集]- ^ 『官報』第2643号、明治25年4月23日。
- ^ 『沖縄県警察史 第1巻』1054-1055頁、『沖縄県警察史 第2巻』999頁。『官報』により訂正、加筆。
- ^ 地方官官制(明治19年7月20日勅令第54号)
- ^ a b c 『官報』第988号、明治19年10月14日。
- ^ 地方官官制(明治23年10月11日勅令第225号)
- ^ a b 『官報』第4142号、明治30年4月27日。
- ^ 『官報』第4296号、明治30年10月25日。
- ^ 『官報』第4997号、明治33年3月2日。
- ^ 『官報』第6538号、明治38年4月20日。
- ^ 『官報』第7212号、明治40年7月15日。
- ^ 『官報』第262号、大正2年6月14日。
- ^ 『官報』第2014号、大正8年4月23日。
- ^ 『官報』第2012号、大正8年4月21日。
- ^ a b c 『官報』第2652号、大正10年6月4日。
- ^ 『官報』第3142号、大正12年1月24日。
- ^ a b c d 『官報』第3635号、大正13年10月3日。
- ^ 『官報』第3701号、大正13年12月22日。
- ^ 『官報』第4232号、大正15年10月1日。
- ^ a b 『官報』第4230号、大正15年9月29日。
- ^ a b 『官報』第2793号、昭和11年4月27日。
- ^ 『官報』第3154号、昭和12年7月9日。
- ^ a b 『官報』第4744号、昭和17年11月2日。
- ^ 『官報』第4940号、昭和18年7月2日。
参考文献
[編集]- 沖縄県警察史編さん委員会編『沖縄県警察史 第1巻 明治・大正編』沖縄県警察本部、1990年。
- 沖縄県警察史編さん委員会編『沖縄県警察史 第2巻 昭和前編』沖縄県警察本部、1993年。