コンテンツにスキップ

江弘毅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

江 弘毅(こう ひろき、1958年10月10日 - )は、大阪府岸和田市の出身の編集者

経歴

[編集]

大阪府岸和田市に生まれ育つ。生家は洋装店だった[1]。岸和田市立中央小学校、岸和田市立岸城中学校大阪府立岸和田高等学校神戸大学農学部園芸農学科卒業。1981年大学卒業後、神戸新聞マーケティングセンター入社。1988年同じ神戸新聞系列の出版社、京阪神エルマガジン社に移籍。1989年Meets Regional』誌を立ち上げる[1]1993年 - 2005年編集長。「西の旅」編集長、取締役編集本部長を歴任。

『Meets Regional』誌では内田樹永江朗鷲田清一富岡多恵子中場利一大月隆寛などの編集を担当した。また、京都市中京区錦市場の漬物屋にして、史上初の「酒場ライター」バッキー井上はじめ、関西ならではのユニークな書き手たちを登場させた。その編集方針・センスにより、『Meets Regional』は、単なる情報誌タウン誌としてのみならず、文芸誌的なニュアンスを持つ雑誌としてとらえられていた[誰?]。「街的」「街場」という用語をつくった。この辺りは著書『ミーツへの道』(本の雑誌社)に詳しい。

2006年春、京阪神エルマガジン社退社。同社で販売部長だった中島淳、編集プロダクション「クエストルーム」の石原卓らと「編集集団140B」を大阪市北区中之島に設立する[1]。取締役編集責任者。

雑誌新聞の連載・執筆、京阪神の「街」と「食」「岸和田だんじり祭礼」中心の書籍編集のほか、関西テレビFNNスーパーニュースアンカー』(準レギュラー2007年4月 - 9月)、NHKラジオ第1放送かんさい土曜ほっとタイム』、ラジオ関西『ラジオの街で逢いましょう』(レギュラー)などに出演。

岸和田だんじり祭の祭礼関係者であり、2003年五軒屋町若頭筆頭。その日記連載のブログ(HP「内田樹の研究室」内の「日本一だんじりなエディター」江弘毅の甘く危険な日々)が単行本化されたことから「だんじりエディター」として取り上げられることがある。2010年五軒屋町曳行責任者。2014年岸和田地車祭礼年番総務。

神戸学院大学人文学部客員教授(2005年)、京都精華大学人文学部非常勤講師(まちづくり論、2007年 - 2010年)、神戸女学院大学文学部非常勤講師(2008年 - )、近畿大学総合社会学部非常勤講師(2015年 - )。神戸松蔭女子学院大学人間科学部教授(2017年 - )。日本ペンクラブ会員。日本文藝家協会会員。

2013年4月より毎日新聞夕刊(関西版)に「濃い味、うす味、街のあじ。」を連載中。

2014年の140BのWEB連載をきっかけに自らのカメラで写真も撮り始める。

著書

[編集]
  • 岸和田だんじり祭だんじり若頭日記(晶文社,2005年)
  • 「街的」ということ〜お好み焼き屋は街の学校だ(講談社現代新書,2006年)
  • 京都・大阪・神戸 店のネタ本(編著、マガジンハウス,2006年)
  • 岸和田だんじり讀本(編著、ブレーンセンター,2007年)
  • 街場の大阪論(バジリコ,2009年. 新潮文庫,2010年)
  • ミーツへの道 「街的雑誌」の時代(本の雑誌社,2010年)
  • 「うまいもん屋」からの大阪論(NHK出版,2011年)
  • 『大阪人』増刊号「ちゃんとした大阪うまいもんの店」(吉村司と共著、大阪市都市工学情報センター,2011年)
  • 飲み食い世界一の大阪 〜そして神戸。なのにあなたは京都へゆくの(ミシマ社,2012年)
  • 有次と庖丁(新潮社,2014年)
  • K氏の遠吠え(ミシマ社,2015年)
  • 濃い味、うす味、街のあじ。(140B、2016年)
  • いっとかなあかん店 大阪(140B、2017年)
  • 大阪的(津村記久子と共著、ミシマ社、2017年)
  • いっとかなあかん 神戸(140B、2017年)
  • K氏の大阪弁ブンガク論(ミシマ社、2018年)
  • 神戸と洋食(神戸新聞総合出版センター、2019年)
  • なんでそう着るの? 問い直しファッション考(亜紀書房、2023年)

連載

[編集]
  • 東京出張・関西出張(『トムソーヤ』,2006年 - 2007年)
  • 街を恋う(『朝日ファミリーニュース』,2006年 - 2007年)
  • 江弘毅の街語り(『ミーツ・リージョナル』,2006年 - 2009年)
  • 和歌山ととなりの街の間(『和歌山リビング新聞let』,2007年 - )
  • 安くて旨くて何が悪い!(『料理通信』,2007年 - )
  • ミーツへの道(『本の雑誌』,2008年 - 2010年)
  • 現代のことば(『京都新聞』,2009年 - 2010年)
  • 新・街場の大阪論(『産経新聞』,2009年 - 2011年 114回)
  • 酒場でオレ(あるいはワシ)も考える(『月刊たる』,2010年)
  • 駅前オーライ!!(『月刊島民』,2010年(この月刊島民では、2013年3月現在発行人と編集責任者を務めている[2]))
  • 飲み食い世界一の大阪。そして神戸、なのにあなたは京都へ行くの。(「ミシマガジン』,2011年 - )
  • 有次と庖丁(『波』新潮社,2012年 - 2013年)
  • 濃い味、うす味、街のあじ。(『毎日新聞』,2013年 - )
  • 世の為、の店。(「Web140B」2014年10月‐)
  • おいしい街、うまい通り。(「あまから手帖」2015年2月号‐)
  • 江弘毅の食べること、飲むことについて毎日考える(Web連載「あまから手帖」2015年1月-)
  • 正しい店とのつきあい方。(Web連載「ぐるなび」2015年9月-)
  • 「お洒落」考(Web連載「あき地」亜紀書房2019年12月ー2023年4月)
  • うま安、大阪名物(「大阪保険医新聞」2020年1月ー)
  • こころの森(「共同通信配信」2021年2月、3月、4月)

脚註

[編集]
  1. ^ a b c 私のかんさい 凸凹は個性 街の魅力に 江弘毅さん-編集者『日本経済新聞』関西版2018年12月11日付夕刊11面「もっと関西」欄
  2. ^ 『月刊島民』56号、2013年3月1日発行

外部リンク

[編集]