毬 (植物学)
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植物の毬(いが)とはクリ(Castanea crenata)やセイヨウトチノキ(Aesculus hippocastanum)などの種子を覆う棘のついた外皮をいう。植物学上、毬は総苞がカプセル状に発達したもので、熟すと開裂する。棘は総苞片の腋から出る腋芽の発達したものである。
クリの毬
[編集]クリの毬はカプセル状に発達した総苞により形成されており、その中にクリの種子が包まれている。クリの古毬に寄生する菌類として、ユーラシア大陸のLanzia echinophila と北アメリカ大陸のCiboria americana[1]の二種が知られている。
セイヨウトチノキの毬
[編集]セイヨウトチノキの毬は蒴果、すなわち種子を覆う果皮が裂ける裂開果の一種である。
文化
[編集]ラ・ノルヴィール市(エソンヌ県)の紋章の意匠はクリの木とクリの毬である。
ルドン市(ブルターニュ地方)には「金色の毬」(La Bogue d'or)という祭典がある。この祭典は、オート=ブルターニュ地方の歌謡・音楽・伝承の評価を高めるためにジャン=ベルナール・ヴィジェッティが中心となって1975年に創設され、ヴェレーヌ地方のブルターニュ文化協会によって毎年10月第4週目に開催されている。祭典名は、ルドン市の特産であるクリに由来する。「金色の毬」はフランスの無形文化遺産の一つに登録されている[2]。
脚注
[編集]- ^ Guillaume Eyssartier; Pierre Roux (septembre 2017 (4e édition)) (フランス語). Guide des champignons France et Europe (Belin ed.). Paris. pp. 1152. ISBN 978-2-410-01042-8.
- ^ “Fiches d'inventaire - Patrimoine Culturel Immatériel en France”. www.pci-lab.fr. 2022年11月9日閲覧。