比嘉姉妹シリーズ
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比嘉姉妹シリーズ(ひがしまいシリーズ)は、澤村伊智による日本のホラー小説のシリーズ。2015年からKADOKAWAより刊行が始まり、2024年時点でシリーズ累計発行部数は70万部を突破している[1]。比嘉琴子・真琴の霊能者姉妹や周囲の人間が、怪異に遭遇する様を描く著者の代表作である。
1作目の『ぼぎわんが、来る』は第22回日本ホラー小説大賞、2018年の短編「学校は死の匂い」は第72回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した[2][3]。
映画化やコミカライズ化もされている。
主な登場人物
[編集]比嘉姉妹
[編集]巫女の姉妹。「姉妹」と称されているが、作中で名前が出ている三人が女性であり、後述する真琴の下にも弟が三人、妹が一人いる。 両親と弟三人(龍也、虎太、肇)、および次女美晴、四女栞は、作中ではすでに故人。
- 比嘉真琴
- 高円寺のバー「デラシネ」でアルバイトをしている巫女。シリーズ通してのヒロイン。
- 部屋の片づけはあまり行き届いていない。『ずうのめ人形』にて、野崎と結婚。
- 比嘉琴子
- 真琴の姉で国内最強クラスの霊媒師、巫女。喫煙者。
- 姉妹の中でも群を抜いて「力」が強く、国内の同業者(僧侶や霊能など)や警視庁高官などにも顔が広いどころか、幽霊・妖怪にも名が知られている。
- 唯一の肉親である真琴とはしばらく連絡を取っていないが、「力」によってお互いがどんな状況にいるかがある程度わかるという。
- 比嘉美晴
- 真琴の姉で琴子の妹。
- 姉弟の中でも「力」に対するコンプレックスが強く、特に長子である琴子にある種の敵対心を抱いている。
- 中学三年の時にある事件により帰らぬ人となる。
その他
[編集]- 野崎昆
- オカルト雑誌をメインに仕事にするフリーライターでバツイチで真琴の彼氏。
- 本名は和浩。職業柄、編集者やライター、カメラマンなどと交流がある。
- 『ずうのめ人形』にて真琴と結婚する。
- 辻村ゆかり
- 料理研究家。本名は里穂。
- 彼女の発する言葉には、現実を歪めてしまう力がある[4]。
シリーズ一覧
[編集]長編は単行本(のち文庫化)、中短編集は文庫本として刊行される[5]。
- ぼぎわんが、来る
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- 単行本:2015年10月30日発売[2]、KADOKAWA、ISBN 978-4-04-103556-6
- 文庫本:2018年2月24日発売[6]、角川ホラー文庫、ISBN 978-4-04-106429-0
- ずうのめ人形
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- 単行本:2016年7月28日発売[7]、KADOKAWA、ISBN 978-4-04-104355-4
- 文庫本:2018年7月24日発売[8]、角川ホラー文庫、ISBN 978-4-04-106768-0
- ししりばの家
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- 単行本:2017年6月29日発売[9]、KADOKAWA、ISBN 978-4-04-105482-6
- 文庫本:2020年1月23日発売[10]、角川ホラー文庫、ISBN 978-4-04-108543-1
- などらきの首(短編集)
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- 文庫本:2018年10月24日発売[11]、角川ホラー文庫、ISBN 978-4-04-107322-3
タイトル 初出 ゴカイノカイ 『文芸カドカワ』2017年9月号 学校は死の匂い 『小説 野性時代』2018年8月号 居酒屋脳髄談義 『幽 vol.26』2016年12月 悲鳴 『文芸カドカワ』2018年3月号 ファインダーの向こうに 『ずうのめ人形』電子書籍特典 などらきの首 書き下ろし
- ぜんしゅの跫(短編集)
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- 文庫本:2021年1月22日発売[12]、角川ホラー文庫、ISBN 978-4-04-109956-8
タイトル 初出 鏡 『怪と幽 vol.001』2019年4月 わたしの町のレイコさん 『小説 野性時代』2017年9月号 鬼のうみたりければ 『幽 vol.30』2018年12月 赤い学生服の女子 『怪と幽 vol.004』2020年4月 ぜんしゅの跫 書き下ろし
- ばくうどの悪夢
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- 単行本:2022年11月2日発売[13]、KADOKAWA、ISBN 978-4-04-109878-3
- さえづちの眼(中編集)
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- 文庫本:2023年3月22日発売[14]、角川ホラー文庫、ISBN 978-4-04-111736-1
- すみせごの贄(短編集)
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- 文庫本:2024年03月22日発売[15]、角川ホラー文庫、ISBN 978-4-04-113863-2
タイトル 初出 たなわれしょうき 『怪と幽 vol.007』2021年5月 戸栗魅姫の仕事 『怪と幽 vol.006』2021年1月 火曜夕方の客 『怪と幽 vol.008』2021年9月 くろがねのわざ 『怪と幽 vol.013』2023年5月 とこよだけ 『怪と幽 vol.014』2023年9月 すみせごの贄 『怪と幽 vol.015』2024年1月
漫画
[編集]- 澤村伊智(原作)・川本貴裕(作画) 『ぼぎわんが、来る』 KADOKAWA〈COMIC BRIDGE〉、全3巻
- 2018年12月7日発売[16]、ISBN 978-4-04-065327-3
- 2019年6月8日発売[17]、ISBN 978-4-04-065768-4
- 2019年12月7日発売[18]、ISBN 978-4-04-064239-0
- 澤村伊智(原案)・片岡人生、近藤一馬(漫画) 『比嘉姉妹』 カドコミ[19]
- 比嘉姉妹シリーズをアレンジ、再構成したストーリー[20]。2024年5月24日よりカドコミにて連載開始。
- 2024年11月7日発売[21]、ISBN 978-4-04-811379-3
映画
[編集]第1作『ぼぎわんが、来る』が、『来る』のタイトルで2018年12月7日に公開[22]。監督は中島哲也、主演は岡田准一[22]。
→詳細は「ぼぎわんが、来る § 映画」を参照
脚注
[編集]- ^ KadokawaHorrorの2024年3月22日のツイート、2024年10月10日閲覧。
- ^ a b “「ぼぎわんが、来る」 澤村伊智[文芸書] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “いま注目の作家・澤村伊智著「学校は死の匂い」 第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞!”. KADOKAWA (2019年4月26日). 2024年10月10日閲覧。
- ^ “『すみせごの贄』澤村伊智インタビュー”. ダ・ヴィンチWeb (2024年4月18日). 2024年10月10日閲覧。
- ^ ichisawamuraのツイート(1642066969624203264)
- ^ “「ぼぎわんが、来る」 澤村伊智[角川ホラー文庫] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「ずうのめ人形」 澤村伊智[文芸書] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「ずうのめ人形」 澤村伊智[角川ホラー文庫] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「ししりばの家」 澤村伊智[文芸書] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「ししりばの家」 澤村伊智[角川ホラー文庫] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「などらきの首」 澤村伊智[角川ホラー文庫] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「ぜんしゅの跫」 澤村伊智[角川ホラー文庫] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年2月7日閲覧。
- ^ “「ばくうどの悪夢」 澤村伊智[文芸書] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2022年12月2日閲覧。
- ^ “「さえづちの眼」 澤村伊智[角川ホラー文庫] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2023年4月1日閲覧。
- ^ “「すみせごの贄」 澤村伊智[角川ホラー文庫] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2024年3月31日閲覧。
- ^ “「ぼぎわんが、来る 1」 川本貴裕[BRIDGE COMICS] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「ぼぎわんが、来る 2」 川本貴裕[BRIDGE COMICS] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「ぼぎわんが、来る 3」 川本貴裕[BRIDGE COMICS] - KADOKAWA”. KADOKAWA. 2020年5月6日閲覧。
- ^ https://comic-walker.com/detail/KC_005576_S
- ^ ichisawamuraのツイート(1793916417047478525)
- ^ “「比嘉姉妹(1)」片岡人生”. KADOKAWA. 2024年10月10日閲覧。
- ^ a b “岡田准一×中島哲也のホラー「来る」、共演に黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年2月12日) 2020年5月6日閲覧。