正則測度
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数学の分野における、ある位相空間上の正則測度(せいそくそくど、英: regular measure)とは、その空間内のすべての可測集合について「近似的に開」(approximately open)かつ「近似的に閉」(approximately closed)であるような測度のことを言う。
定義
[編集](X, T) を位相空間とし、Σ を、位相 T を含む X 上のσ-代数とする(したがって、すべての開集合と閉集合は可測集合であり、Σ は少なくとも X 上のボレルσ-代数と同じくらい良質なものである)。μ を (X, Σ) 上の測度とする。X の可測部分集合 A が μ-正則であるとは、
および
が成り立つことを言う。あるいは、A が μ-正則集合であるための必要十分条件は、すべての δ > 0 に対して、
および
を満たすような閉集合 F と開集合 G が存在することを言う。
これら二つの定義は、 が有限である場合には同値となる[1](そうでない場合には、二つ目の定義の方が強くなる)。すべての可測集合が正則であるとき、μ は正則測度と呼ばれる。
人によっては、集合 F が(閉であるだけでなく)コンパクトであることも必要とする[2]。
例
[編集]- 実数直線上のルベーグ測度は正則測度である:ルベーグ測度の正則性定理を見られたい。
- 任意の距離空間上の任意のボレル確率測度は、正則測度である。
- (すべての可測部分集合に対してゼロの値を取るような)自明測度は、正則測度である。
- 通常位相を備える実数直線上の、正則測度でない測度 μ の自明な例には、以下のようなものがある。
- ,
- , and
- for any other set .
脚注
[編集]- ^ Paul Halmos (1950). Measure Theory. Springer New York. p. 228
- ^ Dudley 1989, Sect. 7.1
参考文献
[編集]- Billingsley, Patrick (1999). Convergence of Probability Measures. New York: John Wiley & Sons, Inc.. ISBN 0-471-19745-9
- Parthasarathy, K. R. (2005). Probability measures on metric spaces. AMS Chelsea Publishing, Providence, RI. p. xii+276. ISBN 0-8218-3889-X MR2169627 (See chapter 2)
- Dudley, R. M. (1989). Real Analysis and Probability. Chapman & Hall
- Halmos, Paul (1950), Measure Theory, Springer New York, p. 228