樽見鉄道ハイモ295-510形気動車
樽見鉄道ハイモ295-510形気動車 | |
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ハイモ295-516 2008年3月 | |
基本情報 | |
運用者 | 樽見鉄道 |
製造所 | 新潟トランシス[1] |
製造初年 | 2005年[1] |
製造数 | 1両[2] |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067[3] mm |
最高運転速度 | 80[4] km/h |
車両定員 |
119名 (座席45名)[4] |
自重 | 29.0 t[4] |
全長 | 18,500[2] mm |
車体長 | 18,000[3] mm |
全幅 | 3,200[5] mm |
車体幅 | 2,700[3] mm |
全高 | 4,035[3] mm |
車体高 | 3,690[3] mm |
床面高さ | 1,240 mm[3] |
車体 | 普通鋼[5] |
台車 |
ボルスタレス空気ばね式 FU56D/FU56T[5] |
車輪径 | 810 mm[3] |
固定軸距 | 2,000 mm[3] |
台車中心間距離 | 13,000 mm[3] |
機関 | 日産ディーゼル製PF6HT03ディーゼルエンジン[2] |
機関出力 | 217 kW (295 PS) / 2,100 rpm[4] |
変速機 | 液体式(SCAR0.91B-4D1) [4] |
変速段 | 変速2段、直結1段[5] |
制動装置 | SME[4] |
保安装置 | ATS-ST[6] |
樽見鉄道ハイモ295-510形気動車 (たるみてつどうハイモ295-510がたきどうしゃ)は、2005年(平成17年)に1両が製造された樽見鉄道の気動車である[7]。樽見鉄道で初めて18 m級の車体を採用した[7]。
概要
[編集]1984年(昭和59年)10月に国鉄樽見線を第三セクターに転換して開業した樽見鉄道が、開業時に投入したハイモ180-200形の老朽代替用として2005年(平成17年)に1両を製造したものである[5]。形式名「ハイモ」は「ハイスピードモーターカー」の略、295は馬力表示の機関出力を意味している[8]。1999年(平成11年)に1両が製造されたハイモ295-310形に対し、輸送力増強のため車体長が2 m延長された18 mとなったが、エンジンはハイモ295-310形と同じ電子制御のPF6HT03ディーゼルエンジンが採用された[9][注釈 1]。従来車両との総括制御が可能である[5]。正面貫通式、両運転台、トイレなし、ロングシートで、車椅子スペースと、車椅子で乗降する際に使用する脱着式スロープが設けられた[5]。外部塗装は樽見鉄道標準のブルーベースのものになった[6]。車両番号の下2桁はハイモ230-310形・ハイモ295-310形と連番で、516となった[9][2]。
車体
[編集]前面は貫通式、乗務員室は左側に設けられ、乗務員用扉が設けられた[3]。幅900 mmの引き戸の客用扉が片側2か所、両車端に設けられた[3]。ホーム高さが低いため扉にはステップが設けられ、車椅子での乗降に備え、着脱式のスロープが搭載されている[5]。扉間には幅1,200 mmの窓6組が設けられ、両端のもの左右計4個所が上段固定、下段上昇の2段窓、それ以外は固定窓となった[5]。登場時から18年間に亘って樽見鉄道標準塗色となっていたが、2024年に本巣市の市制20周年を記念したラッピングが施され、車両の愛称は「モトスミライ号」となった[10][11]。車体正面の行先表示器がLED式となり、両側面にもLED式行先表示器が設けられた[5]。
車内は全席バケット式ロングシートとなり、車椅子スペースが設けられた[5]。
走行装置
[編集]エンジンは、電子制御の日産ディーゼル製PF6HT03ディーゼルエンジン定格出力(217 kW / 2,100 rpm)を1基搭載[5]、動力は神鋼造機製SCAR0.91B-4D1液体変速機(変速2速、直結1速)を介して2軸駆動の台車に伝達される[5][4]。台車はボルスタレス空気ばね式FU56KD/Tが採用された[4][2]。制動装置は従来車との併結を考慮してSME三管式直通ブレーキが採用された[3]。デッドマン装置、戸閉保安装置、列車無線などが設置され、保安度の向上がはかられた[3]。
空調装置
[編集]暖房装置はエンジン排熱を利用した温風式である。冷房装置は機関直結式の能力18.0 kW(15,500 kcal/h)のデンソー製AU26が2基設置された[3][4]。
車歴
[編集]形式 | 車両番号 | 製造 | 廃車 |
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ハイモ295-510 | ハイモ295-516 | 2005年12月[1] | - |
運用
[編集]ハイモ180形の代替用として製造され、ハイモ295-516の就役でハイモ180-202が廃車されている[7]。樽見線全線で運転され、従来車との連結運転も行われている[3]。客車列車廃止後のうすずみ桜開花時の多客輸送や、モレラ岐阜開業による乗降客増にも対応している[3]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 『新車年鑑2006年版』p216
- ^ a b c d e 『私鉄気動車30年』p169
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『新車年鑑2006年版』p169
- ^ a b c d e f g h i 『新車年鑑2006年版』p181
- ^ a b c d e f g h i j k l m 『新車年鑑2006年版』p168
- ^ a b 『樽見鉄道の車両』
- ^ a b c 『新車年鑑2006年版』p132
- ^ 『レイルマガジン』通巻230号付録p16
- ^ a b 『私鉄気動車30年』p106
- ^ 樽見鉄道に記念列車「モトスミライ号」 本巣市制20周年で地元高校生などがアイデア
- ^ ハイモ295-516が本巣市制20周年記念仕様に
参考文献
[編集]書籍
[編集]- 寺田 祐一『私鉄気動車30年』JTBパブリッシング、2006年。ISBN 4-533-06532-5。
雑誌記事
[編集]- 『レイルマガジン』通巻230号付録(2002年11月・ネコ・パブリッシング)
- 岡田誠一「民鉄・第三セクター鉄道 現有気動車ガイドブック2002」 pp. 1-32
- 『鉄道ピクトリアル』通巻767号「鉄道車両年鑑2006年版」(2006年10月・電気車研究会)
- 岸上 明彦「2005年度民鉄車両動向」 pp. 118-140
- 樽見鉄道 本巣機関区 各務 直人「樽見鉄道 ハイモ295-510形」 pp. 168-169
- 「民鉄車両諸元表」 pp. 178-181
- 「各社別新造・改造・廃車一覧」 pp. 205-220
Web資料
[編集]- “樽見鉄道の車両”. 樽見鉄道. 2017年6月25日閲覧。
- 「樽見鉄道に記念列車「モトスミライ号」 本巣市制20周年で地元高校生などがアイデア」『中日新聞』中日新聞、2024年1月27日。オリジナルの2024年2月7日時点におけるアーカイブ。
- “ハイモ295-516が本巣市制20周年記念仕様に” (2024年2月11日). 2024年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月6日閲覧。