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榎本好宏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

榎本好宏(えのもと よしひろ、 1937年4月5日 - 2022年2月2日[1][2])は、日本の俳人

生涯 

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東京生まれ[3]。1970年、「杉」創刊に参画[3]。主宰の森澄雄に40年間師事し[3]、「杉」編集長を18年担当した[3]。森の死後に「杉」を退会。2010年、句集『祭詩』で第49回俳人協会賞受賞[2]2015年、『懐かしき子供の遊び歳時記』で第29回俳人協会評論賞受賞[1]。『件』同人。選者を務めた俳誌『會津』終刊後、2014年、俳誌「航」を創刊、主宰[2]。1996年から10余年にわたり福島県只見川流域の9町村と協力して、「歳時記の郷・奥会津 全国俳句大会」事業の企画・運営に携わった。

読売新聞地方版「よみうり文芸」選者[3]俳人協会名誉会員[2]日本文藝家協会日本エッセイスト・クラブの会員だった。[3]

2022年2月2日、肝臓がんのため84歳で逝去。

作品

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代表句は

三月は人の高さに歩み来る

枕絵といふ菜の花の如きもの

金亀虫アッツに父を失ひき

滝さらに自在に落ちてよかりしに

独活食うて世に百尋も遅れけり

   知覧

母様(かかさま)へ椎の若葉が匂ひます

神楽いま早池峰に音還しけり

更衣見るべき花を見尽くして

こつつんと切子置かるる酒冷し

千里とは万葉人の冬の星

などがある。

作風は40年師事した森澄雄の影響もあり、大和ことばによるなめらかな調べを重視したが、後年は自ら創設した結社「航」のこころざしとして「おのおのが持つ無意識下のやわらかい自己の発現をめざす」を掲げ、己れの中に顕つ不思議の具現を追求した。

著書 

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句集

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  • 『寄竹 』東京美術 1981 「現代俳句選書 23」
  • 『素声 』富士見書房 1987 「俳句研究」句集シリーズ
  • 『方寸 』富士見書房 1995 「俳句研究」句集シリーズ
  • 『四序 榎本好宏句集』角川書店 1997 今日の俳句叢書
  • 『三遠 榎本好宏句集』角川書店 2001
  • 『奥会津珊々』奥会津書房 2004
  • 『会景 榎本好宏句集』角川書店 2004
  • 『祭詩 榎本好宏句集』ふらんす堂 2008 リブロ・件
  • 『知覧』飯塚書店 2012
  • 『南溟北溟 』飯塚書店 2015
  • 『青簾』角川書店 2018
  • 『季語別 榎本好宏全句集』航出版 2020
  • 『花合歓』航出版 2021

評論・エッセイ

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入門書

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  • 『俳句入門 本当の自分に出会う手引き』池田書店 1998

歳時記・辞書

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  • 『日本を楽しむ暮らしの歳時記 春』平凡社 2000 別冊太陽
  • 『日本を楽しむ暮らしの歳時記 夏』平凡社 2000 別冊太陽
  • 『日本を楽しむ暮らしの歳時記 秋』平凡社 2000 別冊太陽
  • 『日本を楽しむ暮らしの歳時記 冬』平凡社 2000 別冊太陽
  • 『季語語源成り立ち辞典』平凡社 2002
  • 『大きな活字季語辞典』日東書院 2003
  • 『季語の来歴』平凡社 2007
  • 『まるごと日本の季節 監修』学研 2011 学研もちあるき図鑑
  • 『季語成り立ち辞典』平凡社 2014 平凡社ライブラリー
  • 『歳時記ものがたり』本阿弥書店 2019

共編著

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参考

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脚注

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  1. ^ a b 榎本好宏氏死去 俳人:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2022年4月17日閲覧。
  2. ^ a b c d 榎本好宏さん死去 俳人:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年4月17日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 榎本好宏プロフィール”. 公益社団法人俳人協会・俳句文学館. 2022年4月閲覧。