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函数解析学と関連する数学の分野において、あるベクトル空間の与えられた部分集合の極集合(きょくしゅうごう、英: polar set)とは、その双対空間の中のある集合のことを言う。
双対組 が与えられたとき、 のある部分集合 の極集合あるいは極とは、次で定義される 内の集合 のことを言う。
の部分集合 の双極(bipolar)とは、 の極集合のことを言う。それは と表記される 内の集合である。
- は絶対凸である。
- ならば である。
- したがって である。ここで集合の等号は必ずしも成立しない。
- すべての に対して、次が成り立つ:
- 双対組 に対し、 は 上の弱*位相(英語版)の下で において閉である。
- ある集合 の双極 は、 の絶対凸包絡集合である。すなわち、 を含む最小の絶対凸集合である。 がすでに絶対凸であるなら、 が成り立つ。
- 内の閉凸錐 に対し、極錐 は に対する片側極集合と同値で、次で与えられる。
- .[1]
幾何学において、極集合は点と平面の間の双対性を意味することもある。特に、ある点 の極集合は、 を満たす点 の集合で与えられ、それは極超平面(polar hyperplane)であり、超平面に対する双対関係はその極を与える。
ポテンシャル論における極集合に関する文献:
Ransford, Thomas: Potential Theory in the Complex Plane, London Mathematical Society Student Texts 28, CUP, 1995, pp. 55-58.