柳原尚之
柳原 尚之(やなぎはら なおゆき、1979年[1][2] - )は、日本の料理研究家である。江戸懐石近茶流宗家。博士(醸造学)。
祖父は江戸懐石近茶流先々代宗家の柳原敏雄。父は江戸懐石近茶流先代宗家であり、東京農業大学客員教授も務めた柳原一成。
来歴
[編集]暁星幼稚園、暁星小学校、暁星中学校・高等学校を経て、東京農業大学農学部醸造学科を卒業[3]。農大で発酵食品学を学んだ後、小豆島の醤油会社・マルキン忠勇に研究員として勤務した。また、オランダ帆船「スワンファンマッカム号」でキッチンを担当。船で唯一のアジア人クルーであった[3]。
その後は父の一成とともに、柳原料理教室にて日本料理および茶懐石の研究指導にあたる[3]。またNHK Eテレ『きょうの料理』に出演するきじまりゅうた、陳建太郎とともに、同番組の男性料理人ユニット「おかず青年隊」3代目メンバーを務める[4]。
2009年から2013年毎年3月に奈良東大寺で行われるお水取り(修二会)にて、練行衆の食事をつくる院士(いんじ)として参籠する。[5]
2010年11月、アメリカの食大学CIA(The Culinary Institute of America)のカリフォルニア校(ナパバレー)で開催された食関連のカンファレンスWOF(World of Flavor)に、日本を代表するあらゆる分野のシェフ総勢39名のチームオブジャパンの一員として参加、プレゼンテーションを行う。[6]
2015年には文化庁から文化交流使に任命され、ニュージーランド、ブラジル、カナダ、アメリカ合衆国の4か国に日本料理を広めて回った[2]。
2018年2月農林水産省により、日本食普及の親善大使に任命される。[7]
令和4年3月に,東京農業大学大学院農学研究科醸造学専攻後期博士課程修了し,博士(醸造学)を授与される。博士論文のテーマは「江戸期の酢に関する研究」[8]
人物
[編集]趣味はアイスホッケー、自転車、茶道、舞踊[3]。他にクレー射撃も嗜む[1]。特にクレー射撃では第六十八回国民体育大会(2013東京国体)に東京都代表メンバーとして出場し、総合優勝している。[9]
出演
[編集]テレビ番組
[編集]- きょうの料理(NHK Eテレ)
- 情報満載ライブショー モーニングバード!(テレビ朝日) - 水曜のコーナー「スタイルアップ!プロ技キッチン!」担当。不定期出演。
- 歴人めし(2016年、チャンネル銀河)
- おかずのクッキング(テレビ朝日)
- 美の壷(NHK)
- グレーテルのかまど(NHK)
- キューピー3分クッキング(日本テレビ)
所作指導・料理考証担当
[編集]テレビドラマ
[編集]- 御宿かわせみ(NHK)
- 慶次郎縁側日記(NHK)
- 渡る世間は鬼ばかり(TBS) - 2006年4月・2008年4月・2010年10月から各々1年間「おかくら」の料理所作を指導。
- 大河ドラマ 龍馬伝(2010年、NHK)
- 日曜劇場 新参者(2010年、TBS)ー第二章「料亭の小僧」の料亭「まつ矢」料理監修[10]
- みをつくし料理帖(2017年2019年 NHK)料理監修、料理制作
- 大河ドラマ 青天を衝け(2021年 NHK)料理指導
著書
[編集]単著
[編集]- 男が食べたいごはん!近茶流柳原尚之の白飯(しろいごはん)に合うおかず(2006年1月、ゴマブックス、ISBN 4-7771-0301-3)
- 近茶流柳原尚之の男が食べたいごはん!もっとおいしく。基本の和食(2006年7月、ゴマブックス、ISBN 4-7771-0415-X)
- 近茶流柳原料理教室 誰でもできる和食の基本(2012年9月、講談社、ISBN 978-4-06-217834-1)
- 「包む」「巻く」「結ぶ」で美しく和のおもてなし料理(2013年10月、池田書店、ISBN 978-4-262-12999-0)
- 正しく知って美味しく作る 和食のきほん(2014年11月、池田書店、ISBN 978-4-262-13012-5)
- 和食をつくろう! 第1巻(2015年2月、教育画劇、ISBN 978-4-7746-2009-1)
- 和食をつくろう! 第2巻(2015年4月、教育画劇、ISBN 978-4-7746-2010-7)
- 和食をつくろう! 第3巻(2015年4月、教育画劇、ISBN 978-4-7746-2011-4)
- 名門の味をおうちで おとなの和食再入門(2015年4月、主婦の友社、ISBN 978-4-07-411039-1)
- 江戸から伝わる味をたずねて(2015年6月、池田書店、ISBN 978-4-262-13015-6)
- 美味しい暮らし 季節の手仕事 春夏秋冬日々を楽しむレシピ帖(2016年11月、池田書店、ISBN 978-4-262-13027-9)
- 世界一美味しいご飯をわが家で炊く(2018年2月、青春出版社、ISBN 978-4-413-04531-5)
- はじめての和食えほん 冬のごちそうつくろう(2019年12月、文溪堂、ISBN 978-4-7999-0344-5)
- はじめての和食えほん 春のごちそうつくろう(2020年3月、文溪堂、ISBN 978-4-7999-0345-2)
- はじめての和食えほん 夏のごちそうつくろう(2020年7月、文溪堂、ISBN 978-4-7999-0346-9)
- はじめての和食えほん 秋のごちそうつくろう(2020年10月、文溪堂、ISBN 978-4-7999-0343-8)
- NHKまる得マガジン いまさら聞けない 美しい箸の使い方(2021年10月、NHK出版、ISBN 978-4-14-827309-0
共著
[編集]- クリステルの鍋で作る私のレシピ(2010年11月、講談社、ISBN 978-4-06-299504-7)
- NHKテキスト NHK趣味どきっ! 幕末維新メシ(2018年1月、NHK出版、ISBN 978-4-14-228753-6)
- 豆類の百科事典 (2024年5月、朝倉書店、ISBN 978-4-254-40026-7)
脚注
[編集]- ^ a b “柳原 尚之さん”. みんなのきょうの料理. NHKエデュケーショナル. 2020年4月26日閲覧。
- ^ a b “柳原 尚之”. 文化庁文化交流使. 文化庁. 2020年4月26日閲覧。
- ^ a b c d “... 柳原料理教室/profile...”. 柳原料理教室. 2006年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月26日閲覧。
- ^ “アラスカ州政府観光局、おかず青年隊と天然サーモンPR ツーリズムEXPO”. Aviation Wire (2015年9月26日). 2020年4月26日閲覧。
- ^ “新メニュー続々 - お水取り・練行衆の食事|奈良新聞デジタル”. www.nara-np.co.jp. 2023年2月28日閲覧。
- ^ “Soul of Japanについて|一般財団法人 日本のこころ - ソウルオブジャパン(Soul of Japan)”. soulofjapan.net. 2023年2月28日閲覧。
- ^ “農水省、「日本食普及の親善大使」に19人を任命”. 観光経済新聞 (2018年3月7日). 2020年7月12日閲覧。
- ^ “柳原料理教室|プロフィール”. 柳原料理教室. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “2013 東京国体 総合優勝祝賀会”. 府中市クレー射撃連盟 会員ニュース. 2020年7月12日閲覧。
- ^ “TBS日曜劇場新参者 現場リポート 料亭まつ矢”. www.tbs.co.jp. 2020年7月26日閲覧。