東海道名所記
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『東海道名所記』(とうかいどうめいしょき)は、江戸時代前期に浅井了意によって著された仮名草子作品。
概要
[編集]刊行年次は未詳[1]。作品内で明暦4年(1658年)刊行の『京童』が引用されることから、これ以降の刊行とされ、おおむね万治3 – 4年(1660 – 1661年)頃の刊行と推測されている[1]。
巻1「江戸から大磯まで」に始まり、東海道五十三次にしたがって、「小田原より江尻まで」(巻2)「府中より吉田まで」(巻3)「ごゆより庄野まで」(巻4)「亀山より山科まで」(巻5)「山科より京まはり宇治まで」(巻5)と続く[1]。
主人公の楽阿弥と大阪の手代が、江戸から京都へ上京する趣向となっている[1]。この趣向は『竹斎』の影響を受けている[1]。旅宿ごとの距離を示す点、主人公を通して旅の心得が説かれる点、各土地の名産品や風俗を紹介する点など、実用性や教訓性に富んだ内容を持つ[1]。