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東武80000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東武80000系電車
南栗橋車両管区に留置中の80000系
(81501F・81502F・81503F)
基本情報
運用者 東武鉄道
製造所 近畿車輛
製造年 2024年 -
製造数 25編成107両(予定)[1]
運用開始 2025年3月8日(予定)[2]
投入先 野田線
主要諸元
編成 5両編成
軌間 1,067 mm(狭軌
動力伝達方式 WN継手式[3]
主電動機 三相同期リラクタンスモータ[1]
駆動方式 中実軸平行カルダン方式[3]
制御方式 フルSiC素子適用MOSFET-VVVFインバーター
制御装置 フルSiC素子適用2レベル方式電圧型PWMインバータ、電力回生ブレーキ付定速運転機能付[3]
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東武80000系電車(とうぶ80000けいでんしゃ)は、2025年から営業運転を開始する予定東武鉄道通勤型電車東武野田線(東武アーバンパークライン)に投入予定[1]

概要

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野田線(東武アーバンパークライン)の8000系および10030系の置き換え用として、「子育て世代のご家族の皆様が快適にご利用いただける車両構造」をコンセプトに新たに設計された[1]。更なる環境への配慮や省メンテナンス・省エネルギー化(電気使用量は代替対象の8000系と比べて約40%以上削減)[1]バリアフリーの推進や安全性・快適性の向上を図っている。

東武野田線の車両編成の5両化により、車両は5両編成で製造される。また、サステナビリティの観点から、25編成のうち18編成は4両を新造し、1両を60000系からサハ64600を脱車して改造・改番したサハ83500を組み込むことにより5両編成を構成する[1]

車両概説

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車体

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車体長は先頭車20,470mm・中間車20,000mm[3] 幅は2,800mmで、素材は東武鉄道の一般型車両では50000系以降で標準となっているアルミ[4]。ただし、同じ野田線の車両である60000系(日立製作所製)と異なり、80000系は東武単独の設計の車両としては、初の近畿車輛製となった。[4][注釈 1]

客用扉は片側4箇所・両開き方式で、幅1,300mm [3]

内装 

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車内のテーマは「リビング」で、「『ただいま』って言いたくなる車内」を目指し、落ち着いた空間を表現したデザインとなった。60000系とは床面や座席モケットの色が変わり、乗務員室後ろの壁に装飾が入った。
本編成では、子供向け空間をイメージした『たのしーと』を全編成の4号車に設置する[1][6]。「たのしーと」は東武鉄道の登録商標である(特許第6793095号)[7]

主要機器 

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主電動機として民間鉄道[注釈 2]同期リラクタンスモータを採用した車両推進システムSynTRACSを搭載する。このほか、リチウムイオン電池SCiBとSIV装置を組み合わせた車上バッテリーシステムを搭載する[1]

制御装置にはフルSiC素子を採用。

補助電源装置として、3レベルIGBT式SIV装置を設置。AC440V 60Hz 200kVA、ESシステムによりSIV故障時のCP動作用電源(440V)供給に対応

電動空気圧縮機として、オイルレススクロール式を1編成につき1台(3台内蔵)設置。出力性能1分当たり1,155Nl 消音器付除湿装置、除湿装置用暖房器付

編成

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編成は5両編成(Tc-M-T-M-Tc)であり[6]、MT比は2M3T。電動車比率が低くなっている[1][3]。なお、パンタグラフはモハ82500とモハ84500に設置されている。

編成表

 
← 柏
大宮・船橋 →
号車 5 4 3 2 1
形式 クハ81500

(Tc1)

モハ82500

(M1)

サハ83500

(T1 / T2 / T3[注釈 3]

モハ84500

(M2)

クハ85500

(Tc2)

搭載機器 CONT,SIV,CP MON[3] CONT,SIV,CP
車両番号 81501
:
81503
82501
:
82503
83501
:
83503
84501
:
84503
85501
:
85503
自重 29.5t 36.3t 26.3t 36.7t 29.7t
定員 133人 143人 144人 144人 133人
備考 「たのしーと」設置車[6]
凡例
CONT:制御装置
SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
CP:電動空気圧縮機
MON:各種モニタリング装置

脚注

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注釈 

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  1. ^ 東武の車両では、日比谷線直通用の70000系も近畿車輛製だが[5]、これは東京メトロとの共同設計。
  2. ^ 民間鉄道以外では、福岡市交通局4000系が先に同期リラクタンスモータを搭載して登場している。
  3. ^ MON(施設モニタリングシステム)非搭載の車両は「T1」、MON搭載の車両は「T2」、60000系からの流用車両は「T3」となる。[3]

出典 

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  1. ^ a b c d e f g h i 省エネ・CO2削減による環境負荷低減と快適性・サービス向上を両立します 2025年から東武アーバンパークラインに5両編成の新型車両80000系を導入します ~環境にやさしく、沿線の皆さまに愛される車両を目指します~』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道、2024年4月16日。オリジナルの2025年2月7日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20250207041433/https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/202404161247115gFjCdYsG3H5MfjtzUEqxQ.pdf2025年2月10日閲覧 
  2. ^ 新型80000系お披露目 東武野田線10年ぶり、3月から営業運行開始 子ども部屋イメージ「たのしーと」も」『千葉日報』千葉日報社、2025年2月10日。オリジナルの2025年2月10日時点におけるアーカイブ。2025年2月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 東武80000系、新型車両の主要諸元は? 2編成に施設モニタリング装置”. マイナビニュース (2025年2月12日). 2025年2月12日閲覧。
  4. ^ a b 先進機器を採用、ワンマン運転対応も! 東武の新型「80000系」を詳しく見る”. 鉄道コム (2025年2月11日). 2025年2月12日閲覧。
  5. ^ 東武鉄道株式会社殿東武スカイツリーライン新型車両(東京メトロ日比谷線相互直通運転車両)の製作者に決定しました』(プレスリリース)近畿車輛、2015年6月17日。オリジナルの2020年3月22日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200322065939/http://www.kinkisharyo.co.jp/ja/news/news150617.htm2025年2月12日閲覧 
  6. ^ a b c 【速報版リポート】東武80000系が報道公開 野田線5両化の第一陣は3月8日にデビュー予定”. 鉄道コム (2025年2月10日). 2025年2月10日閲覧。
  7. ^ 特許出願・登録情報表示”. 独立行政法人工業所有権情報 https://www.inpit.go.jp/.+2025年1月23日閲覧。

関連項目

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