コンテンツにスキップ

本多灯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
本多 灯
Tomoru HONDA
第99回日本選手権水泳競技大会 100mバタフライ決勝
(東京アクアティクスセンター 2023年4月8日)
選手情報
フルネーム 本多 灯
国籍 日本の旗 日本
泳法 バタフライ個人メドレー
所属 イトマン東京
日本大学
生年月日 (2001-12-31) 2001年12月31日(22歳)
生誕地 神奈川県横浜市
身長 173 cm
獲得メダル
競泳男子
日本の旗 日本
オリンピック
2020 東京 200mバタフライ
世界水泳選手権
2024 ドーハ 200mバタフライ
2022 ブダペスト 200mバタフライ
2023 福岡 200mバタフライ
アジア競技大会
2022 杭州 200mバタフライ
2022 杭州 400m個人メドレー
2022 杭州 4×200mリレー
世界ジュニア水泳選手権
2019 ブダペスト 200mバタフライ
ジュニアパンパシフィック選手権
2018 スバ 4×100mリレー
2018 スバ 200mバタフライ
テンプレートを表示

本多 灯(ほんだ ともる、2001年12月31日 - )は、日本の男子競泳選手。専門種目はバタフライ個人メドレー神奈川県横浜市出身。2020年東京オリンピック競泳男子200mバタフライ銀メダリスト[1]男子200mバタフライ(短水路)世界記録保持者。パリオリンピック日本代表。身長173センチメートル。

経歴

[編集]

横浜市立二つ橋小学校鶴見大学附属中学校日本大学藤沢高校を経て、日本大学スポーツ科学部在学[2]

幼稚園の頃、兄がきっかけで水泳を始めた[3]。中学時代からアリーナつきみ野スイミングスクールで萱原茂樹より指導を受ける[4]

2017年第72回国民体育大会の少年男子B 400m自由形で優勝[5]

2018年ジュニアパンパシフィック選手権では男子200mバタフライに出場し銅メダルを[6]、男子4×100mメドレーリレーに柳川大樹深沢大和石崎慶祐と共に出場し銀メダルを獲得した[7]

2019年全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会の200mバタフライで1分54秒41の記録で優勝[8]第74回国民体育大会少年男子200mバタフライで1分56秒70の記録で優勝[9]。2019年世界ジュニア水泳選手権の200mバタフライで銀メダルを獲得した[10]

2020年日本学生選手権水泳競技大会男子400m個人メドレーで優勝[11]日本選手権の200mバタフライで初めて優勝を果たす[12]

2021年2月、ジャパンオープン男子200mバタフライに出場し、1分55秒32の記録で優勝[13]2021年日本選手権兼東京オリンピック選考会では200mバタフライで派遣標準記録(1分56秒25)を突破する1分54秒88で優勝し、オリンピック日本代表に選出された[14]

2021年の東京オリンピック競泳男子200mバタフライでは、準決勝で1分55秒31のタイムで全体8位となり、紙一重で決勝に進出[15]。決勝は一般的に不利とされる8レーンで挑むことになるも[16]、前半100mで4番手だった順位から終盤で追い上げを見せ、2着でゴールし、銀メダルを獲得した[1]。金メダルを獲得したクリストフ・ミラークハンガリー)には2秒48の大差をつけられるも、自己ベストを0秒50更新する1分53秒73のタイムを記録した[17]

2021年10月、日本学生選手権水泳競技大会の男子200mバタフライに出場し1分54秒45の記録で優勝[18]

2022年3月、競泳国際大会日本代表選手選考会の男子400m個人メドレーに出場し自己ベスト更新の4分13秒20で優勝[19]、200mバタフライでは2位に1秒以上の差をつけ優勝[20]。4月、第98回日本選手権水泳競技大会の200mバタフライに出場し1分54秒72で優勝[21]。6月、2022年世界水泳選手権に出場、男子400m個人メドレーは7位だったものの[22]、男子200mバタフライで1分53秒61のタイムで銅メダルを獲得[23]した。10月、日本短水路選手権の男子200mバタフライにおいて、1分46秒85の世界新記録を達成し優勝した[24]。11月、2022年度「神奈川スポーツ賞」を受賞[25]。12月、ジャパンオープン男子200mバタフライに出場し、1分52秒70のタイムで優勝[26]2022年世界短水路選手権は出場を見送り強化を優先した[27]

2023年4月、世界選手権日本代表選考会を兼ねた第99回日本選手権水泳競技大会に出場、男子200mバタフライで1分53秒34の記録で4連覇を達成し、日本代表に内定[27]。5月、欧州グランプリに出場、13日(フランスカネ)の100mバタフライで52秒14の記録で優勝[28]、20日(モナコ)の200mバタフライで大会新記録の1分54秒22で優勝した[29]。7月、2023年世界水泳選手権では男子400m個人メドレーは予選敗退であったものの、男子200mバタフライで1分53秒66のタイムで銅メダルを獲得した[30]。10月、アジア競技大会に出場、個人競技では男子400m個人メドレーで優勝[31]、男子200mバタフライで1分53秒15の大会新記録で優勝した[32]。団体競技では男子4×200mリレーに眞野秀成松元克央田中大寛と共に出場、銅メダルを獲得した[33]

2024年世界水泳選手権の200mバタフライで1分53秒88を記録し、金メダルを獲得した[34]。日本の男子がバタフライで金メダルを獲得するのはオリンピック・世界水泳選手権通じて初、日本全体では2015年世界水泳選手権の200mバタフライで優勝した星奈津美以来9年ぶり[35]

2024年パリオリンピック競泳の男子200メートルバタフライでは、予選2組で1分57秒30でフィニッシュし、この組の8位、全体で22位となり予選敗退となった[36]

人物

[編集]

泳いだ後に筋肉を強調した「マッスルポーズ」を見せるパフォーマンスを行い、大会を通じて本多の代名詞となっている[4][17]

「灯」(ともる)という名前は「周りを明るく照らす存在になってほしい」という願いが込められている。本多自身も「名前からして結構明るい性格だと思ってる」と語る[3]

脚注

[編集]
  1. ^ a b “本多灯、自己ベストで銀メダル「誰よりも楽しむことを意識した」/競泳”. サンケイスポーツ. https://www.sanspo.com/article/20210728-ZJRT5PANERMH3MJPHWANXRC6JE/ 2021年7月28日閲覧。 
  2. ^ 本多 灯 - 神奈川県ホームページ”. 神奈川県ホームページ. 神奈川県 (2021年7月16日). 2022年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月23日閲覧。
  3. ^ a b “銀メダリスト本多灯とは 名前に込められた思いは「周りを明るく照らす存在に」”. デイリースポーツ online. (2021年7月28日). https://www.daily.co.jp/olympic/tokyo2020/2021/07/28/0014541346.shtml 2021年7月29日閲覧。 
  4. ^ a b “銀メダル本多灯は「当時から目立ちたがりやだった」中学から指導の萱原茂樹コーチ強さの秘けつ明かす”. スポーツ報知. (2021年7月29日). https://hochi.news/articles/20210729-OHT1T51010.html 2021年7月29日閲覧。 
  5. ^ “愛顔つなぐえひめ国体 会期前競技終了/競泳 少年男子A50自 村上(坂出高)4位 少年女子A 高嶋(善通寺一高)8位”. 四国新聞. (2017年9月17日). https://www.shikoku-np.co.jp/sports/local/20170917000153 2023年10月24日閲覧。 
  6. ^ ジュニアパンパシフィック 1日目結果”. TOBIUO JAPAN Journal (2019年8月23日). 2023年10月24日閲覧。
  7. ^ 世界ジュニア選手権が終了いたしました。”. TOBIUO JAPAN Journal (2018年8月26日). 2023年10月23日閲覧。
  8. ^ 第41回全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会 競泳競技 種目別競技結果 競技No.204 男子 200m バタフライ 決勝” (PDF) (2019年3月29日). 2023年10月24日閲覧。
  9. ^ 9月15日 競泳 少年男子A200mバタフライ”. 茨城県. 2023年10月24日閲覧。
  10. ^ 世界ジュニア選手権が終了いたしました。”. TOBIUO JAPAN Journal (2019年8月27日). 2023年10月23日閲覧。
  11. ^ “男子200平泳ぎで佐藤が連覇 競泳日本学生選手権”. 神奈川新聞. (2020年10月5日). https://www.kanaloco.jp/sports/misc/article-256426.html 2023年10月24日閲覧。 
  12. ^ 第96回日本選手権水泳競技大会 競泳競技 種目別競技結果 競技No. : 34 男子 200m バタフライ 決勝” (PDF) (2020年12月5日). 2023年10月23日閲覧。
  13. ^ “瀬戸大也、200バタはVならず3位 本多灯がV 瀬戸は200個人メドレー決勝で萩野と再び激突”. スポーツニッポン. (2021年2月6日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/02/06/kiji/20210206s00008000373000c.html 2023年10月24日閲覧。 
  14. ^ 田坂友暁 (2021年5月21日). “日大・本多灯「名前通りに明るく、日本中を沸かせたい」 後半の強さを武器に世界へ”. 4years.. 2023年10月23日閲覧。
  15. ^ “本多灯が全体8位で決勝進出「メダルに挑戦したい」男子200メートルバタフライ”. スポーツ報知. (2021年7月27日). https://hochi.news/articles/20210727-OHT1T51074.html 2021年7月29日閲覧。 
  16. ^ “不利を覆して「8レーンから銀メダル!」初五輪の19歳、本多灯の200mバタフライ2位に海外記者も驚愕!「パリの優勝候補になる」【東京五輪】”. THE DIGEST. (2021年7月28日). https://thedigestweb.com/topics_detail13/id=44458 2021年7月29日閲覧。 
  17. ^ a b “本多灯、銀メダルに歓喜のマッスルポーズ連発「思った通りのレースができた」”. Sponichi Annex. (2021年7月28日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/07/28/kiji/20210728s00092000315000c.html 2021年7月29日閲覧。 
  18. ^ “五輪「銀」燃え尽きから本多灯 やる気スイッチ再びオンのV【競泳・学生選手権】”. 中日スポーツ. (2021年10月8日). https://www.chunichi.co.jp/article/344325 2023年10月24日閲覧。 
  19. ^ “本多灯が瀬戸大也を抑え優勝「本当にうれしい」…男子400メートル個人メドレー”. スポーツ報知. (2022年3月2日). https://hochi.news/articles/20220302-OHT1T51193.html 2023年10月24日閲覧。 
  20. ^ “本多 競泳エース宣言、憧れ瀬戸は「ライバル。世界で戦うためには超えないと」”. スポーツニッポン. (2022年3月10日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2022/03/10/kiji/20220310s00092000173000c.html 
  21. ^ “本多灯「自分のベストタイムを狙っていたので悔しい」200バタ圧倒3連覇も「反省」”. スポーツニッポン. (2022年4月30日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2022/04/30/kiji/20220430s00092000479000c.html 2023年10月24日閲覧。 
  22. ^ “瀬戸大也が400個メで6位、本多灯は7位 世界水泳”. 日本経済新聞. (2022年6月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC190GO0Z10C22A6000000/ 2023年10月24日閲覧。 
  23. ^ “【速報】世界水泳第4日 本多が「銅」競泳男子200mバタフライ 瀬戸は全体3位で決勝へ”. 共同通信. (2022年6月22日). https://www.47news.jp/7946765.html 2023年10月24日閲覧。 
  24. ^ “競泳の本多灯、短水路世界新V 日本選手権”. 日本経済新聞. (2022年10月22日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC223DH0S2A021C2000000/ 2023年10月27日閲覧。 
  25. ^ “神奈川スポーツ賞 本多灯(ともる)選手が受賞 競泳 国内外で活躍”. タウンニュース社. (2022年11月10日). https://www.townnews.co.jp/0106/2022/11/10/650342.html 2023年10月27日閲覧。 
  26. ^ “競泳ジャパンOP、本多灯が200バタで優勝”. 日本経済新聞. (2022年12月3日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC0331X0T01C22A2000000/ 2023年10月27日閲覧。 
  27. ^ a b “本多灯が200Mバタフライで4連覇も「悔しい」 世界選手権代表内定も日本記録に及ばず”. スポーツニッポン. (2023年4月6日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2023/04/06/kiji/20230406s00092000428000c.html 2023年10月27日閲覧。 
  28. ^ “競泳、松元や本多ら優勝 欧州GP”. 共同通信. (2023年5月14日). https://www.47news.jp/9320645.html 2023年10月27日閲覧。 
  29. ^ “競泳の欧州GP、本多灯・松元克央・渡辺一平ら優勝”. 日本経済新聞. (2023年5月21日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC210NL0R20C23A5000000/ 2023年10月27日閲覧。 
  30. ^ “水泳 世界選手権 本多灯が銅メダル 男子200mバタフライ”. NHK. (2023年7月26日). https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230726/k10014143551000.html 2023年10月27日閲覧。 
  31. ^ “競泳400m個人メドレーで本多灯が金メダル「やっと1番!」、銀は瀬戸大也…アジア大会”. 読売新聞. (2023年9月26日). https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20230926-OYT1T50188/ 2023年10月27日閲覧。 
  32. ^ “競泳・本多灯が大会新でV、小堀倭加「銀」 アジア大会”. 日本経済新聞. (2023年9月29日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC29C3J0Z20C23A9000000/ 2023年10月27日閲覧。 
  33. ^ “【アジア大会】日本競泳陣が苦戦…大会3日目は入江ら銅3個のみ 金メダル1号またもお預け”. スポーツニッポン. (2023年9月25日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2023/09/25/kiji/20230925s00092000578000c.html 2023年10月27日閲覧。 
  34. ^ Men's 200m Butterfly 2024年2月15日閲覧
  35. ^ “【世界水泳】本多灯が日本勢バタフライ初の金メダル!左足首捻挫も笑顔「チャーミングポイント」”. 日刊スポーツ. (2024年2月15日). https://www.nikkansports.com/sports/news/202402150000016.html 2024年2月15日閲覧。 
  36. ^ “競泳 男子200mバタフライ 本多灯 予選敗退 パリ五輪”. NHK. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240730/k10014530441000.html 2024年7月30日閲覧。 

外部リンク

[編集]
記録
先代
瀬戸大也
(1分48秒24)
2018年12月11日
200メートルバタフライ(短水路)
世界記録保持者
(1分46秒85)

2022年10月22日
次代
現保持者