朝鮮民主統一救国戦線
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朝鮮民主統一救国戦線(ちょうせんみんしゅとういつきゅうこくせんせん、조선민주통일구국전선)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から亡命した元高官らが結成した、北朝鮮の民主化を要求する政治組織。略称は朝統戦(조통전)。
概要
[編集]1992年1月28日・29日の2日間にわたってロシアのモスクワで創立大会を行い、宣言文を採択した[1]。冷戦終結によりルーマニア革命などの政変が東ヨーロッパで続発する中、北朝鮮における政変も近いとみて結成したものであった[1]。創立宣言文では、「金父子世襲独裁の清算」「北朝鮮の開放、改革」を掲げ、金日成・金正日父子に退陣を勧告している[1]。
創立に参加したのは、ソ連派・延安派・南労党派など、1948年9月の朝鮮民主主義人民共和国建国に参加しながらも、その後の政争に敗れて国外に亡命した政府・軍の高官らであった。1957年に中国に亡命し、その後日本で出版社(成甲書房)を経営していた朴甲東が常任議長に選出された[1]。創立大会の参加者以外に、作家・詩人の許真、音楽家の鄭樞などが加わり、鄭樞は『救国戦線歌』を作った[2]。しかし、情勢の変わらない間に参加者は高齢となり、物故者も相次いだため、2010年時点で活動しているのは常任議長の朴甲東、共同議長の鄭樞などわずかしかいないという[2]。
創立時の参加者
[編集]旧ソ連
[編集]- 李相朝(議長、元人民軍副総参謀長、駐ソ連大使)
- 姜相昊(元内務省副相)
- 兪成哲(元人民軍副総参謀長兼作戦局長)
- 鄭尚進(元文化宣伝省副相)
- 朴秉律(元江東政治学院長)
- 金燦(元人民軍第2軍団軍事委員)
- 張学鳳(元人民軍航空司令部軍事委員、金策軍官学校校長)
- 南鳳植(元中央放送委員会委員長)
- 沈寿哲(元民族保衛省幹部局副局長)
- 宋元植(元平壌特別市党副委員長)
- 兪成傑(元航空軍官学校校長)
- 李黄龍(元民族保衛省兵器総局長)
- 金東樹(元平壌特別市内務部長)
中国
[編集]日本
[編集]米国
[編集]- 朱栄福(元人民軍第2軍団工兵副部長)
脚注
[編集]- ^ a b c d “해외망명 전 북한 지도층/「반김일성 투쟁」선언”. ソウル新聞. (1992年2月25日) 2019年1月9日閲覧。
- ^ a b 在카자흐스탄 亡命음악가 鄭樞“김일성 반대는 예술인의 양심에서 출발한 것”, 月刊朝鮮, (2010.9) 2019年1月9日閲覧。
外部リンク
[編集]- 朝鮮民主統一救国戦線 - ウェイバックマシン(2008年11月2日アーカイブ分)
- 朝鮮民主統一救国戦線創立宣言 - ウェイバックマシン(2005年3月12日アーカイブ分)