コンテンツにスキップ

有里紅良

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
有里 紅良
(ありさと あから)
誕生 伊藤 勇喜子(いとう ゆきこ)
1961年8月31日
日本の旗 日本北海道根室市
死没 (2015-07-02) 2015年7月2日(53歳没)
職業 映像編集技師アニメ
小説家
漫画原作者
演劇脚本家
言語 日本語
活動期間 1986年 - 2015年
ジャンル ファンタジー
主題 人外(伝承・超自然的存在あるいは人によって創造された意志体)と人間との共存
代表作 ラルフィリア・サーガ
HAUNTEDじゃんくしょん(原作協力・小説版作者)
円陣とらぶる!(原作)
恋咲忍伝おもいっきりハヤテさま(原作)
なぞらえ屋(原作・脚本)
配偶者 あり
子供 長女
長男
次男
公式サイト ら・むうん畑
同人サークル・劇団「ら・むうん」初代代表
テンプレートを表示

有里 紅良(ありさと あから、本名:伊藤 勇喜子(いとう ゆきこ)[1]1961年(昭和36年)8月31日[2] - 2015年(平成27年)7月2日[3])は、日本漫画原作者小説家演劇脚本家、同人作家、映像編集技師北海道根室市出身[2][1]

同人サークルから発展して結成された創作集団および劇団である「有限会社La・Moon」の初代代表取締役。同団体発行作品の主幹編集者。同じく「ら・むうん」に所属する漫画家イラストレーター夢来鳥ねむとのコンビで知られる[2][1]。ら・むうんメンバーおよびファンからの愛称はママ。夢来鳥が漫画家デビューに伴う上京に際し有里を、東京における第二の母として慕い呼び習わした事に由来する。

人物

[編集]

1961年、北海道根室市に生まれる。親の仕事の関係により、生後すぐより北海道内を転々とする。1971年、親の仕事の都合により東京都へと転ずる。

1977年に高校に入学し同校の漫画研究会に所属。高校の文化祭で漫研部員とアニメーションの制作に挑戦し、上映までこぎつける。1980年に高校を卒業し文化祭での成果を元に虫プロダクション(新社)に入社。フィルム編集部門に配属され、同社の編集技師である尾形治敏に師事し、フィルム編集技師として活動する。編集としてマッドハウス作品を多く手掛けていたことから、同社スタッフや関係する漫画家などと交流があった。1982年に結婚、長女および長男を出産。

1986年ゲゲゲの鬼太郎に影響を受け、同人サークル「鬼太郎座」を結成。同人ダイナビジョン[4]作品『女禍』を企画。交流のあった業界人らや鬼太郎ファンを巻き込み、自ら監督を引き受ける(「伊藤勇子」名義)。この活動において人脈を頼り水木しげるおよび田の中勇と機知を得てスーパーバイザーを依頼し指導を受ける。また同作に猫娘役として参加したのが後の夢来鳥ねむである。1989年に同人ダイナビジョン『女禍』が完成し一度限りの上映に至り、鬼太郎座解散。ただし別サークル「月読温泉旅行倶楽部」を結成し『女禍』参加メンバーの継続交流の場とした。

1989年に夢来鳥ねむが漫画家としてデビューしたことから、彼女の上京の面倒を見るとともに、設定やストーリープロットなどの相談を受けるなど、実質的な共同作業者となっていった。この事から1995年、『月読温泉旅行倶楽部』を前身に、創作集団ら・むうんを結成した。なお前年となる1994年に次男を出産している。以降、漫画原作者として夢来鳥との二人三脚がスタートする。2004年、後述する闘病の事情から自身や夢来鳥の作品の著作権管理法人として、任意団体であった「ら・むうん」を「有限会社La・Moon」へと法人化し、自ら代表取締役に就任する。

1990年代後半に虫プロのフィルム編集部門が「尾形編集室」として独立したことに伴い、移籍して立ち上げメンバーとなるものの、アニメーション制作のデジタル化と後述する闘病を契機に業界を退いている[5]

1999年乳がんへの罹患が発覚[6]。治療により一時治癒に至るも2006年に再発[6]。以降、闘病を続けながら作家として活動を続ける事となる。晩年はベッドから起きられぬ体となりながらもタブレット端末を持ち込み、常に全力を尽くした[1]

病状の悪化のため2015年7月2日に永眠。最初のガン発覚から、実に16年にわたる闘病に終止符を打つ[1]

主要執筆作品

[編集]

小説

[編集]

漫画原作

[編集]

脚本

[編集]

主要映像編集参加作品

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e 追悼誌『月紅万里』(ら・むうん、2016年4月24日発行)参照
  2. ^ a b c webコミックGENZO【作品紹介】UNDER HEAVENS ホスピタル”. 幻冬舎コミックス. 2009年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月28日閲覧。
  3. ^ 有里紅良 Twitter 2015年7月2日付、2015年7月2日閲覧
  4. ^ アニメ一歩手前状態となる紙芝居映像の事。現在のFlashアニメに近いもの
  5. ^ 原作:有里紅良、漫画:夢来鳥ねむ『セイル』 第1巻(初版)、講談社〈マガジンZKC HXL ヒーロークロスラインシリーズ〉、2008年11月21日、表紙折り返し頁。ISBN 978-4-06-349401-3 
  6. ^ a b 乳がんの全身転移と闘いながらフル回転で創作活動を続ける、漫画原作者・有里紅良さん - がんサポート(2009年11月)2017年2月13日 閲覧

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]