月料
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月料(げつりょう)とは、広義には毎月の支給・支出物(特定の物品とは限らない)一般を指すが、狭義には律令制下において皇親・京官に毎月支給された食料(主食=米・副食・調味料)をいう。
概要
[編集]『延喜式』によれば、毎月10日に在京の各官司が太政官に対して翌月分の必要量を申請し、17日に太政官は宮内省に対して太政官符の形で支給を指示、25日に主食(米)は大炊寮、副食・調味料は大膳職から支給された(大炊寮・大膳職はともに宮内省管轄)。米については年料舂米、副食・調味料については調などが財源に充てられた。
日本における月料の初期の状況については不明な点が多く、また追加手当に相当するものとして劇官(繁忙な官職)には別途に要劇料(銅銭)・番上粮(米)が別途支給されていたことが知られているが、大同4年(809年)に行われた改革で要劇料・番上粮の追加手当としての性格は剥奪され、月料・要劇料・番上粮のいずれかを米で支給することになった。このため、以後3者を合わせて月粮という呼び方も行われることになった。
だが、9世紀後半になると年料舂米の未進が問題となり、元慶5年(881年)に先に設定された元慶官田の一部を分割して要劇田(諸司田)を新たに設定、その収益をもって各官司の月料の財源に充てることとした。
参考文献
[編集]- 早川庄八「月料」(『国史大辞典 5』(吉川弘文館、1985年) ISBN 978-4-642-00505-0)
- 勝浦令子「月料」(『日本史大事典 2』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13102-4)
- 野村忠夫「月料」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-04-031700-7)