暗号研究者の一覧
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暗号研究者の一覧(あんごうけんきゅうしゃのいちらん)は、暗号・暗号学・暗号理論などの研究者の一覧である。高度な専門分野となった近年はともかく、古くは政治家や他分野の専門家として著名な者もいる。
古典暗号時代
[編集]- ポリュビオス(Polybius、前201年 - 120年頃) - ポリュビオス暗号。
- ガイウス・ユリウス・カエサル(ラGaius Iulius Caesar、英Julius Caesar、前100年7月13日 - 44年3月15日) - シーザー暗号。
- カルカシャンディ(Qalqashandi、1355年 - 1418年) -
- レオーネ・バッティスタ・アルベルティ(en:Leone Battista Alberti、1404年 - 1472年) - 多アルファベット換字式暗号。アルベルティの円盤を発明。
- ヨハネス・トリテミウス(en:Johannes Trithemius、1462年2月1日 - 1516年12月13日) - トリテミスの多表式暗号(Tabula recta)を考案。
- ジェロラモ・カルダーノ(en:Gerolamo Cardano、1501年9月24日 - 1576年9月21日) - イタリアの数学者。グリル暗号を考案。
- ブレーズ・ド・ヴィジュネル(en:Blaise de Vigenere、1523年4月5日 - 1596年) - ヴィジュネル暗号と呼ばれる多表式換字暗号を考案した。250年間、解読法は公開されず、解読不能かと思われていた。
- ジョバンニ・バッティスタ・デラ・ポルタ(en:Giovanni Battista Della Porta、1535年 - 1615年) - イタリアの博学者。ダイグラフィック暗号(Digraphic cipher)を考案。
- アントワーヌ・ロシニュル(en:Antoine Rossignol、1600年 - 1682年) - フランスの暗号作成・解読の専門家。敵国の暗号文を数多く解読し、フランスでは"ロシニュル"という言葉で万能鍵を意味するようになった。大暗号と呼ばれるノーメンクラタを考案し、ルイ14世の王室で使用された。暗号の父とも呼ばれる。
- トーマス・ジェファーソン(en:Thomas Jefferson、1743年4月13日 - 1826年7月4日) - 米大統領。ジェファーソンの輪と呼ばれるホィール暗号の考案している。
- チャールズ・バベッジ(en:Charles Babbage、1791年12月26日 - 1871年10月18日) - 英国の数学者。ヴィジュネル暗号を解読。
- チャールズ・ホイートストン(en:Charles Wheatstone、1802年2月6日 - 1875年10月19日) - イギリスの物理学者。プレイフェア暗号を考案。円盤式暗号も考案している。
- フリードリヒ・W・カシスキ(en:Friedrich Wilhelm Kasiski、1805年11月29日 - 1881年5月22日) - プロイセンの暗号研究者。1863年に95ページからなる暗号の書籍を出版し、ヴィジュネル暗号などの多表式換字暗号の解読法を公開した。この解読法はカシスキテストとして呼ばれる。
- エードゥアルト・フライスナー・フォン・ヴォストローヴィッツ(en:Eduard Fleissner von Wostrowitz、1825年 - 1888年) - 回転式グリル暗号を考案。1881年に出版した書籍にて発表。
- アウグスト・ケルクホフス(en:Auguste Kerckhoffs、1835年1月19日 - 1903年8月9日) - ケルクホフスの原理(Kerckhoffs' principle)で知られる。
- エチエンヌ・バズリ(en:Etienne Bazeries、1846年8月21日 - 1931年11月7日) - フランス軍の暗号解読者。M-94の原形となったバゼリーシリンダを考案。これはジェファーソンの輪の改良したものだった。
- ナイジェル・デ・グレイ(en:Nigel de Grey、1886年3月27日 - 1951年3月25日) - 英国の暗号解読者。Room 40 に勤務。ツィンメルマン電報を解読。
- ウィリアム・モンゴメリ(en:William Montgomery、) - Room 40 に勤務した暗号解読者の一人。ツィンメルマン電報の解読にも参加した。
- フリッツ・ナベル(Fritz Nebel) - ADFGX暗号を考案。
- ジョルジュ・パンヴァン(Georges Painvin) - ADFGX暗号、ADFGVX暗号を解読。
近代暗号時代
[編集]機械式暗号の開発者
[編集]- エドワード・ヒュー・ヒーバン(en:Edward Hugh Hebern、1869年4月23日 - 1952年2月10日) - 最初のロータ暗号機(へバーン暗号機)の開発。
- フーゴ・アレクサンダー・コッホ(en:Hugo Alexander Koch、1869年頃 - 1928年) -
- アルトゥール・シェルビウス(en:Arthur Scherbius、1878年10月20日 - 1929年5月13日) - ドイツの電気技術者。エニグマの開発
- アルヴィド・ゲルハルド・ダム(en:Arvid Gerhard Damm、????年 - 1927年) - ヘゲリン暗号機の原形
- ギルバート・ヴァーナム(en:Gilbert Sandford Vernam、1890年 - 1960年) - バーナム暗号の発明者。
- ボリス・ツェーザル・ヴィルヘルム・ハゲリン(en:Boris Caesar Wilhelm Hagelin、1892年7月2日 - 1983年9月7日) - ダムの暗号機を改良。商業的成功。M-209。戦後連合国の援助の元、スイスに暗号機会社を設立。
- (en:Joseph O Mauborgne,) - OTPの発明者の一人。
- アレキサンダー・フォン・クリハ(Alexander von Kryha) - クリハ暗号。
暗号解読者
[編集]- アグネス・マイヤー・ドリスコール夫人(en:Agnes Meyer Driscoll、1889年 - 1971年) - アメリカの暗号解読者。エニグマや日本軍の暗号を沢山解読した。
- ハーバート・O・ヤードリー(en:Herbert Osborne Yardley、1889年4月13日 - 1958年8月7日) - アメリカの暗号学者。MI-8の設立者。『ブラック・チェンバー』を出版。
- ローレンス・F・サフォード米海軍中佐(en:Laurance F. Safford、1890年 - 1973年) - アメリカ軍の暗号学者。第1次世界大戦後に暗号組織を設立した。
- ウィリアム・フレデリック・フリードマン(en:William Frederick Friedman、1891年9月24日 - 1969年12月12日) - アメリカ軍の暗号学者。1930年代にSISを開設し、SISの解読チームが日本軍のパープル暗号の解読を行った。
- エリザベス・フリードマン(en:Elizebeth Smith Friedman、1892年 - 1980年10月31日) - アメリカの暗号解読者。ウィリアム・フリードマンの夫人。
- マリアン・レイエフスキー陸軍大尉(en:Marian Adam Rejewski、1905年8月16日 - 1980年2月13日) - ポーランドの数学者・暗号学者。初期のエニグマの解読に成功。
- ウィリアム・ゴードン・ウィルチマン(en:William Gordon Welchman、1906年6月15日 – 1985年10月8日) - 英国の数学者で、第2次世界大戦中にブレッチレイ・パーク(GCCS)にて暗号解読に従事した。Hut 6のリーダ。
- スチュアート・ミルナー・バリー(en:Stuart Milner-Barry、1906年9月20日 - 1995年3月25日) - 英国のチェスプレーヤ。ブレッチレイ・パークにて暗号解読に従事した。
- アブラハム・シンコフ(en:Abraham Sinkov、1907年 - 1998円) - SISの暗号解読者。
- フランク・バイロン・ローレット(en:Frank Byron Rowlett、1908年5月2日 - 1998年6月29日) - パープル暗号の解読。NSA長官特別補佐官。国家安全勲章受章
- ランブロス・カリマホス(en:Lambros Demetrios Callimahos、1910年12月16日 - 1977年10月28日) - NSA国家暗号学校(NCS)最上級解読コース教授、フリードマンの主著「軍事暗号学」共著
- アラン・チューリング(en:Alan Mathison Turing、1912年6月23日 - 1954年6月7日) - エニグマの解読の中心人物。GC&CS。
- メレディス・ガードナー(en:Meredith Gardner、1912年10月20日 - 2002年8月9日) - 言語学者・暗号解読者。NSAベノナプロジェクトに参加。
- クロード・シャノン(en:Claude Elwood Shannon、1916年4月30日 - 2001年2月24日) - 暗号理論を初めて研究。情報理論の父と呼ばれる。
- 釜賀一夫(Kamaga Kazuo、1917年1月1日 - 2003年11月23日) - 日本陸軍の暗号理論、米軍の暗号解読。筆名加藤正隆。
- 長田順行(Nagata Junkou、1929年4月4日 - 2007年8月31日) - 日本暗号協会会長。
- ルイス・W・トーデラ博士 - 長年にわたってNSA副長官
- リー・タトワイラー米海軍中尉-日本海軍の暗号解読の中心人物
- フレデリック・マルムグレン - 「暗号解読」コンテスト優勝
- ソロモン・クルバック
- ミルトン・ザスロー - NSA中国暗号解読班長、NSA長官特別補佐官
- アン・Z・カラクリスティー -NSA暗号解読総責任者
- ピーター・メリーチャーチ -GCHQ長官
現代暗号時代
[編集]あ
[編集]- ロス・アンダーソン(Ross Anderson) - Serpent開発者
- レオナルド・エーデルマン(Leonard M.Adelman、1945年 - ) - RSA開発者の一人
- エルガマル(Taher ElGamal) - ElGamal暗号の開発者
- 岡本龍明 (Tatsuaki Okamoto) - M-O-V (Menezes-Okamoto-Vanstone) Attack など
か
[編集]- (Lars Knudsen、 - ) - DEAL, Serpentの開発者。
- ラン・カネッティ (Ran Canetti) - 汎用的結合可能性(Universally Composable Security)
- ドン・コッパースミス(Don Coppersmith) - DES設計に参加。特にSBOXに差分解読法への耐性を持たせた。SEALやScream暗号の設計にも参加。
- ニール・コブリッツ(en:Neal Koblitz) - 楕円曲線暗号の発明者。
- ゴールドライヒ(en:Oded Goldreich) - 『The Foundations of Cryptography』の著者。
- シャフィ・ゴールドワッサー(en:Shafi Goldwasser、1958年 - ) - ゼロ知識証明の発明者の一人。
さ
[編集]- アディ・シャミア(Adi Shamir、1952年 - ) - RSA開発者の一人。ゼロ知識証明。
- ブルース・シュナイアー(Bruce Schneier、1963年1月15日 - ) - Blowfish, Twofishの開発者
- クラウス・シュノア(Claus Peter Schnorr) - シュノア署名。
た
[編集]- ホアン・ダーメン(Joan Daemen) - Rijndeal開発者
- デビッド・チャウム(David Chaum) - ブラインド署名の発明者。プライバシ保護可能な電子マネー方式。
- ホイットフィールド・ディフィ(Whitfield Diffie、1944年6月5日 - ) - DH発明者
な
[編集]は
[編集]- エリ・ビハム(Eli Biham) - 差分解読法の開発者。Serpent開発者。
- ホルスト・ファイステル(Horst Feistel、1915年1月30日 - 1990年11月14日) - LuciferやDESの設計者。Feistel構造で知られる。
- アモス・フィアット(Amos Fiat) - ゼロ知識。フィアット・シャミア署名。
- (Uriel Feige) - ゼロ知識。
- バート・プレネール(en:Bart Preneel) - RIPEMD-160の開発者の一人。
- ベラーレ(Mihir Bellare) - OAEP開発。
- マーチン・ヘルマン(Martin E. Hellman、1945年10月2日 - ) - DH発明者
ま
[編集]- ラルフ・マークル(Ralph C. Merkle、1952年 - ) - ナップザック暗号。現在は暗号から離れ、ナノテクを研究。
- (James L. Massey) - IDEA開発者。
- 松井充(Mitsuru Matsui) - DESの解読(線形解読法、1994年)、Misty, KASUMI, Camellia開発者。
- 松本勉(Tsutomu Matsumoto) - 種々のアルゴリズムの提案、解読、指紋の偽造
- シルビオ・ミカリ(en:Silvio Micali、1954年10月13日 - ) - ゼロ知識証明の発明者の一人。2007年にIACRフェロ。
- ビクタ・ミラー(Victor Miller) - 楕円曲線暗号の発明者
や
[編集]ら
[編集]- シュエチァ・ライ(Xuejia Lai) - IDEA開発者。中国人。
- フィンセント・ライメン(Vincent Rijmen) - Rijndeal開発者
- マイケル・ラビン(Michael O. Rabin、1931年 - ) - Rabin暗号、Miller-Rabin素数判定法の発明。
- フィリップ・ロガウェイ(Phillip Rogaway) - OAEP開発。