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星野しづく

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

星野しづく(ほしのしづく)は日本のタレント怪談師岡山県出身。

概要[編集]

女流怪談師としてライブ、ネット番組で怪談を披露し[1]、様々な怪談イベントで活躍する[2]

幼い頃から、不思議な物を見続けており、星野にインタビューを行った住倉カオスは「自分が『見た』という事実には確信を持ちつつも、見た『自分』には疑いを持っている」という印象を受けている[1]

スタイル[編集]

怪談のスタイルは2018年時点では「模索中」とインタビューで回答している[2]

星野自身は、男性が語る怪談が好きで、声などで独自の迫力や強さ、凄みのある怪談に出来ることを挙げており、同時に女性の声では難しいとしている[2]

人物[編集]

岡山県で産まれる[1]

生家は増築を繰り返した結果、納戸と廊下がいっしょになったような窓が無い部屋があるような不思議な作りになっていた[1]。その窓の無い部屋には、星野のおもちゃ箱があり、仏間でもあった[1]。薄暗い常夜灯が24時間点いており、おもちゃを片付けに部屋に入った星野は仏壇の前に人の頭くらいの大きさの青白い光が浮かんでいるのを見る[1]。その光はゆっくりと形を変え、肘から先の腕の形になり、手を開くと浮かんだまま、星野に向かってきた[1]。怖くなった星野は部屋を逃げ出し、母親のいる台所に駆け込んだ[1]。これが星野が初めて体験した怪異であった[1]。泣くながら母親に起きたことを話したところ、「バカなことを。他の人には言わないように」と叱られることになった[1]

以後も、怪異と遭遇したり、見ることは多かったが、そういった物が見えることは「恥ずかしいこと」と感じていたため、学校でもそういった話をすることはほとんどなかった[1]。中学校入学した頃から、そういった物を見たりすることも次第に減っていった[1]

大人になり、星野は営業職に就く[1]。車を使ったルート配送が主業務であったが人手不足だったこと、星野は責任感が強く、キャパシティー以上の仕事を断り切れずに受けてしまい、休みも取れなくなるような激務であった[1]。ある日、営業先の病院へ行くと屋上に立っている黄色い上着を着た女性を病院の敷地外から見かけ、飛び降りの危険性があると病院入口へ急いだところ、既に警察なども来ており、大騒ぎとなっていた[1]。顔見知りだった病院受付の女性に事情を聞くと、15分ほど前に屋上から飛び降りた女性がいたとのこと[1]。だが、星野が目撃してから3分も経っておらず、飛び降りた女性の服装などはまさに星野が目撃した女性であった[1]。怪異を再び目撃したことを感じた星野は、その夜の深夜、車で橋を走っていたところ、青黒くむくんだ顔をして生気のない男性が河を見下ろしているのを目撃する[1]。見ないように脇を通り過ぎようとしたところ、車の窓を激しく叩かれた[1]。翌日、知人に橋のことを聞くと、先週に橋の欄干で首吊り自殺を行った男性いたと知人は答えた[1]

その頃の星野は、身体は疲労なのにストレスから不眠症も発症しており、体調も崩しているといういわば「死にかけ」のような状態であった[1]。星野はそういった肉体的、精神的な状態が死者の霊がアクセスしやすい状態だったのではないかと推測すると共に、そのような状態は幻覚を見やすくもあり、幻覚であってほしいと考えている[1]

「怖い」という理由でホラー映画を観ることはなかったが、『雨女』(2016年、清水崇監督)を映画館で観たのが初めてであったことを4DX限定公開版『雨女』公開記念にニコニコ生放送で配信されたイベントで語っている[3]。なお、このイベントではりゅうあとの「最恐怪談バトル」も開催されており、清水崇の判定で星野が勝利している[3]

podcastナレーター・女流怪談師を経て、現在は怪談蒐集家・語り手として、インターネットや各メディアにてフリーで活動している[4]

2008年に怪談師「星野しずく」として活動を開始したが、同姓同名の「星野しずく」がいたため、2011年に「星野しづく」に改名している。

身近に感じる井戸端会議的語り口の怪談話者。声色が優しい為「癒し系怪談師」と呼ばれることがある[5]

イベント等には、〈長い黒髪・黒縁メガネ・黒い衣装〉で登場することがほとんどである。

経歴[編集]

  • 2006年
    • podcast番組「☆★☆ORANGE BOX☆★☆」「案内人の百物語 不思議の館」等を制作
    • 専門サイト「Podcast Navi」、雑誌「サイゾー」「Digital audio Fan」にピックアップされる。
    • 「☆★☆ORANGE BOX☆★☆」「案内人の百物語不思議の館」が、nifty主催「Podcasting Award2006」の一次審査を通過。
    • 同コンテストにおいて「☆★☆ORANGEBOX☆★☆」が、パーソナリティーキャラクター賞を受賞。
    • 「Podcasting Juice」PJレコメンドに登場。
    • podcast番組「PODニュースブレイク」が、日本初のポッドキャスティング紹介CD「ポッドトレイン」にピックアップされる。
  • 2008年
    • 運営してきた、ほぼ全てのサイトとHNを抹消。
    • 怪談師「星野しずく」として活動開始
  • 2011年
    • 「星野しづく」に改名
  • 2013年
    • 実話怪談著者発掘大会「超-1」にて稲川賞受賞
  • 2020年
    • 11月、凸待ちを中心としたYouTubeチャンネル「不思議の館」を開設。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 住倉カオス「怪談師の苦悩 女流怪談師・星野しづくさん」『百万人の恐い話 呪霊物件』竹書房、2016年。ISBN 978-4801908628 
  2. ^ a b c 怪談王関東大会出場者インタビュー5:星野しづく【怪談王関東大会】6月3日開催!”. ATLAS (2018年5月20日). 2024年6月29日閲覧。
  3. ^ a b 望月ふみ (2016年6月3日). “『呪怨』『雨女』清水崇監督がジャッジ! 心霊アイドル・りゅうあVS怪談師・星野しずくが罰ゲーム付の怪談バトル!”. ライブドアニュース. 2024年6月29日閲覧。
  4. ^ 星野しづくofficial website「空蝉幻妖」”. 星野しづくofficial website「空蝉幻妖」 (2022年11月13日). 2024年6月3日閲覧。
  5. ^ PROFILE”. 星野しづくofficial website「空蝉幻妖」. 2022年11月10日閲覧。

外部リンク[編集]