日本薬学会
公益社団法人日本薬学会(にほんやくがくかい、The Pharmaceutical Society of Japan)とは、薬学に関する研究、学術上の情報交換などを通じ、学術文化発展に寄与することを目的とした学術団体である。日本学術会議協力学術研究団体の一つ。
沿革
[編集]略史
[編集]- 1880年(明治13年):設立[1]
- 1881年(明治14年)2月:名称を「東京薬学会」とする[2]。
- 1881年(明治14年)12月:『薬学雑誌』創刊[2]
- 1892年(明治25年)1月:名称を「日本薬学会」に改称[2]。
- 1948年(昭和23年):日本薬剤師会と合併し名称を「日本薬剤師協会」とする[3]
- 1962年(昭和37年):日本薬剤師会と分離し社団法人化[3]
- 2008年(平成20年):民法改正により特例社団法人へ(団体名称は社団法人)
- 2011年(平成23年):公益法人認定法の公益社団法人へ移行
設立前史
[編集]1878年(明治11年)東京大学医学部製薬学科の教師と学生が「薬学会」を組織[注釈 1]し、同年11月23日に学術雑誌『東京薬学新誌』を発刊するも翌年1879年(明治12年)11月15日発行の第7号をもって廃刊となった[4]。
1880年(明治13年)1月、東京大学の卒業生を中心とした毎月定例の親睦会を設立。翌年1881年(明治14年)2月に「東京薬学会」と改称して学会とし、毎月講演会を開催した。幹事は丹波敬三、田原良純、山田薫、高橋秀松、片山吉則、齋藤寛猛であった[2]。
事業
[編集]主な事業は以下のとおり[5]。
- 会誌および学術図書雑誌の刊行
- 学術講演会、講習会および研究会の開催
- 薬学、薬業および関連科学ならびに産業に関する調査、研究、建議、奨励、表彰
- 関連学会との連絡協力
機関誌「ファルマシア」は毎月1日に発行され、薬学分野における最新の研究動向や先端的な研究成果、注目を集めているトピックスなどを幅広く取り上げている[6][7]。電子版がJ-STAGEを通じて提供されており、日本薬学会の会員は、最新号をオンラインで閲覧することができる[7]。発行1年後は会員以外も閲覧可能になる[7]。
学術雑誌
[編集]- 『YAKUGAKU ZASSHI』(漢字名称:薬学雑誌、英名:Journal of the Pharmaceutical Society of Japan)、1881年創刊(日本で最も古い学術誌とされる)、年12回発行の学術雑誌。ISSN 0031-6903[8][9]。
- 『CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN』(略名:Chem. Pharm. Bull.)、1953年創刊、年12回発行の英文学術雑誌。ISSN 0009-2363[8][10]。
- 『BIOLOGICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN』(略名:Biol.Pharm.Bull.)、1993年『Chem. Pharm. Bull.』の生化学や薬理学分野の分冊として創刊、年12回発行の英文学術雑誌。ISSN 0918-6158[8][11]。
- 『Journal of Health Science』(略名:J.Health Sci.)、1953年創刊、年6回発行の衛生科学分野の欧文学術雑誌。ISSN 1347-5207[8][12]。
授賞
[編集]薬学会賞、学術貢献賞、学術振興賞、奨励賞、創薬科学賞、功労賞、教育賞、佐藤記念賞[13]
学術講演会
[編集]年会、学術集会、創薬セミナー、その他講演会[14]
部会
[編集]化学系薬学部会、構造活性相関部会、薬学教育部会、医薬化学部会、生物系薬学部会、医療薬科学部会、生薬天然物部会、薬理系薬学部会、レギュラトリーサイエンス部会、物理系薬学部会、環境・衛生部会、薬学研究ビジョン部会(〜2009年1月31日まで)[15]
支部
[編集]北海道、東北、関東、東海、北陸、近畿、中国四国、九州[16]
学会事務所
[編集]東京都渋谷区渋谷2-12-15日本薬剤師会長井記念館[17]
歴代会頭
[編集]- 長井長義
- 丹羽藤吉郎
- 高橋三郎
- 池口慶三
- 上野金太郎
- 西崎弘太郎
- 谷井千次郎
- 渡邊又次郎
- 慶松勝左衛門
- 近藤平三郎
- 朝比奈泰彦
- 服部健三
- 衣笠豊
- 緒方章
- 藤田直市
- 浅野三千三
- 朝比奈泰彦
- 浅野三千三
- 緒方章
- 菅澤重彦
- 高木誠司
- 篠田淳三
- 刈米達夫
- 秋谷七郎
- 落合英二
- 高橋酉蔵
- 宮道悦男
- 石館守三
- 刈米達夫
- 富田真雄
- 木村康一
- 津田恭介
- 川崎近太郎
- 伊藤四十二
- 石黒武雄
- 上尾庄次郎
- 野上寿
- 宮木高明
- 柴田承二
- 高木敬次郎
- 武田健一
- 宇野豊三
- 水野傳一
- 伴義雄
- 亀谷哲治
- 矢島治明
- 川崎敏男
- 野島庄七
- 南原利夫
- 金岡祐一
- 瀬﨑仁
- 北川勲
- 福田英臣
- 米光宰
- 廣部雅昭
- 寺田弘
- 市川厚
- 池上四郎
- 木村榮一
- 井上圭三
- 杉浦幸雄
- 柴﨑正勝
- 内海英雄
- 長野哲雄
- 松木則夫
- 西島正弘
- 柴﨑正勝
- 太田茂
- 奥直人
- 髙倉喜信
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ "What's 薬学会:薬学会の歩み"、日本薬学会公式サイト(2009年9月8日閲覧)。
- ^ a b c d 清水藤太郎『日本薬学史』1949年、1971年復刻、南山堂、pp448-49。
- ^ a b "日本薬剤師会のあゆみ"、日本薬剤師会公式サイト(2009年9月8日閲覧)。
- ^ 清水藤太郎『日本薬学史』1949年、1971年復刻、南山堂、pp447。
- ^ 『社団法人 日本薬学会定款』 (PDF) 、日本薬学会公式サイト(2009年9月8日閲覧)。
- ^ “ファルマシアについて”. 日本薬学会. 2024年8月1日閲覧。
- ^ a b c “ファルマシアについて”. 日本薬学会. 2024年8月1日閲覧。
- ^ a b c d "What's 薬学会:学術誌の発行"、日本薬学会公式サイト(2009年9月8日閲覧)。
- ^ "YAKUGAKU ZASSHI"、YAKUGAKU ZASSHI公式webページ(2009年9月8日閲覧)。
- ^ "CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN"、CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN公式webページ(2009年9月8日閲覧)。
- ^ "BIOLOGICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN"、BIOLOGICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN公式webページ(2009年9月8日閲覧)。
- ^ "Journal of Health Science"、Journal of Health Science公式webページ(2009年9月8日閲覧)。
- ^ "What's 薬学会:授賞"、日本薬学会公式サイト(2009年9月8日閲覧)。
- ^ "What's 薬学会:学術講演会の開催"、日本薬学会公式サイト(2009年9月14日閲覧)。
- ^ "日本薬学会部会のホームページ"、日本薬学会公式サイト(2009年9月14日閲覧)。
- ^ "日本薬学会支部のホームページ"、日本薬学会公式サイト(2009年9月14日閲覧)。
- ^ "薬学会へのアクセス"、日本薬学会公式サイト(2009年9月8日閲覧)。
外部リンク
[編集]- 公益社団法人日本薬学会 - 公式サイト