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新舞子ビーチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

新舞子ビーチ(しんまいこビーチ)は、福島県いわき市平藤間にある海水浴場。夏井海岸の中央部に位置する[1]。「新舞子」の名は、兵庫県神戸市にあった舞子浜に由来し、日本の白砂青松100選に選ばれている[2]。周辺は磐城海岸県立自然公園に指定されている。

新舞子ビーチ(2022年4月)

いわき市内の海岸はいわき七浜と呼ばれる[3]ほど海水浴場が多く存在するが、その中でも最も新しいものの一つで、福島県初の人工ビーチとして1995年平成7年)にオープンした[4]。新舞子ビーチの本来の砂浜の砂は0.2 - 0.5mmの白色中粒砂(砂岩頁岩チャート)であるが、外部から投入されたと思われる花崗岩質の荒い砂も混ざっている[5]ソテツなどの植物が植栽されている[5]。かつて浜にあったハマナスの自生地はほぼ絶滅した[6]

無料の駐車場(約600台)やシャワー更衣室が整備されており[4]、若者から家族連れまで人気がある。オープン期間は7月中旬から8月中旬ほどまでであり、2010年(平成22年)の利用者数は318,568人(うち宿泊客は 66,558人)[7]。また、付近には宿泊施設も整っている。

沿革

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1985年(昭和60年)から傾斜護岸が建設され始め、1995年(平成7年)には突堤が建設された[1]。海水浴場の開設時から波が高いことが指摘され、海水浴場としては不適との声があったが、1998年(平成10年)8月9日にビーチで初めての水難死亡事故が発生した[8]。その後も人気が高いため、安全対策を万全にするとして、翌1999年(平成11年)以降も海水浴場指定を続けている[9]

1966年(昭和41年)から2006年(平成18年)にかけて新舞子ビーチの南側で汀線が50m後退したが、4基の離岸堤が建設された新舞子ビーチではパルス状堆積が見られた[10]。このため、毎年多額の出費をともなう砂の除去を行わなければならない[11]テトラポッドが北部の海岸に並び、産業技術総合研究所の須藤定久は、「残念なことに名浜『新舞子浜』の大半は無惨な姿になっていた.」と記している[12]

日本大学の中西三和らが2011年(平成23年)5月15日に行った調査によると、東日本大震災により遊歩道防波堤が被災、背後の保安林もなぎ倒された[13]。被災したクロマツ林は市民の手によって再生が進められている[14]

アクセス

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脚注

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  1. ^ a b 長林ほか(2006):606ページ
  2. ^ 須藤(2008):44ページ
  3. ^ 須藤(2008):34ページ
  4. ^ a b c d 社団法人いわき観光まちづくりビューロー"いわき市観光情報サイト - 新舞子ビーチ海水浴場"2008年4月17日(2013年5月30日閲覧。)
  5. ^ a b 須藤(2008):45ページ
  6. ^ 丸山賢治"かつて海岸線167キロに群落 浜細り、消えたハマナス 自生地54カ所 80余年前の県の記録 環境整備で植栽も"2006年6月18日付朝日新聞朝刊、福島中会31ページ
  7. ^ いわき市行政経営部行政経営課"国際交流・観光(いわき市統計書平成24年版から)"(2013年6月1日閲覧。)
  8. ^ "いわきの新舞子ビーチ、海水浴場の指定中止へ 水難事故が契機"朝日新聞1998年8月13日付朝刊、福島版
  9. ^ "今年も海水浴場指定 昨年、死亡事故のいわき・新舞子ビーチ"1999年6月5日付朝日新聞朝刊、福島版
  10. ^ 小林ほか(2011):1214ページ
  11. ^ "砂に埋まる人工ビーチ 費用かけ県が毎年除去 いわき新舞子"1998年7月7日付朝日新聞朝刊、福島版
  12. ^ 須藤(2008):45, 48ページ
  13. ^ 小林(2011):42, 47ページ
  14. ^ "防災林再生へ植樹 新舞子海岸で市民ら いわき"2013年4月23日付朝日新聞朝刊、福島全県28ページ

参考文献

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  • 小林昭男(2011)"3. 津波による被害"日本大学理工学部理工学研究所研究ジャーナル.125:27-66.
  • 小林昭男・大貫 崇・宇多高明・野志保仁・星上幸良(2011)"福島県四倉・夏井海岸の海浜変形の実態"土木学会論文集B3(海洋開発).67(2):1212-1217.
  • 須藤定久(2008)"砂と砂浜の地域誌(17) 福島県いわき地区の砂と浜"地質ニュース.648:34-48.
  • 長林久夫・田中 仁・Magnus Larson(2006)"夏井川の河口変動特性と河口開削工の効果に関する検討"海岸工学論文集(土木学会).53:606-610.

関連項目

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