新大分発電所
新大分発電所 | |
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新大分発電所 | |
正式名称 | 九州電力株式会社新大分発電所 |
国 | 日本 |
所在地 | 大分県大分市大字青崎4-1 |
座標 | 北緯33度16分2.1秒 東経131度42分27.3秒 / 北緯33.267250度 東経131.707583度座標: 北緯33度16分2.1秒 東経131度42分27.3秒 / 北緯33.267250度 東経131.707583度 |
現況 | 運転中 |
運転開始 |
1号系列:1991年6月 2-1号系列:1994年2月 2-2号系列:1995年2月 3-1号系列:1998年7月 3-2号系列:2016年6月 |
事業主体 | 九州電力 |
発電所 | |
主要動力源 | LNG |
発電機数 | 14基 |
熱効率 |
1号系列:46.3%(HHV) 2号系列:46.6%(HHV) 3-1号系列:49.0%(HHV) 3-2号系列:52.0%(HHV) |
コンバインド サイクル発電 |
1号系列:CC方式採用 2号系列:ACC方式採用 3-1号系列:ACC方式採用 3-2号系列:MACCII方式採用 |
発電量 | |
定格出力 |
総出力:282.5万kW 1号系列:69万kW 2号系列:92万kW 3-1号系列:73.5万kW 3-2号系列:48万kW |
ウェブサイト 新大分発電所 | |
2018年7月9日現在 |
新大分発電所(しんおおいたはつでんしょ)は、大分県大分市大字青崎4-1にある九州電力の天然ガス火力発電所である。
概要
[編集]九州電力で最大の火力発電所である。約280万kWの発電量は大分県内での電力消費量の約2倍にあたる[1]。
大野川右岸河口の埋立地(6号地)に位置しており、対岸の1号地に、既に同社の大分発電所が建設されていたため、新大分発電所という名称となった。1991年6月に1号系列が運転を開始し、3号系列までが建設された。
九州電力で初めて天然ガスコンバインドサイクル発電方式を採用した発電所で、効率が高く、しかもガスタービン・排熱回収ボイラー・蒸気タービン・発電機を組み合わせた小容量のユニットを3〜6台ずつグループとして運用するため、起動・停止や出力の変化が速く、また、大容量でありながら出力を絞っても効率の低下が少ないという特徴がある。
1号系列は熱効率向上のため、ガスタービンのリプレース工事を2009年7月より実施している。これにより1,100℃級から1,200℃級に変更され、熱効率が46.3%に向上(+3.3ポイント)する予定である[2]。当初、全軸のリプレースが完了するのは2012年10月頃としていたが、福島第一原発事故の影響で、所有する原子力発電所が再稼働できず火力発電所の稼働率が上昇したため、2014年度に延期された[3]。その後、原発再稼働の遅れに伴い、2018年1月24日にようやく全軸のリプレースが完了した。[4]
2号系列では、利用向上の観点から増出力試験を行い定格出力を5万kW増加できることを確認、2016年10月3日に定格出力の変更を行った。なお、これによる設備改造等はない[5] 。
発電設備
[編集]- 総出力:282.5万kW(2018年7月9日現在)
- 1号系列
- 発電方式:1,200℃級コンバインドサイクル発電(Combined Cycle)方式
- 定格出力:69万kW(11.5万kW × 6軸)
- ガスタービン:7.63万kW × 6軸
- 蒸気タービン:3.87万kW × 6軸
- 使用燃料:LNG
- 熱効率:46.3%(高位発熱量基準)
- 営業運転開始:1991年6月
- ガスタービン更新:2009年~2017年度(東日本大震災から5年間は中断)
- 2号系列
- 発電方式:1,300℃級改良型コンバインドサイクル発電(Advanced Combined Cycle)方式
- 定格出力:92万kW(23万kW × 4軸)
- ガスタービン:14.44万kW × 4軸(増出力前の値)
- 蒸気タービン: 7.31万kW × 4軸(増出力前の値)
- 使用燃料:LNG
- 熱効率:46.6%(高位発熱量基準)(増出力前の値)
- 営業運転開始
- 2-1号:1994年2月
- 2-2号:1995年2月
- 定格出力変更:2016年10月3日
- 3-1号系列
- 発電方式:1,300℃級改良型コンバインドサイクル発電(ACC)方式
- 定格出力:73.5万kW(24.5万kW × 3軸)
- ガスタービン:16.02万kW × 3軸
- 蒸気タービン: 8.48万kW × 3軸
- 使用燃料:LNG
- 熱効率:49.0%(高位発熱量基準)
- 営業運転開始:1998年7月
- 3-2号系列(3号系列第4軸)[6]
- 発電方式:1,600℃級コンバインドサイクル発電(More Advanced Combined Cycle II)方式
- 定格出力:48万kW(48万kW × 1軸)
- ガスタービン × 1軸
- 蒸気タービン × 1軸
- 使用燃料:LNG
- 熱効率
- 52%程度(高位発熱量基準)
- 60%程度(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:2016年6月1日
蒸気タービン不具合による対策
[編集]他社で発生した蒸気タービンの振動による自動停止を踏まえ、同型設計の蒸気タービンを使用している3号系列第4軸は暫定対策工事を実施した。このため定格出力は暫定的に45.94万kWとなっている[6]。2018年7月9日に恒久対策が完了し、定格出力の48万kWに回復した。[7]
脚注
[編集]- ^ 九州支える出力280万キロワット 県内消費分の2倍規模 新大分火力発電所 大分県 西日本新聞、2017年11月23日
- ^ 新大分発電所1号系列 ガスタービンリプレース工事の着工について 2009年7月16日
- ^ 九州電力株式会社の電気料金値上げ認可申請 別紙5 経営効率化への取組み 2012年11月27日 経済産業省
- ^ 「九州電力 新大分発電所1号系列のガスタービン更新工事が完了しました ―CO2排出量年間約20万トン、燃料消費量年間約4万トンを削減―」『九州電力』。2018年9月2日閲覧。
- ^ 新大分発電所2号系列の定格出力変更について 2016年10月3日
- ^ a b 新大分発電所3号系列(第4軸)の営業運転開始について 2016年6月1日
- ^ 「九州電力 新大分発電所3号系列(第4軸)定格出力を変更しました -定格出力を現在の45.94万kWから当初計画値48万kWへ変更-」『九州電力』。2018年9月2日閲覧。