コンテンツにスキップ

悲しきサルタン (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『悲しきサルタン』
ダイアー・ストレイツスタジオ・アルバム
リリース
録音 1978年2月 ロンドン Baising St. Studios
ジャンル ロックパブロック、ルーツ・ロック
時間
レーベル ヴァーティゴ
ワーナー・ブラザース・レコードアメリカ合衆国の旗
プロデュース マフ・ウィンウッド英語版
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 2位(アメリカ[1]、ニュージーランド[2]
  • 3位(オランダ[3]、ドイツ[4]
  • 5位(イギリス[5]
  • 6位(スウェーデン[6]
  • 10位(ノルウェー[7]
  • 17位(オーストリア[8]
  • 26位(日本[9]
  • ダイアー・ストレイツ アルバム 年表
    悲しきサルタン
    (1978年)
    コミュニケ
    (1979年)
    テンプレートを表示

    悲しきサルタン』(原題:Dire Straits)は、イギリスロックバンドダイアー・ストレイツ1978年に発表した初のスタジオ・アルバム

    背景

    [編集]

    1977年7月27日、バンドは5曲入りのデモ・テープを録音[10]。そのうち「水辺へ」「ウォーター・オブ・ラヴ」「悲しきサルタン」「ワイルド・ウェスト・エンド」の4曲は本作で再録音された。また、同年10月頃にはBBCラジオ・ロンドンのために「サウスバウンド・アゲイン」「イン・ザ・ギャラリー」「シックス・ブレイド・ナイフ」が録音され、11月9日に録音されたデモ・テープには、本作で再録音される「セッティング・ミー・アップ」も含まれていた[10]。そして、BBCラジオ・ロンドンのDJチャーリー・ジレットがバンドのデモ録音をオン・エアし、それを聴いたフォノグラム・レコード英語版のA&Rジョン・スタインズによって、バンドはフォノグラム傘下のヴァーティゴと契約を得た[10]

    バンドはトーキング・ヘッズのツアーでオープニングアクトを務めた後、本作のレコーディングに入り[11][12]、12日間で録音を終える[11]

    反響・評価

    [編集]

    本作は全英アルバムチャートで最高5位を記録し、132週チャート圏内に入るロング・ヒットとなった[5]。また、1979年3月には「悲しきサルタン」が全英シングルチャート入りを果たし、最高8位を記録[13]

    オランダでは、VPROのDJが「悲しきサルタン」を盛んにオン・エアし、更に同国の評論家からも絶賛されて、早くから注目を集めた[14]。本作は1978年8月5日付のアルバム・チャートで初登場46位となり、9月2日より14週連続でトップ10入りして、うち5週にわたり3位を記録する大ヒットとなった[3]。また、オランダのシングル・チャートでは8月12日に「悲しきサルタン」が初登場43位となり、その後11位を記録する[15]

    ニュージーランドでは1978年末から1979年にかけて大ヒットを記録。本作は1978年12月3日付のアルバム・チャートで初登場2位となり、20週連続でトップ10にとどまった[2]。また、シングル「悲しきサルタン」は1978年12月10日付のシングル・チャートで初登場39位となり、1979年1月28日には最高12位を記録[16]

    アメリカ盤は1978年秋にワーナー・ブラザース・レコードからリリースされ[12]、1979年に本作がBillboard 200で2位、シングル「悲しきサルタン」がBillboard Hot 100で4位を記録した[1]。本作は1979年2月にRIAAによってゴールドディスクに認定され、1987年1月にはダブル・プラチナに認定されている[17]

    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「バーで演奏するバンドのパブロック的な精神性が中核にあり、グループの名を高めたシングル"Sultans of Swing"にしても無視されたパブロック・バンドの嘆きを表現しているが、彼らの音楽は既に、彼らの先人のシンプルなブギーやシャッフルを超えており、時折ジャズやカントリーにも手を出している」と評している[18]

    収録曲

    [編集]

    全曲ともマーク・ノップラー作。

    1. 水辺へ "Down to the Waterline" – 4:03
    2. ウォーター・オブ・ラヴ "Water of Love" – 5:26
    3. セッティング・ミー・アップ "Setting Me Up" – 3:19
    4. シックス・ブレイド・ナイフ "Six Blade Knife" – 4:13
    5. サウスバウンド・アゲイン "Southbound Again" – 2:59
    6. 悲しきサルタン "Sultans of Swing" – 5:48
    7. イン・ザ・ギャラリー "In the Gallery" – 6:16
    8. ワイルド・ウェスト・エンド "Wild West End" – 4:41
    9. ライオン "Lions" – 5:04

    参加ミュージシャン

    [編集]

    脚注・出典

    [編集]
    1. ^ a b Dire Straits | Awards | AllMusic
    2. ^ a b charts.org.nz - Dire Straits - Dire Straits
    3. ^ a b dutchcharts.nl - Dire Straits - Dire Straits
    4. ^ charts.de
    5. ^ a b DIRE STRAITS | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される
    6. ^ swedishcharts.com - Dire Straits - Dire Straits
    7. ^ norwegiancharts.com - Dire Straits - Dire Straits
    8. ^ Dire Straits - Dire Straits - austriancharts.at
    9. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.190
    10. ^ a b c Mark Knopfler Authorized Biography - mark-knopfler-news.co.uk - 2014年9月3日閲覧
    11. ^ a b Dire Straits Biography | Rolling Stone - 2014年9月3日閲覧
    12. ^ a b Dire Straits | Biography | AllMusic - Artist Biography by Stephen Thomas Erlewine
    13. ^ DIRE STRAITS | Artist | Official Charts
    14. ^ リマスターCD(UICY-25010)ライナーノーツ(チャーリー・ジレット、1996年)
    15. ^ dutchcharts.nl - Dire Straits - Sultans Of Swing
    16. ^ charts.org.nz - Dire Straits - Sultans Of Swing
    17. ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - 引用符付きの"DIRE STRAITS"と入力して検索し、過去の記録に遡れば確認できる
    18. ^ Dire Straits - Dire Straits | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine