川崎健
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川崎 健(かわさき つよし、1928年1月10日- 2016年9月12日)は、日本の水産資源学者。東北大学名誉教授。専門は水産海洋学。農学博士(東北大学、1961年3月)。(社)東北建設協会漁業調査アドバイザー、気候影響・利用研究会顧問、日本科学者会議代表幹事、那珂川関係漁業協同組合協議会の設置した「那珂川の魚類・生態系影響評価委員会」委員長などを歴任。レジーム・シフト理論を発見、展開したことから「レジーム・シフトの父」と呼ばれる。
略歴
[編集]- 1928年1月10日 中国福建省福州市生まれ
- 台北高等学校、山形高校を経て、東北大学農学部水産学科入学
- 1950年 東北大学農学部水産学科卒業、指導教官:畑中正吉
- 1950年 水産庁東北区水産研究所
- 1961年 東北大学農学博士「カツオ・マグロ類の比較生態学的研究」
- 1965年 水産庁東海区水産研究所
- 1969年 日本学術会議会員(~1985年)
- 1974年 東北大学農学部助教授(~1975年)
- 1975年 東北大学農学部教授(~1991年)
- 1985年 東北大学農学部長(~1989年)
- 1991年 東北大学退官、東北大学名誉教授
- 1992年 国立台湾海洋大学客員教授・水産試験所客員研究員(~2000年)
- 2007年6月 第21回太平洋学術会議において畑井メダル受賞
- 2010年 水産海洋学会名誉会員
- 2016年9月12日 肝臓がんのため逝去
著書
[編集]単著
[編集]- 『資源論,漁況論』(日本水産資源保護協会、1965年)
- 『分類および分布,生態論』(日本水産資源保護協会、1965年)
- 『魚と環境 : 大漁・不漁の生物学』(海洋出版、1977年)
- 『浮魚資源』(恒星社厚生閣、1982年)
- 『魚の資源学』(大月書店、1983年)
- 『海と魚とわたしたち : これからの日本漁業』(岩波書店、1987年)
- 『海の環境学』(新日本出版社、1993年)
- 『漁業資源 : なぜ管理できないのか』(成山堂書店、1999年・改訂増補版2000年・2訂版2005年)
- Regime shift : fish and climate change, Sendai: Tohoku University Press, 2013
- 『イワシと気候変動:漁業の未来を考える』(岩波書店、2009年)
編著
[編集]- 『海洋の油汚染』(時事通信社、1975年)
共編著
[編集]- (日本水産学会)『公害問題と科学者』(鹿島出版会、1973年)
- (有賀祐勝・渡辺競)『温排水と環境問題』(恒星社厚生閣、1975年)
- (大谷省三)『食糧自給をどう考えるか』(時事通信社、1976年)
- (西沢敏・石田力一)『海の生物群集と生産』(恒星社厚生閣、1977年)
- (平野敏行・島津靖彦)『海面埋立てと環境変化』(恒星社厚生閣、1977年)
- (河端俊治・長谷川彰)『魚 : その資源・利用・経済』(恒星社厚生閣、1980年)
- (黒木三郎・藤巻正生)『日本の食糧』(恒星社厚生閣、1981年)
- (田中昌一)『200カイリ時代と日本の水産』(恒星社厚生閣、1981年)
- (泉邦彦・秋本実・森泉・広井敏男・岩田進午)『今日の地球環境 : 科学者からの警告』(新日本出版社、1991年)
- (Syoiti Tanaka, Yoshiaki Toba, Akira Taniguchi and the Ecological Society of Japan)Long-term variability of pelagic fish populations and their environment : proceedings of the international symposium, Sendai, Japan, 14-18 November 1989, Oxford ; Tokyo : Pergamon Press, 1991
- (川崎健教授退官記念事業会)『魚・社会・地球 : 川崎健科学論集』(成山堂書店、1992年)
- (花輪公雄・谷口旭・二平章)『レジーム・シフト : 気候変動と生物資源管理』(成山堂書店、2007年)
- (片山知史・大海原宏・二平章・渡辺良朗)『漁業科学とレジームシフト: 川崎健の研究史』(東北大学出版会、2017年)
訳書
[編集]- David Henry Cushing著『気候と漁業 : 気候の変化が水産資源におよぼす影響』(恒星社厚生閣、1986年)
- J.A.ガランド著『水産資源解析入門』(恒星社厚生閣、1990年)