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尾頭橋駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
尾頭橋駅
駅舎(2022年11月)
おとうばし
Otōbashi
CA66 金山 (0.9 km)
(2.4 km) 名古屋 CA68
地図
所在地 名古屋市中川区尾頭橋四丁目14-1
北緯35度8分49.46秒 東経136度53分28.34秒 / 北緯35.1470722度 東経136.8912056度 / 35.1470722; 136.8912056
駅番号 CA  67 
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
所属路線 東海道本線名古屋地区
キロ程 363.6 km(東京起点)
電報略号 オト
駅構造 高架駅
ホーム 1面2線[1]
乗車人員
-統計年度-
3,745人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1995年平成7年)3月16日[2]
備考 業務委託駅
JR全線きっぷうりば
名 名古屋市内
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尾頭橋駅(おとうばしえき)は、愛知県名古屋市中川区尾頭橋四丁目にある東海旅客鉄道(JR東海)東海道本線である。駅番号CA67

運行形態の詳細は「東海道線 (名古屋地区)」を参照。

概要

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中央本線と並走区間にあるが、東海道本線のみに設置された駅である[1]。通常は普通列車のみ停車するが、JRA(日本中央競馬会場外馬券売場ウインズ名古屋」の最寄り駅[1]であることから、GI競走(日本ダービー有馬記念等)開催日には30分に1本の間隔で快速新快速が臨時停車する。

1996年平成8年)3月から2009年(平成21年)3月まで定期運行していた下り「ムーンライトながら」は豊橋駅大垣駅間のほとんどの駅に停車していたが、当駅と三河塩津駅は通過していた(ドアカット#車両にドアカット機能がないことから停車できずに通過していた例)。当駅開設から約1年間は前身の「大垣夜行」であったが、これも通過していた。また1999年(平成11年)までは、名古屋発大府行の最終普通列車は当駅を通過していた。

当駅を含む金山駅 - 名古屋駅は東海道本線と中央本線の重複区間であるため、この区間を含む定期乗車券であれば中央本線経由であっても当駅で乗降することは可能。

歴史

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当駅は日本中央競馬会(JRA)が構想し、地元住民の要望という体裁で開業に至った請願駅である[3]

尾頭橋1丁目にあるウインズ名古屋(場外馬券売り場)は競馬ブームの隆盛に伴い入場客数が順調に伸びていたが、最寄駅の金山駅から徒歩15分という立地からマイカー利用が多く、道路の渋滞や路上の違法駐車が問題となっていた[4]。対策としてJRAは年間約9000万円をかけて名鉄バスセンター愛知県庁方面などに無料送迎バスを運行していたが、来場者の一割程度の利用に留まっていた[5]

そこでJRAはウインズ名古屋の改装を機に鉄道駅の新設を計画。徒歩2、3分ほどの場所に位置する東海道本線の盛土法面を垂直にして用地を確保し、駅を設置する構想を打ち立てた[3]。東海旅客鉄道(JR東海)もナゴヤ球場のアクセス駅にもなり得る立地から新駅を有望と見ていたが、請願駅方式の通例から「地元からの要望があってから検討することで今は白紙」と表明[3]。JRAも地元住民の意見の必要性を認め、八熊学区の代表者に構想を説明し、請願書の提出を呼びかけた[5]。当初、名古屋市はJRAの計画を「地域の活性化よりは利潤追求が先の構想」と評し、静観の立場を取っていた[3]

その後、JR東海は請願書の提出を受けて駅設置を改めて検討。東海道本線を通して岐阜・豊橋両方面からの誘客が見込めることから、駅設置を決定した[5]。建設事業費は約23億4000万円で[5]、内約20億円をJRAが負担した[4]。JRAの負担金は競馬振興事業の一環であり[6]、請願駅という建前[3]から「地元の環境整備」という名目で支出された[5]。なお、ナゴヤ球場へのアクセス駅としては以前よりナゴヤ球場正門前駅が東海道本線の貨物支線(通称「名古屋港線」)上に臨時駅として存在していたが、尾頭橋駅の開業に伴ってその役目を終えることになった[5]

当駅の建設が決定した時点で、中日ドラゴンズの本拠地球場はナゴヤドームに移転することが決定していたが、上記の通りウインズ名古屋の最寄り駅としてJRAも建設費を負担した上で設置されている(ナゴヤ球場自体も、2軍の本拠地球場として引き続き使用されている)。

年表

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駅構造

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島式ホーム1面2線を有する[1]高架駅であり、改札口・駅舎は高架下にある[2]。元々盛土であったところを高架に作り替えて建設された[2]。有効長は8両編成分。1番線が上り岡崎方面、2番線が下り名古屋方面で駅本屋は西側(南側、2番線側)にある。ホームは曲線上にあるため、列車はカント(線路の高低差)の関係で傾いて停車する。高架駅ではあるものの、東側に中央本線・名鉄名古屋本線の高架線路が低い位置にあるため(加えて中央本線は東海道本線と名鉄線の高架橋をくぐるために一段低くなっている)、西側のみに出入口があり、駅から直接東側に出ることはできない。

JR東海交通事業の職員が業務を担当する業務委託駅で、金山駅が当駅を管理している。そのため、窓口が閉じられることがある[8]。但し集中旅客サービスは非導入である。駅舎内部にはJR全線きっぷうりば自動改札機(一部TOICA専用)、自動券売機TOICA対応)、自動精算機(TOICA対応)などが置かれている。改札口とホームを繋ぐエレベーター2009年(平成21年)に新設された。エレベーター設置と同時に、多機能トイレも整備されている。混雑時に備えて臨時きっぷ売場も設置されている。

JRの特定都区市内制度における「名古屋市内」の駅である。

のりば

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番線 路線 方向 行先
1 CA 東海道本線 上り 豊橋方面
2 下り 名古屋方面

(出典:JR東海:駅構内図

利用状況

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「名古屋市統計年鑑」によると、当駅の一日平均乗車人員は以下の通り推移している。

年度 一日平均
乗車人員
1994年 1,875[統計 1]
1995年 3,030[統計 2]
1996年 3,593[統計 2]
1997年 3,077[統計 2]
1998年 3,105[統計 2]
1999年 3,040[統計 2]
2000年 3,052[統計 3]
2001年 3,041[統計 3]
2002年 3,022[統計 3]
2003年 3,053[統計 3]
2004年 3,093[統計 3]
2005年 3,159[統計 4]
2006年 3,318[統計 4]
2007年 3,415[統計 4]
2008年 3,479[統計 4]
2009年 3,354[統計 4]
2010年 3,343[統計 5]
2011年 3,289[統計 6]
2012年 3,245[統計 7]
2013年 3,103[統計 8]
2014年 3,107[統計 9]
2015年 3,276[統計 10]
2016年 3,398[統計 11]
2017年 3,504[統計 12]
2018年 3,643[統計 13]

利用者はそれほど多くない。ナゴヤ球場へはナゴヤ球場正門前駅(現在は跡地)よりは遠いものの名鉄山王駅より若干近いため野球終了後は混雑することがある。

駅周辺

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駅前は閑静な住宅地である。尾頭橋の街の中心は駅からやや離れた尾頭橋商店街になる。駅の東側を江川線(名古屋市道江川線)が通っている。この江川線の上を名古屋市電下江川線1971年昭和46年)まで敷設されており、「尾頭橋」停留場も設置されていた。駅名にある「尾頭橋」は駅の南東、堀川を渡る佐屋街道愛知県道115号津島七宝名古屋線)の橋である。駅前を発着するバスはない。

隣の駅

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東海旅客鉄道(JR東海)
CA 東海道本線
特別快速・新快速・快速・区間快速
通過(中央競馬GI競走開催日のみ一部臨時停車)
普通
金山駅 (CA66) - 尾頭橋駅 (CA67) - 名古屋駅 (CA68)

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d 『週刊 JR全駅・全車両基地』 04号 名古屋駅・古虎渓駅・美濃赤坂駅ほか77駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月2日、23頁。 
  2. ^ a b c d “JR尾頭橋駅が開業”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1995年3月27日) 
  3. ^ a b c d e f “場外馬券場近くに新駅 名古屋中川区 JRと中央競馬会が構想 ナゴヤ球場へも便利”、中日新聞、1990年10月20日朝刊、1面
  4. ^ a b “ウマくいくかナ 違法駐車追放 16日開業のJR尾頭橋駅 ウインズは自信 地元は疑問視”、中日新聞、1995年3月14日朝刊、14面〔市民版〕
  5. ^ a b c d e f g “新駅「尾頭橋」今夏にも着工 JR東海道線 都市型レジャーへ停車OK 馬券、野球 一石二鳥 6年度完成へ 違法駐車解消も”、中日新聞、1992年1月30日朝刊、27面
  6. ^ 『日本中央競馬会50年史』日本中央競馬会、2005年、313,491頁。 
  7. ^ 2009年3月10日付JR東海ニュースリリース Archived 2009年3月17日, at the Wayback Machine. による。
  8. ^ 尾頭橋駅|JR東海”. railway.jr-central.co.jp. 2019年4月30日閲覧。

統計資料

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  1. ^ 平成8年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-5.JR東海各駅の乗車人員 総数を16日で除した人数。
  2. ^ a b c d e 平成12年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-5.JR東海各駅の乗車人員 総数を365および366で除した人数。
  3. ^ a b c d e 平成17年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365および366で除した人数。
  4. ^ a b c d e 平成22年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365および366で除した人数。
  5. ^ 平成23年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  6. ^ 平成24年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を366で除した人数。
  7. ^ 平成25年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  8. ^ 平成26年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  9. ^ 平成27年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  10. ^ 平成28年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を366で除した人数。
  11. ^ 平成29年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  12. ^ 平成30年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  13. ^ 令和元年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。

関連項目

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外部リンク

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