コンテンツにスキップ

小林英夫 (言語学者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

小林 英夫(こばやし ひでお、1903年1月5日 - 1978年10月5日)は、日本の言語学者東京工業大学名誉教授。

人物

[編集]

東京府出身。1927年東京帝国大学言語学科卒。1928年ソシュールの『一般言語学講義』(: Cours de linguistique générale)を『言語学原論』として世界にさきがけて翻訳する。1929年京城帝国大学講師、1932年助教授(ギリシア語言語学)、敗戦により東京に引き揚げ1946年京都帝国大学文学博士[1]1948年東京工業大学教授(フランス語、言語学)、1950年名古屋大学教授兼任。1963年東工大を定年となり名誉教授、早稲田大学教授、1973年退職。1978年、腸癌のため死去[2]。墓所は九品仏浄真寺

著書

[編集]

単著

[編集]
  • 一般文法成立の可能性について その序説 (刀江書院 1932年)
  • 一般文法の原理 批判的解説 (岩波書店 1932年)
  • 言語学方法論考 (三省堂 1935年)
  • 言語と文体 (三省堂 1937年)
  • 言語学通論 (三省堂 1937年)
  • 言語研究 態度篇、問題篇 (三省堂 1938年)
  • 文体雑記 (三省堂 1942年)
  • 文体論の建設 (育英書店 1943年)
  • 文体論の美学的基礎づけ (筑摩書房 1944年)
  • 文体美学 (創元社 1947年(小林英夫選集 第1巻))
  • ことばの感覚 こばやしひでお (古明地書店 1948年)
  • 未来の国語設計者 国語問題管見 (振鈴社 1948年)
  • ショパン (ダヴイッド楽社 1948年(楽聖選書))
  • 文体論の理論と実践 (八雲書店 1948年)
  • 言語学の基礎概念 (振鈴社 1948年)
  • 言語美学序説 (創元社 1949年(小林英夫選集 第2巻))
  • ことばの反省 こばやしひでお (大洋図書 1950年)
  • 言語美学 こばやしひでお (友文社 1957年)
  • 実践言語学 こばやしひでお (友文社 1957年)
  • 美学的文体論 新訂版 (広済堂出版 1970年)
  • 小林英夫著作集 (全10巻 みすず書房 1975年-1977年)
  • 淡彩詩編 (みすず書房 1977年11月)

翻訳

[編集]
  • 言語学原論 (ソッシュール 岡書院 1928年 のち岩波書店)
  • 生活表現の言語学 (シャルル・バイイ 岡書院 1929年)
  • 誤用の文法 機能言語学的研究 (アンリ・フレエ 春陽堂 1934年 のちみすず書房)
  • 言語美学 (カルル・フォスレル(フォスラー) 小山書店 1935年 のちみすず書房)
  • 言語活動と生活 (シャルル・バイイ 岩波文庫 1941年)
  • ロシヤ文学史 (エリヤスベルグ 宮下義信共訳 筑摩書房 1943年)
  • 言語研究・現代の問題 (養徳社 1945年)
  • 一般文法の原理 (イエルムスレウ 三省堂 1958年)
  • 一般言語学とフランス言語学 (シャルル・バイイ 岩波書店 1970年)
  • 一般言語学講義 (フェルディナン・ド・ソシュール (改版)岩波書店 1972年)
  • アルネ (ビョルンソン 岩波文庫 1975年)
  • ウズ・ルジアダス ルシタニアの人びと (ルイス・デ・カモンイス 池上岑夫岡村多希子共訳 岩波書店 1978年10月)
  • 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 (ロレンツォ・ダ・ポンテ 日本放送出版協会 1978年2月(オペラ対訳選書))
  • 20世紀言語学論集 (みすず書房 2000年12月)

脚注

[編集]
  1. ^ 小林英夫 (1946). 文体論 (文学博士, 報告番号不明). Vol. 京都帝国大学. NAID 500000491197
  2. ^ 服部敏良『事典有名人の死亡診断 近代編』付録「近代有名人の死因一覧」(吉川弘文館、2010年)12頁