富士登山競走
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富士登山競走(ふじとざんきょうそう)は、例年7月に山梨県富士吉田市で行われる山岳マラソン(トレイルランニング)大会である。
歴史
[編集]- 1948年(昭和23年)7月28日 第1回大会開催。
- 1985年(昭和60年)第38回大会より、女子の部が作られる。
- 1986年(昭和61年)第39回大会、女子の部で中島和子が大会新記録の2時間51分36秒で優勝。この記録は数十年にわたり破られていない。
- 2010年(平成22年)7月23日 第63回大会開催。山頂コースに参加要件が設けられ、完走率が前々回を約10ポイント上回り、53.3%となった[1]。過去3年以内に五合目関門通過タイムもしくは五合目ゴールタイムが2時間半以内の者のみが山頂コースに出られるようになった。また、五合目コースは定員776名で募集したが、実際は2,828名の申し込みを受け付けた。逆に山頂コースは、3,000名の定員の所、2,635名の申し込みで定員は埋まらなかった。
- 2011年(平成23年)7月22日 第64回大会開催。山頂コース男子では宮原徹(陸上自衛隊)が大会新記録の2時間27分41秒で優勝。
- 2012年(平成24年)7月27日 第65回大会開催。前日・当日受付がなくなり、早朝発の大会直行バスでも参加できるようになった。エントリー数は山頂コースが2,609人、5合目コースが1,492人。
- 2020年(令和2年)第73回大会、2021年(令和3年)第74回大会は新型コロナウイルスの影響で中止。
- 2022年(令和4年)第75回大会から再び開催されている。
コース
[編集]標高770mの富士吉田市役所前がスタート。北口本宮冨士浅間神社から吉田口登山道を通り、標高3,711mの富士山頂久須志神社までの山頂コースは距離21km、高低差は日本最大の約3,000mに及ぶ。山頂コースのほか五合目までのコースもある。
給水もあり、スタート・ゴールを除くと10カ所。五合目まではスポーツドリンクも出るが、そこから先は水のみ。スポーツドリンクを飲みたい人は自分で持って行くか、山小屋で買う必要あり。また登山道なので、トイレ有料・ゴミ持ち帰り必須にも注意が必要。
制限時間
[編集]山頂コースの制限時間は以下の通り。
- 五合目 - 2時間15分
- 八合目(本八合目) - 4時間
- 山頂 - 4時間30分
五合目コースの制限時間は以下の通り。
- 馬返し - 2時間00分
- 五合目 - 3時間30分
2012年の富士登山競走の五合目タイムと完走率[2]。完走とは、制限時間を切った人のこと。
五合目タイム | 完走者数 | 非完走者数 | 完走率 |
---|---|---|---|
〜1:50 | 229 | 1 | 100% |
1:50〜2:00 | 322 | 5 | 98% |
2:00〜2:10 | 414 | 39 | 91% |
2:10〜2:15 | 147 | 113 | 57% |
2:15〜2:20 | 55 | 435 | 11% |
概要
[編集]- 山頂コースの制限時間は4時間30分で、後述の参加要件が無かった2008年大会までは完走率が50%を割ることが多かった[3]過酷な大会である。山頂コースの完走を「フルマラソン3時間以内で完走」「100kmウルトラマラソン10時間以内で完走」とともに達成することを「グランドスラム」と呼ぶほどである。
- 明らかに実力不足のランナーが山頂コースに多く申し込むという問題点があったことから、2010年大会から山頂コースには過去3年の大会で5合目(山頂コースの関門、5合目コースのゴールのいずれか)まで2時間30分以内に到達したランナーに限り参加可能となった[1]。
- 参加資格は第68回(2015)、69回(2016)大会のいずれかにおいて五合目関門(五合目ゴール)通過時間が2時間25分以内、または第70回(2017)大会において2時間20分以内の実績のある者に変更された。
- 第71回大会より、五合目関門の位置が第70回大会までの五合目ゴール地点に変更された。それにともない五合目ゴールは第70回大会までの山頂関門の地点に変更された。
- ストック等補助具の使用は禁止である。
- 悪天候によりコースが当日変更される場合がある。最近では2019年の第72回大会において山頂コースが五合目打ち切りとなっている。
- 山頂コース優勝者には内閣総理大臣杯が、五合目コース優勝者には文部科学大臣杯が、男女それぞれに授与される。
- 過去の大会で好成績を残した選手には特別ナンバーカードが交付される[4]。
歴代優勝者
[編集]山頂コースで3回以上優勝した人(5合目打ち切りの大会を含む)。括弧の中は第何回目の大会で優勝したか。
男子
[編集]- 芹沢雄二 10回 (39, 41-47, 49, 51)
- 真田信治 4回 (4, 6-8)
- 武井農 4回 (18, 19, 21, 23)
- 千野香 4回 (29, 30, 35, 38)
- 鏑木毅 3回 (55, 56, 58)
- 宮原徹 3回 (59, 62, 64)
女子
[編集]- 星野芳美 5回 (52-55, 63)
- 佐々木和子 3回 (40-42)
- 野尻あずさ 3回 (56-58)
- 神原百合 3回 (60-62)
関連項目
[編集]- 鏑木毅(プロトレイルランナー、山頂コース優勝3回。)
- 平井信行(気象予報士、山頂コース完走多数。)
- 富士登山駅伝
脚注
[編集]- ^ a b 第63回富士登山競走- RUNNET TRAIL
- ^ 富士登山競走 - 第65回大会 参加者のタイム
- ^ 日刊ランナーズ 2008年7月14日- RUNNET
- ^ 好成績の方へ、特別ナンバーカード付与![リンク切れ]- 富士登山競走公式サイト