安政見聞録
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『安政見聞録』(あんせいけんもんろく)は、安政の大地震の様子を記録した書籍の一つ。
概要
[編集]『安政見聞録』は、1855年11月11日(安政2年10月2日)の夜10時頃に発生した地震の様子を記録した書物で、安政3年6月に刊行された。著者は服部保徳、挿絵は一梅斎芳晴によって描かれ、地震時の教訓を多く盛り込んだ内容になっている。この書物は、先に出版された同様の書籍『安政見聞誌』を意識した内容になっており、装丁や構成だけを見てもそれを窺い知ることができる。内容を見ると、『安政見聞誌』が衆俗の様々な情報や取材内容をありのまま載せているのに対し、『見聞録』は教訓になる話を選び、筆者の考察を加えて書いている。また、『見聞録』の下巻には『見聞誌』にはない科学的な考察も見ることができる。
章の構成
[編集]- 上巻
- 地震の弁
- 孝婦非命に死するの条
- 孝女死期に紀念を遺す条
- 卑賎の老夫天変を知る条
- 士人自身飢民を救ふ条
- 中巻
- 父母に先だつて遁れ還て災にあふ条
- 地震によりて片足の肉を脱する条
- 流言を信ずれば禍ひを招く条
- 地震の前後地脈狂ふ条
- 地震の方角をいふ条
- 下巻
- 節婦衣を捐て夫の死骸を拾ふ条
- 父母を譲りて財を忘るる男の条
- 瞽者未然を知るの条
- 地下より火気を発するの条
- 神明万民を憐み為ふの条
- 鼠土中より多く生ずる条
- 蝦蟇巨蛇を闘ふ条