姉崎火力発電所
姉崎火力発電所 | |
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姉崎火力発電所(2012年1月) | |
正式名称 | 株式会社JERA姉崎火力発電所 |
国 | 日本 |
所在地 | 千葉県市原市姉崎海岸3 |
座標 | 北緯35度29分5.4秒 東経140度01分4.7秒 / 北緯35.484833度 東経140.017972度座標: 北緯35度29分5.4秒 東経140度01分4.7秒 / 北緯35.484833度 東経140.017972度 |
現況 | 運転中 |
運転開始 |
1号機:1967年12月 2号機:1969年11月 3号機:1971年6月 4号機:1972年9月 5号機:1977年4月 6号機:1979年10月 新1号機:2023年2月 新2号機2023年4月 新3号機:2023年8月 |
運転終了 | 1〜4号機:2021年12月[1] |
事業主体 | JERA |
発電所 | |
主要動力源 | 1〜6号機:LNG |
二次動力源 | 3〜6号機:LPG |
発電機数 | 5基 |
熱効率 |
1〜4号機:42.7%(LHV) 5、6号機:43.0%(LHV) |
発電量 | |
定格出力 |
総出力:315万kW 5号機:60万kW 6号機:60万kW 新1号機:65万kW 新2号機:65万kW 新3号機:65万kW |
ウェブサイト 姉崎火力発電所 | |
2019年4月1日現在 |
種類 | 合同会社 |
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本社所在地 | 千葉県市原市姉崎海岸3番地 |
設立 | 2017年11月7日 |
業種 | 電気・ガス業 |
法人番号 | 5010003026417 |
外部リンク | https://www.jera-anegasaki.com/ |
姉崎火力発電所(あねがさきかりょくはつでんしょ)は千葉県市原市姉崎海岸3にあるJERAグループの天然ガス火力発電所。
概要
[編集]東京電力の発電所として1967年12月に1号機が運転を開始、6号機までが建設された。1号機は、日本で初めて主蒸気温度、主蒸気圧力を超臨界圧まで高めたボイラー、蒸気タービンを採用した。
当初、1〜4号機は石油専焼であったが、後にLNG・石油混焼を経てLNG専焼(3、4号機はLPG併用)となった。主な燃料であるLNGは、袖ケ浦火力発電所や富津火力発電所に併設されたLNG基地からパイプラインにより供給を受けている。
1号機の運転開始から約50年が経過したため、リプレース計画が発表された。2016年10月現在、建設に向けた環境アセスメントの手続きが行われている(後述)。2017年11月、リプレース事業とリプレース後の運転・保守を担う会社として、JERAの出資により[2]、JERAパワー姉崎合同会社が設立された[3]。
2016年4月に東京電力から子会社の東京電力フュエル&パワーに移管され、2019年4月にはさらにJERAに移管された。
2021年4月から5号機と6号機が休止したが、同年冬の電力需給がひっ迫すると予想されたため、5号機のみ2022年1月4日から2月末まで間、再稼働することとなった。この準備を進めていた2021年10月には蒸気配管が破断するなどの不具合が発生し、修理が行われた[4]。 電力需給のひっ迫は2022年の夏シーズンにも見込まれたため、同年7月以降に5号機の再稼働が決定していた[5]。しかし6月下旬、気温が高い日が続いたことから電力供給がひっ迫。予定より前倒しされ、6月29日からの再稼働が決定したが[6]、設備の補修作業に時間がかかっているとして6月30日に変更すると発表した[7]。
発電設備
[編集]- 5号機(2021年4月より長期計画停止中2022年10月24日再稼働[1][9])
- 定格出力:60万kW
- 使用燃料:LNG、LPG
- 蒸気条件:超臨界圧(SC)
- 熱効率:43.0%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:1977年4月
- 6号機(2021年4月より長期計画停止中2023年1月4日再稼働[1])
- 定格出力:60万kW
- 蒸気条件:超臨界圧(SC)
- 使用燃料:LNG、LPG
- 熱効率:43.0%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:1979年10月
- 新1号機
- 発電方式:1,650℃級コンバインドサイクル発電(More Advanced Combined Cycle II)方式
- 定格出力:約65万kW
- ガスタービン × 1軸
- 蒸気タービン × 1軸
- 使用燃料:LNG
- 熱効率:約63%(低位発熱量基準)[10]
- 営業運転開始:2023年2月
- 新2号機
- 発電方式:1,650℃級コンバインドサイクル発電(MACCII)方式
- 定格出力:約65万kW
- ガスタービン × 1軸
- 蒸気タービン × 1軸
- 使用燃料:LNG
- 熱効率:約63%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:2023年4月
- 新3号機
- 発電方式:1,650℃級コンバインドサイクル発電(MACCII)方式
- 定格出力:約65万kW
- ガスタービン × 1軸
- 蒸気タービン × 1軸
- 使用燃料:LNG
- 熱効率:約63%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:2023年8月
廃止された発電設備
[編集]- 1号機
- 定格出力:60万kW
- 使用燃料:LNG
- 蒸気条件:超臨界圧(Super Critical)
- 熱効率:42.7%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:1967年12月
- 廃止:2021年12月[1]
- 2号機
- 定格出力:60万kW
- 使用燃料:LNG
- 蒸気条件:超臨界圧(SC)
- 熱効率:42.7%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:1969年11月
- 廃止:2021年12月[1]
- 3号機
- 定格出力:60万kW
- 使用燃料:LNG、LPG
- 蒸気条件:超臨界圧(SC)
- 熱効率:42.7%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:1971年6月
- 廃止:2021年12月[1]
- 4号機
- 定格出力:60万kW
- 使用燃料:LNG、LPG
- 蒸気条件:超臨界圧(SC)
- 熱効率:42.7%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始:1972年9月
- 廃止:2021年12月[1]
緊急設置電源
[編集]2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震と津波により複数の発電施設が被災し、電力供給力が大幅に低下したため、緊急設置電源が新設された[11]。
電力需給が逼迫した際に稼働していたが、被災火力発電所の復旧等により長期計画停止となり[12]、2015年3月に廃止された[13]。
- 1号ディーゼル〜4号ディーゼル(緊急設置電源)(廃止)
- 発電方式:ディーゼル発電方式(内燃力発電)
- 定格出力:1,400kW × 4台 (韓国・現代重工業から無償提供[14])
- 使用燃料:軽油
- 熱効率:43.5%(低位発熱量基準)
- 営業運転期間:2011年4月27日 - 2015年3月(2014年4月1日より長期計画停止)
6号機ボイラー破損事故
[編集]1996年6月18日、6号機はボイラー破損事故を起こし停止、1999年2月に運転を再開した[15]。
アクセス
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g JERA. “姉崎火力発電所1~4号機の廃止について”. JERA. 2021年12月16日閲覧。
- ^ JERAパワー姉崎合同会社. “会社概要”. JERAパワー姉崎合同会社. 2021年6月19日閲覧。
- ^ JERAパワー姉崎合同会社. “JERAパワー姉崎合同会社”. JERAパワー姉崎合同会社. 2021年6月19日閲覧。
- ^ “停止中の火力発電所“電力ひっ迫”で再稼働へ 内部を公開”. TBSニュース (2021年12月16日). 2021年12月16日閲覧。
- ^ “火力発電所を再稼働 夏の電力不足に対応”. FNN (2022年6月20日). 2022年6月19日閲覧。
- ^ 『6月27日の電力需給に対する当社の対応について』(プレスリリース)JERA、2022年6月27日 。2022年6月29日閲覧。
- ^ 『姉崎火力発電所5号機の運転再開予定日について』(プレスリリース)JERA、2022年6月28日 。2022年6月29日閲覧。
- ^ 姉崎火力発電所
- ^ 『長期計画停止中の火力発電所の運転再開について』(プレスリリース)JERA、2022年6月30日 。2022年7月2日閲覧。
- ^ 東電F&P・姉崎火力リプレース、JERAが環境アセス開始 2016年10月7日付 電気新聞 2016年10月7日閲覧。
- ^ 供給力確保に向けた緊急設置電源の新設について 2011年4月15日 東京電力
- ^ 東日本大震災における発電設備に関する復旧計画 (PDF) 東京電力
- ^ 平成27年度供給計画の概要 (PDF) 東京電力
- ^ タイ・EGAT、東電に無償でガスタービン提供 2011年8月12日付 電気新聞 2011年8月12日閲覧。
- ^ 姉崎火力発電所6号機の営業運転再開について 1999年2月17日 東京電力