奥村晃作
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奥村 晃作 | |
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誕生 |
1936年6月14日(88歳) 長野県飯田市 |
職業 | 歌人 |
言語 | 日本語 |
最終学歴 | 東京大学経済学部卒業 |
ジャンル | 短歌 |
文学活動 | ただごと歌 |
デビュー作 | 『隠遁歌人の源流 式子内親王・能因・西行』 |
子供 | 奥村剛(物理学者、お茶の水女子大学教授) |
親族 | 佐藤さとる(妻のいとこ) |
奥村晃作(おくむら こうさく、1936年6月14日[1] - )は、日本の歌人。歌誌「コスモス」選者。
経歴
[編集]長野県飯田市生まれ。長野県飯田高等学校を経て、1962年東京大学経済学部卒業。三井物産に入社後、2年程で退職し学士入学して教員免許を取得。のち芝中学校・高等学校社会科教諭に着任。大学在学中に『コスモス』に入会、宮柊二に師事する。1967年、「荒涼たる風景」で第13回角川短歌賞候補。1985年には「コスモス」の仲間である桑原正紀や高野公彦らと同人誌『棧橋』を創刊[2]。
橘曙覧などの近世和歌を消化し、現代短歌の一領域として「ただごと歌」を認知させた[3]。教師時代の奥村に短歌の手引きを受け、後に『コスモス』に入会した教え子に、影山一男や大松達知がいる。また本上まなみが愛読者であり、ワールドビジネスサテライトの「スミスの本棚」コーナーでは『奥村晃作歌集』を紹介した。萩原慎一郎と歌会などで交流があったとされ、2019年に出版された『歌集 八十一の春』では萩原への挽歌が収録されている。
著書
[編集]- 『隠遁歌人の源流 式子内親王・能因・西行』笠間書院 1975 笠間選書
- 『現代短歌 奥村晃作歌論集』短歌新聞社 1977
- 『三齢幼虫 奥村晃作歌集』白玉書房 1979 コスモス叢書
- 『鬱と空 奥村晃作歌集』石川書房 1983 コスモス叢書
- 『鴇色の足 歌集』本阿弥書店 1988 コスモス叢書
- 『宮柊二の秀歌二百首 戦中・戦後の絶唱』ながらみ書房 1989
- 『父さんのうた 奥村晃作歌集』ながらみ書房 1991 コスモス叢書
- 『蟻ん子とガリバー 奥村晃作歌集』ながらみ書房 1993 コスモス叢書
- 『抒情とただごと 奥村晃作歌論集』本阿弥書店 1994 短歌ライブラリー
- 『都市空間 奥村晃作歌集』ながらみ書房 1995 コスモス叢書
- 『賀茂真淵 伝と歌』短歌新聞社 1996
- 『奥村晃作作品集』雁書館 1998
- 『恵那のいただき 悲恋の歌人金田千鶴小伝』南信州新聞社出版局 1999
- 『男の眼 奥村晃作歌集』雁書館 1999 コスモス叢書
- 『ピシリと決まる 歌集』北冬舎 2001
- 『キケンの水位 奥村晃作歌集』短歌研究社 2003 コスモス叢書
- 『奥村晃作歌集』砂子屋書房 2004 現代短歌文庫 ISBN 978-4790407874
- 『スキーは板に乗ってるだけで 奥村晃作歌集』2005 角川短歌叢書
- 『空と自動車 奥村晃作歌集』短歌新聞社 2005 新現代歌人叢書
- 『ただごと歌の系譜 近世和歌逍遥』本阿弥書店 2006
- 『歌集 多く連作のうた』ながらみ書房 2008
- 『歌集 多く日常のうた』ながらみ書房 2009
- 『青草 歌集』柊書房 2011 コスモス叢書
- 『歌集 造りの強い傘』青磁社 2014 ISBN 978-4861982835
- 『歌集 ビビッと動く』六花書林 2016 ISBN 978-4907891312
- 『歌集 八十の夏』文芸社 2017 ISBN 978-4907891527
- 『歌集 八十一の春』文芸社 2019 ISBN 978-4286202594
代表歌
[編集]- 次々に走り過ぎ行く自動車の運転する人みな前を向く/『三齢幼虫』
- 舟虫の無数の足が一斉に動きて舟虫のからだを運ぶ/『鬱と空』
- もし豚をかくの如くに詰め込みて電車走らば非難起こるべし/『鬱と空』
- イヌネコと蔑(なみ)して言ふがイヌネコは一生無所有の生を完(まつた)うす/『鴇色の足』
- 撮影の少女は胸をきつく締め布から乳の一部はみ出る/『鴇色の足』
- 不思議なり千の音符のただ一つ弾きちがへてもへんな音がす/『鴇色の足』
- ボールペンはミツビシがよくミツビシのボールペン買ひに文具店に行く/『鴇色の足』
参考文献
[編集]- 「現代短歌文庫 奥村晃作歌集」『紀伊國屋書店BookWeb』
脚注
[編集]外部リンク
[編集]- 奥村晃作 (@okumura80kousak) - X(旧Twitter)
- コスモス短歌会
- 「現代歌人ファイルその57・奥村晃作」-トナカイ語研究日誌(奥村晃作作品評)