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大乗寺 (兵庫県香美町)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大乗寺
所在地 兵庫県美方郡香美町香住区森860
位置 北緯35度37分25.1秒 東経134度37分33.1秒 / 北緯35.623639度 東経134.625861度 / 35.623639; 134.625861座標: 北緯35度37分25.1秒 東経134度37分33.1秒 / 北緯35.623639度 東経134.625861度 / 35.623639; 134.625861
山号 亀居山(かめいさん)
宗派 高野山真言宗
本尊 聖観音
創建年 伝・天平17年(745年
開基 伝・行基
正式名 高野山真言宗亀居山大乗寺
札所等 西国薬師四十九霊場28番
文化財 客殿障壁画等165点・木造十一面観音立像・木造聖観音立像・木造観音立像(以上は国の重要文化財)
公式サイト 高野山真言宗亀居山大乗寺
法人番号 7140005012490 ウィキデータを編集
大乗寺 (兵庫県香美町)の位置(兵庫県内)
大乗寺 (兵庫県香美町)
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石垣と山門
観音堂
薬師堂

大乗寺(だいじょうじ)は、兵庫県美方郡香美町にある高野山真言宗寺院円山応挙ゆかりの寺で応挙寺ともいう[1]西国薬師四十九霊場第二十八番札所。

歴史

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寺伝によれば745年天平17年)に行基が自刻の聖観音を本尊として創建したと伝えられている。

その後、戦乱を受け寺勢は衰退するが、江戸時代後期の寛政年間(1789年 - 1800年)に当時の住職、密蔵らにより再興された。

密蔵は京都訪問の際に苦学中の円山応挙に銀三貫目を与えた。応挙は大成したのち、密蔵の恩に報いるため、弟子12名とともに客殿襖絵・屏風などに取り組み多数の作品を残した。このうち165点は国の重要文化財に指定されている。

境内

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  • 客殿
  • 観音堂
  • 薬師堂
  • 山門

文化財

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円山応挙像
龍門鯉魚図(1789年)円山応挙

重要文化財(国指定)

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  • 客殿障壁画
客殿の山水の間、芭蕉の間、孔雀の間、農業の間、禿山の間、狗子の間、使者の間、仙人の間、仏間、鯉の間、藤の間、猿の間、鴨の間の計13室に円山応挙呉春長沢芦雪ら応挙一門による障壁画が描かれている(内訳は後述)。
  • 木造十一面観音立像
  • 木造聖観音立像
  • 木造観音立像
  • 木造四天王立像
  • 木造薬師如来座像
  • 客殿・庫裏・山門
町指定文化財
  • 元しいがかま古墳天井石
  • 大乗寺のくす

客殿障壁画

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以下の作品が重要文化財に指定されている。うち円山応挙筆の38面は明治34年(1901年)、長沢芦雪筆の11面は昭和28年(1953年)の指定で、その他は昭和44年(1969年)に追加指定されたものである。附(つけたり)指定の襖絵・壁貼付絵等88面、衝立1点、書簡1点を含め、165点が一括指定されている[2]

  • 紙本金地墨画山水図 円山応挙筆 14面(床貼付2、違棚貼付2、壁貼付3、襖貼付7)天明7年12月の年記がある(山水の間)
  • 紙本金地著色郭子儀図 円山応挙筆 8面(襖貼付)寛政七年四月の年記がある(芭蕉の間)
  • 紙本金地墨画松孔雀図 円山応挙筆 16面(襖貼付)(孔雀の間)
  • 紙本淡彩四季耕作図 呉春筆 12面(襖貼付)(農業の間)
  • 紙本淡彩群山露頂図 呉春筆 14面(襖貼付)(禿山の間)
  • 紙本淡彩群猿図 長沢芦雪筆 11面(襖貼付8、壁貼付3)(猿の間)

(以下は附指定)

  • 紙本淡彩梅花狗子図 山本守礼筆 11面(襖貼付)(狗子の間)
  • 紙本著色少年行図 山本守礼筆 8面(襖貼付)(使者の間)
  • 紙本著色採蓮図 亀岡規礼筆 4面(襖貼付)(使者の間)
  • 紙本淡彩群仙図 秀雪亭筆 8面(襖貼付)天明七年九月の年記がある(仙人の間)
  • 紙本淡彩蓮池図 円山応瑞筆 8面(襖貼付4、障子腰貼付4)(仏間)
  • 紙本淡彩遊鯉図 円山応瑞筆 8面(襖貼付)(鯉の間)
  • 紙本著色藤花禽鳥図 奥文鳴筆 3面(壁貼付)(藤の間)
  • 紙本金地著色果子図 4面(天袋貼付)(山水の間)
  • 紙本淡彩遊亀図 木下応受筆 8面(小壁貼付)(山水の間、芭蕉の間、孔雀の間)
  • 紙本淡彩飛燕図 山跡鶴嶺筆 2面(小壁貼付)(農業の間)
  • 紙本金地著色鶏図 円山応瑞筆 1面(衝立)
  • 紙本墨書応挙書簡等 1巻(7通)
  • 紙本淡彩梅花遊禽図 駒井源琦筆 5面(壁貼付1、襖貼付4)(鴨の間)
  • 紙本淡彩山雀図 森徹山筆 9面(小壁貼付)(猿の間)
  • 紙本淡彩蛾蝶図 山口素絢筆 10面(小壁貼付)乙卯(寛政七年)二月の年記がある(鴨の間)

拝観案内

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  • 9:00~16:00(受付15:40まで) 拝観料 大人1200円 子ども600円(小学生)

脚注

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  1. ^ ひょうごの環境 但馬松島をめぐるみち 兵庫県、2024年10月29日閲覧。
  2. ^ 寺の公式サイトを含め、多くの資料に「障壁画165面が重要文化財に指定」とあるが、「165面」は厳密には誤りで、正確には障壁画164面に「応挙書簡等 1巻」を加え165点である

関連項目

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外部リンク

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