増田渉
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人物情報 | |
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生誕 |
1903年10月12日 日本島根県松江市 |
死没 | 1977年3月10日 (73歳没) |
出身校 | 東京帝国大学 |
学問 | |
研究分野 | 中国文学 |
研究機関 | 大阪市立大学・関西大学 |
増田 渉(ますだ わたる、1903年10月12日 - 1977年3月10日)は、日本の中国文学者。
経歴
[編集]1903年、島根県八束郡恵曇村(現:松江市鹿島町)で生まれた[1]。旧制松江高等学校(現:島根大学)を経て[2]、東京帝国大学文学部を卒業。
1931年に上海で晩年の魯迅に会い師事。魯迅の家に10ヶ月間通い、魯迅著『中国小説史略』などの講義を直接受けた[3]。帰国後も疑問点について魯迅に手紙で質問し、1935年に『中国小説史略』の日本語完訳版を出版。佐藤春夫と『魯迅選集』を訳・刊行し、本格的に作品紹介を行った。旧制松江高校、大阪市立大学、関西大学教授を務めた。
1977年、盟友竹内好の葬儀で弔辞を述べている最中に倒れ、数日後に後を追うように逝去した。多くの貴重書を集めた蔵書は、関西大学に収蔵された[4]。
交友・業績
[編集]生涯にわたり竹内好、武田泰淳、松枝茂夫らと交流した。芥川龍之介、佐藤春夫の影響で中国文学に傾倒(佐藤名義の訳『平妖伝』は下訳もしたと、本人が『中国古典文学大系 平妖伝』月報で経緯を明かしている)。 本人の著作・業績については『中国の八大小説 中国近世小説の世界 増田渉教授還暦記念』(大阪市立大学中国文学研究室編、平凡社, 1965年)に詳しい紹介がある。
著作
[編集]- 著書
- 『魯迅の印象』大日本雄弁会講談社, 1948
- 再版 角川選書, 1970
- 『中国文学史研究 「文学革命」と前夜の人々』岩波書店, 1967
- 復刊 1977年
- 『西学東漸と中国事情 「雑書」札記』岩波書店, 1979
- 『中国古典文学への招待』(共著)平凡社, 1975
- 単著化 『雑書雑談』汲古書院, 1983
- 『魯迅 増田渉-師弟答問集』伊藤漱平・中島利郎編, 汲古書院, 1986
- 翻訳
- 『魯迅選集』佐藤春夫共編訳, 岩波文庫, 1935
- 『支那小説史』魯迅著, サイレン社, 1935
- 再版 天正堂, 1938
- 文庫化 岩波文庫, 1941
- 『魯迅作品集 第1巻』東西出版社, 1946[5]
- 『聊斎志異 中国千夜一夜物語』蒲松齢 新流社, 1948
- 『魯迅の言葉』創元社, 1955
- 『魯迅選集』松枝茂夫・竹内好共編訳、岩波書店 全12巻別巻1, 1956
- 改訂版(全13巻) 1964
- 『史記物語』司馬遷 講談社, 1956
- 『新・十八史略物語』(全12巻,別巻2) 奥野信太郎・佐藤春夫共編訳 河出書房, 1956-1957
- 『老舎』(世界名作全集 33) 飯塚朗共訳、平凡社, 1960
- 『阿Q正伝 他八篇』角川文庫, 1961
- 改版、新版2018
- 『五・四文学革命集』(中国現代文学選集 3[6]) 編集委員 平凡社, 1963
- 『五・四文学革命集』(中国の革命と文学 2[7]) 編訳代表 平凡社, 1972
脚注
[編集]- ^ 松江市暮らしのガイド、鹿島歴史民俗資料館について
- ^ 島根大学の著名人:島根大学教官
- ^ 学部長だより2019年8月(中村元と増田渉)
- ^ 図書館の増田渉文庫に『魯迅傳』の自筆原稿が収蔵されました(関西大学図書館)
- ^ 第2巻「朝花夕拾」については松枝茂夫が訳を担当。
- ^ 全20巻
- ^ 全13巻