塩化エルビウム(III)
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塩化エルビウム(III) | |
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Erbium(III) chloride | |
別称 Erbium trichloride | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10138-41-7 (無水物) |
PubChem | 66277 |
ChemSpider | 59656 |
UNII | 867J5QOF46 |
EC番号 | 233-385-0 |
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特性 | |
化学式 | ErCl 3 (無水物) ErCl 3 · 6H2O (六水和物) |
モル質量 | 273.62 g/mol (無水物) 381.71 g/mol (六水和物) |
外観 | 紫色吸湿性単斜晶系結晶 (無水物) 桃色吸湿性結晶 (六水和物) |
密度 | 4.1 g/cm3 (無水物) |
融点 |
776 °C, 1049 K, 1429 °F ((無水物) |
沸点 |
1500 °C, 1773 K, 2732 °F |
水への溶解度 | 水に可溶 (無水物) エタノールに若干溶ける (六水和物)[1] |
構造 | |
結晶構造 | 単斜晶系 |
空間群 | C2/m, No. 12 |
格子定数 (a, b, c) | a = 6.80 Å Å,b = 11.79 Å Å,c = 6.39 Å Å |
格子定数 (α, β, γ) | α = 90°, β = 110.7°, γ = 90° |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 酸化エルビウム(III) |
その他の陽イオン | 塩化ホルミウム(III), 塩化ツリウム(III) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
塩化エルビウム(III)(Erbium(III) chloride)は、化学式ErCl3の紫色の固体である。金属エルビウムを作る際に用いられる。
合成
[編集]無水塩化エルビウム(III)は、塩化アンモニウムを経由して合成される。第一段階では、酸化エルビウム(III)を塩化アンモニウムと一緒に加熱し、五塩化物のアンモニウム塩を作る。 Er2O3 + 10 [NH4]Cl → 2 [NH4]2ErCl5 + 6 H2O + 6 NH3
第二段階では、塩化アンモニウム塩を真空中で350-400℃に加熱し、三塩化物に変換する。
構造
[編集]塩化アルミニウム(III)型の結晶を作る。単斜晶系で、点群はC2/mである。
六水和物も単斜晶系の結晶となり、点群はP2/n (P2/c) - C42hである。この化合物では、エルビウムは八配位し、[Er(H2O)6Cl2]+イオンを形成する。
光学特性
[編集]塩化エルビウム(III)溶液は、負性非線形吸収効果を示す。
触媒活性
[編集]アルコールやフェノールのアシル化、フルフラールへのアミン付与等に触媒作用を示すことが示されている。フリーデル・クラフツ反応を触媒し、ルーシェ還元の際には、塩化セリウム(III)の代わりに用いることができる。
出典
[編集]- ^ Lide, David R. (1998). Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.). Boca Raton, Florida: CRC Press. pp. 4–57. ISBN 0-8493-0594-2