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在ロシアアメリカ合衆国大使

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大使はスパソ・ハウス(旧ニコライ・ヴトロフ邸)に駐在している

在ロシアアメリカ合衆国大使(ざいロシアアメリカがっしゅうこくたいし、United States Ambassador to Russia)は、ロシアに派遣されたアメリカ合衆国大使その他の外交使節団の長を指す。

1780年以来、アメリカ合衆国ロシアに外交使節団を派遣してきた。ロシアが革命により倒壊し、ソヴィエト連邦が成立してからは、旧在ロシア大使は在ソヴィエト連邦大使となり、冷戦中にも置かれていた。1991年ソビエト連邦の崩壊後は、在ロシアアメリカ合衆国大使に戻った。

本項では、在ソヴィエト連邦アメリカ合衆国大使も含めて記述する。


在ロシア帝国大使(1780年–1919年)

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氏名 住所 階級 任命 在任期間 備考
信任状捧呈 退任
フランシス・ダナ マサチューセッツ州 公使 1780年12月19日 1783年9月 赴任したが、拝謁せず。
ウィリアム・ショート ヴァージニア州 全権公使 1808年9月8日 上院休会中に任命。彼がロシアへ向かっている間に上院が指名を拒否したため、赴任せず。
ジョン・Q・アダムズ マサチューセッツ州 全権公使 1809年6月27日 1809年11月5日 1814年4月28日 1809年3月6日の指名は、上院に拒否された。1809年6月26日の指名は承認された。
ジェームズ・A・ベイアード デラウェア州 特命全権公使 1815年2月28日 着任せず。
ウィリアム・ピンクニー メリーランド州 特命全権公使 1816年3月7日 1817年1月13日 1818年2月14日
ジョージ・W・キャンベル テネシー州 特命全権公使 1818年4月16日 1819年2月7日 1820年7月8日
ヘンリー・ミドルトン サウスカロライナ州 特命全権公使 1820年4月6日 1821年6月17日 1830年8月3日
ジョン・ランドルフ ヴァージニア州 特命全権公使 1830年5月26日 1830年9月19日 着任したが、信任状捧呈を受けず。
ジェームズ・ブキャナン ペンシルヴェニア州 特命全権公使 1832年1月4日 1832年6月11日 1833年8月5日
マーロン・ディカースン ニュージャージー州 特命全権公使 1834年5月28日 指名を辞退。
ウィリアム・ウィルキンズ ペンシルヴェニア州 特命全権公使 1834年6月30日 1834年12月14日 1835年12月24日
ジョン・R・クレイ ペンシルヴェニア州 代理公使 1836年6月29日 1836年9月2日 1837年8月5日
ジョージ・M・ダラス ペンシルヴェニア州 特命全権公使 1837年3月7日 1837年8月6日 1839年7月29日
チャーチル・C・キャンブレリング ニューヨーク州 特命全権公使 1840年5月25日 1840年9月21日 1841年7月13日 1840年5月25日に信任状が発布されたが、任命の記録なし。
チャールズ・S・トッド ケンタッキー州 特命全権公使 1841年8月27日 1841年11月28日 1846年1月27日
ラルフ・I・インガーソル コネチカット州 特命全権公使 1846年8月8日 1847年5月30日 1848年7月1日
アーサー・P・バグビー アラバマ州 特命全権公使 1848年6月15日 1849年1月14日 1849年5月14日
ニール・S・ブラウン テネシー州 特命全権公使 1850年5月2日 1850年8月13日 1853年6月23日
トマス・H・シーモア コネチカット州 特命全権公使 1853年5月24日 1854年4月2日 1858年7月17日 上院休会中に任命。1853年12月6日の承認後に再び任命。
フランシス・W・ピッケンズ サウスカロライナ州 特命全権公使 1858年1月11日 1858年7月18日 1860年9月9日
ジョン・アップルトン メイン州 特命全権公使 1860年6月8日 1860年9月9日 1861年6月8日
カシアス・M・クレイ ケンタッキー州 特命全権公使 1861年3月28日 1861年7月14日 1862年6月25日
サイモン・キャメロン ペンシルヴェニア州 特命全権公使 1862年1月17日 1862年6月25日 1862年9月18日
カシアス・M・クレイ ケンタッキー州 特命全権公使 1863年3月11日 1863年5月7日 1869年10月1日
ジョン・L・ドーソン ペンシルヴェニア州 特命全権公使 上院が指名を拒絶したため、任命されず。
ヘンリー・A・スマイス ニューヨーク州 特命全権公使 上院が指名を棚上げしたため、任命されず。
アンドルー・G・カーティン ペンシルヴェニア州 特命全権公使 1869年4月16日 1869年10月28日 1872年7月1日
ジェイムズ・L・オア サウスカロライナ州 特命全権公使 1872年12月12日 1873年3月18日 1873年5月6日
マーシャル・ジュウェル コネチカット州 特命全権公使 1873年5月29日 1873年12月9日 1874年7月19日 上院休会中に任命。1873年12月10日の承認後に再び任命。
ジョージ・H・ボーカー ペンシルヴェニア州 特命全権公使 1875年1月13日 1875年7月24日 1878年1月14日
エドウィン・W・ストートン ニューヨーク州 特命全権公使 1877年10月30日 1878年1月14日 1879年3月2日
ジョン・W・フォスター インディアナ州 特命全権公使 1880年1月26日 1880年6月11日 1881年8月1日
ウィリアム・H・ハント ルイジアナ州 特命全権公使 1882年4月12日 1882年8月23日 1884年2月27日 死亡退職。
アーロン・A・サージェント カリフォルニア州 特命全権公使 上院の承認を受けたが、任命されず。
アルフォンソ・タフト オハイオ州 特命全権公使 1884年7月4日 1884年9月3日 1885年7月31日
アレグザンダー・R・ロートン ジョージア州 特命全権公使 上院が決定を下す前に指名が取り下げられたため、任命されず。
ジョージ・V・N・ロースロップ ミシガン州 特命全権公使 1885年5月7日 1885年7月31日 1888年8月1日 上院休会中に任命。1886年1月13日の承認後に再び任命。
ランバート・トゥリー イリノイ州 特命全権公使 1888年9月25日 1889年1月4日 1889年2月2日
アレン・T・ライス ニューヨーク州 特命全権公使 1889年3月30日 就任宣誓をしたが、着任前に米国で死去。
チャールズ・E・スミス ペンシルヴェニア州 特命全権公使 1890年2月14日 1890年5月14日 1892年4月17日
アンドルー・D・ホワイト ニューヨーク州 特命全権公使 1892年7月22日 1892年11月7日 1894年10月1日
クリフトン・R・ブレッキンリッジ アーカンソー州 特命全権公使 1894年7月20日 1894年11月1日 1897年12月10日 公式には、1894年11月1日に承認。
イーサン・A・ヒッチコック ミズーリ州 特命全権公使 1897年8月16日 1897年12月16日 上院休会中に任命。1897年12月18日の承認後に再び任命。
イーサン・A・ヒッチコック ミズーリ州 特命全権大使 1898年2月11日 1898年3月21日 1899年1月28日 特命全権大使に昇格。
シャールメイン・タワー・ジュニア ペンシルヴェニア州 特命全権大使 1899年1月12日 1899年3月19日 1902年11月19日
ロバート・S・マコーミック イリノイ州 特命全権大使 1902年9月26日 1903年1月12日 1905年3月27日 上院休会中に任命。1902年12月8日の承認後に再び任命。
ジョージ・v・L・マイアー マサチューセッツ州 特命全権大使 1905年3月8日 1905年4月12日 1907年1月26日
ジョン・W・リドル ミネソタ州 特命全権大使 1906年12月19日 1907年2月8日 1909年9月8日
ウィリアム・W・ロックヒル コロンビア特別区 特命全権大使 1909年5月17日 1910年1月11日 1911年6月17日
カーティス・ギルド・ジュニア マサチューセッツ州 特命全権大使 1911年4月24日 1911年8月17日 1913年4月24日
ヘンリー・M・ピンデル イリノイ州 特命全権大使 1914年1月27日 指名を辞退。
ジョージ・T・メアリー カリフォルニア州 特命全権大使 1914年7月9日 1914年10月30日 1916年3月29日
デーヴィッド・R・フランシス ミズーリ州 特命全権大使 1916年3月6日 1916年5月5日 1917年11月7日 通常の関係は1917年11月7日に断絶した。フランシスがロシアを離れた1918年11月7日時点では、ロシア新政府は未だ米国から承認されていなかった。
1919年9月14日にロシア大使館が閉鎖された際、彼は臨時代理公使を務めた。

在ソヴィエト連邦大使(1933年–1991年)

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氏名 住所 階級 任命 在任期間 備考
信任状捧呈 退任
ウィリアム・C・ブリット・ジュニア ペンシルヴェニア州 特命全権大使 1933年11月21日 1933年12月13日 1936年5月16日 上院休会中に任命。1934年1月15日の承認後に再び任命。
ジョーゼフ・E・デイヴィーズ コロンビア特別区 特命全権大使 1936年11月16日 1937年1月25日 1938年6月11日 上院休会中に任命。1937年1月23日の承認後に再び任命。
ローレンス・A・スタインハート ニューヨーク州 特命全権大使 1939年3月23日 1939年8月11日 1941年11月12日
ウィリアム・H・スタンドリー カリフォルニア州 特命全権大使 1942年2月14日 1942年4月14日 1943年9月19日
W・アヴェレル・ハリマン ニューヨーク州 特命全権大使 1943年10月7日 1943年10月23日 1946年1月24日
ウォルター・ベデル・スミス 特命全権大使 1946年3月22日 1946年4月3日 1948年12月25日
アラン・G・カーク 特命全権大使 1949年5月21日 1949年7月4日 1951年10月6日
ジョージ・F・ケナン ペンシルヴェニア州 特命全権大使 1952年3月14日 1952年5月14日 1952年9月19日 ソ連政府は1952年10月3日、「ケナンはペルソナ・ノン・グラータである」と宣言した。以後ケナンが同職に復することはなかった。
チャールズ・E・ボーレン コロンビア特別区 特命全権大使 1953年3月27日 1953年4月20日 1957年4月18日
ルウェリン・E・トンプスン コロラド州 特命全権大使 1957年6月3日 1957年7月16日 1962年7月27日
フォイ・D・コーラー オハイオ州 特命全権大使 1962年8月20日 1962年9月27日 1966年11月14日
ルウェリン・E・トンプスン コロラド州 特命全権大使 1966年10月13日 1967年1月23日 1969年1月14日
ジェイコブ・D・ビーム ニュージャージー州 特命全権大使 1969年3月14日 1969年4月18日 1973年1月24日 アドルフ・ダブズは、1973年1月から1974年3月まで臨時代理公使を務めた。
ウォルター・J・ストーセル・ジュニア カリフォルニア州 特命全権大使 1973年12月19日 1974年3月4日 1976年9月13日
マルコム・トゥーン ニューヨーク州 特命全権大使 1976年11月24日 1977年1月18日 1979年10月16日 上院休会中に任命。1977年6月8日の承認後に再び任命。
トマス・J・ワトスン・ジュニア コネチカット州 特命全権大使 1979年10月10日 1979年10月29日 1981年1月15日
アーサー・A・ハートマン メリーランド州 特命全権大使 1981年9月28日 1981年10月26日 1987年2月20日
ジャック・F・マットロック・ジュニア フロリダ州 特命全権大使 1987年3月12日 1987年4月6日 1991年8月11日
ロバート・S・ストラウス テキサス州 特命全権大使 1991年8月2日 1991年8月24日 1992年11月19日 駐ソ連大使に任命。ソ連崩壊後は、駐ロシア大使となった。

在ロシア連邦大使(1992年–現在)

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氏名 住所 階級 任命 在任期間 備考
信任状捧呈 退任
トマス・R・ピッカリング ニュージャージー州 特命全権大使 1993年5月12日 1993年5月21日 1996年11月1日 臨時代理公使:リチャード・M・マイルズ(1996年11月 – 1997年5月)及びジョン・F・テフト(1997年5月 - 1998年1月)。
ジェームズ・F・コリンズ イリノイ州 特命全権大使 1996年8月1日 1998年1月26日 2001年7月10日
アレグザンダー・ヴァーシュボウ マサチューセッツ州 特命全権大使 2001年7月12日 2001年8月17日 2005年7月22日
ウィリアム・J・バーンズ コロンビア特別区 特命全権大使 2005年8月2日 2005年11月8日 2008年3月 2008年1月、国務省で第3の高位である政治担当国務次官に指名された。
ジョン・ベイル ミシガン州 特命全権大使 2008年7月2日 2008年7月3日 2011年12月
マイケル・マクフォール モンタナ州 特命全権大使 2011年12月 2011年12月 2014年2月
ジョン・テフト英語版 ウィスコンシン州 特命全権大使 2014年 2014年 2017年
ジョン・ミード・ハンツマン カリフォルニア州 特命全権大使 2017年 2017年 2019年
ジョン・J・サリバン マサチューセッツ州 特命全権大使 2019年 2019年 2022年 前職はアメリカ合衆国国務副長官
リン・トレーシー英語版 オハイオ州 特命全権大使 2022年12月21日 2023年1月30日 現職 女性初の在ロシアアメリカ合衆国大使。前職は在アルメニアアメリカ合衆国大使英語版

外部リンク

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