吉野屋 (舟宿)
表示
座標: 北緯35度39分56秒 東経139度53分16秒 / 北緯35.665652度 東経139.887893度
吉野屋(よしのや)は、千葉県浦安市猫実の船宿[2]。20世紀はじめに創業[3]した老舗である[4]。10人以上の船長が所属して、釣船14隻、屋形船6隻を運行しており[5]、釣り船宿としては「中堅」の規模である[6]。
1921年に、葛飾丸による深川高橋からの浦安への定期航路が開通した際、浦安の発着場が吉野屋の前に設けられたことから、「蒸気河岸」と称されたこともある[7]。
作家、山本周五郎は、1928年夏にスケッチにでかけた現在の浦安市一帯を気に入り、そのまま翌1929年秋まで当地に滞在したが、その間に滞在した5か所の下宿先のひとつ[8]。後に、1960年に新聞連載され1961年に刊行された『青べか物語』はその時の取材に基づくものとされるが[8]、作中に登場する船宿「千本」のモデルは吉野屋である[4][9]。吉野屋の玄関には、当時の当主と山本周五郎が並ぶ姿を捉えた林忠彦撮影の写真が飾られている[4]。
浦安市がロケ地となった2008年のテレビドラマ『長生き競争!』では、船宿「よしざわ」としてドラマに登場した[3]。
出典・脚注
[編集]- ^ “[ちば船紀行](3)浦安・旧江戸川 船宿の釣り船、昔日思う(連載)”. 読売新聞・東京朝刊: p. 30. (2004年8月20日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 浦安には、昭和30年代(1955年 - 1964年)まで船宿が百軒ほどあったとされるが、2004年の時点で十数軒まで減少している[1]。
- ^ a b “県民「主役」の映画を 黒土監督「わが町千葉」日常描く現代劇 発起人会発足”. 朝日新聞・朝刊・千葉全県: p. 26. (2009年5月12日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ a b c “(仕事人:159)ハゼと暮らす:2 てんぷら船”. 朝日新聞・夕刊: p. 14. (2005年10月18日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “浦安の釣り船〜船宿〜 吉野屋”. 吉野屋. 2013年5月14日閲覧。
- ^ “[ニアミスの海 悲劇は防げるか](下)「シーマンシップ」こそ(連載)”. 読売新聞・東京朝刊: p. 26. (1988年7月30日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 鈴木和明「吉野屋」『明解行徳の歴史大事典』文芸社、2005年、249頁。ISBN 978-4835585666 。2013年5月17日閲覧。
- ^ a b 鳥海宗一郎 (1994年2月25日). “周五郎、心平が愛した風景 浦安付近(散歩道・文学)”. 朝日新聞・朝刊 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “「青べか物語」と 船宿・吉野屋”. 吉野屋. 2013年5月14日閲覧。