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原子状炭素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
原子状炭素
識別情報
PubChem 5462310
ChemSpider 4575370 チェック
ChEBI
特性
化学式 C
モル質量 12.01 g mol−1
精密質量 12.000000000000 g mol-1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
原子状炭素の生成。光源は、2本の炭素棒の間の電弧である。液体窒素で反応容器を冷やしている。黒い物体はすすである。この写真は、オーバーン大学のフィル・シェブリンの研究室で撮影された。

原子状炭素(Atomic carbon)は、単一の炭素原子で、実質的にはジカルベンとして:C:-という化学式を持つ。

非常に短命の化学種で、2本の隣接した炭素棒の間を大きな電流が通過し、電弧を発生した時に生成する。オーバーン大学のフィル・シェブリンが基礎的な研究を行った。

原子状炭素を生成する方法は、バックミンスターフラーレンの生成方法と非常に近く、主な違いは、原子状炭素の生成では低い真空度が使われることである。

この化学種は、カルボニル基から酸素原子を除去して、「真の」カルベンを生成するのに用いられる。

R2C=O + :C: → R2C: + CO

この方法で作られたカルベンは、真のカルベンとしての振る舞いを見せる。ジアゾ化合物を用いる等、他の方法で作られたカルベンは、カルベン自体の性質よりも、生成に用いたジアゾ化合物由来の性質を見せる。この違いは、真のカルベンの振る舞いの全体像を理解する上では重要である。

出典

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  • White G. J., Padman R. (1991). “Images of atomic carbon in the interstellar medium”. Nature 354 (6354): 511–513. Bibcode1991Natur.354..511W. doi:10.1038/354511a0. 
  • P. B. Shevlin (1972). “Formation of Atomic Carbon in the Decomposition of 5-tetrazoyldiazonium Chloride”. J. Amer. Chem. Soc. 94 (4): 1379. doi:10.1021/ja00759a069. 
  • P. B. Shevlin (1980). “The Preparation and Reaction of Atomic Carbon”. In R. A. Abramovitch. Reactive Intermediates,. 1. New York: Plenum Press. p. 1 
  • M. J. S. Dewar, D. J. Nelson, P. B. Shevlin, K. A. Biesida (1981). “An Experimental and Theoretical Investigation of the Mechanism of Deoxygenation of Carbonyl Compounds by Atomic Carbon”. J. Amer. Chem. Soc. 103 (10): 2802. doi:10.1021/ja00400a052. 
  • Biesiada, Keith A.; Shevlin, Philip B. (1984). “Intramolecular trapping of an intermediate in the deoxygenation of a carbonyl compound by atomic carbon”. The Journal of Organic Chemistry 49 (6): 1151. doi:10.1021/jo00180a047. 
  • Moss, Robert A; Jones, Maitland (2004). “Atomic carbon”. Reactive intermediate chemistry. pp. 463–500. ISBN 978-0-471-23324-4. https://books.google.de/books?id=wp0C10qO0A8C&pg=PA463&hl=de