卵祖細胞
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卵祖細胞(らんそさいぼう、oogonium)とは、卵母細胞や卵子形成の出発点となる幹細胞。ヒトにおいては、胎児期の初期において、将来卵巣となる細胞群二次性索の分化によって形成される。核小体が明瞭な卵形の大きな核とエオジン(eosin)に淡く染まる細胞質を有する。
概要
[編集]卵祖細胞は体細胞と同じ倍数体の細胞である。
出生前に大部分は変性してしまうが、同時に一次卵母細胞への分化も進む。出生時においては、20万~200万の一次卵母細胞が残り、思春期までに4万個までに減少する。
思春期になると、卵祖細胞は栄養をとって肥大し、一次卵母細胞(図、成熟を開始した一次卵母細胞)となる。一次卵母細胞は卵黄質をたくわえて非常に大きくなり、直径120~150μmにもなる。一次卵母細胞はついで2回の連続した成熟分裂を行うが、ふつう第1回めの分裂で染色体が半減する(減数分裂)。
一次卵母細胞は第1回めの分裂で1個の大きい二次卵母細胞(卵娘細胞)と1個の小さい第1極細胞(第1極体)になる[1]。ついで、第2回めの分裂で大きい二次卵母細胞は同様にして、1個の卵子と1個の小さい第2極細胞(図、極体)となる[2]。また、第1極細胞は2個の小さい第2極細胞(図、極体)になる。なお、極体が放出された場所が胚の動物極となり、反対側が植物極となる。
排卵は第1回めの分裂途中でおこり、受精はその直後に卵管膨大部でおこる。受精が行われなかったときは第2回めの分裂はおこらず、二次卵母細胞はおよそ24時間で死に、体外に排出される。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 日本獣医解剖学会編集 『獣医組織学 改訂第二版』 学窓社 2003年 ISBN 4-87362-113-5