コンテンツにスキップ

千葉亀之助

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

千葉 亀之助[1](ちば かめのすけ、1896年明治29年)10月12日[2] - 没年不明)は、日本資産家[2][3][4][5]、貸金業者[3]、会社役員、地主家主[6]。満鮮運輸取締役[1][7]池貝鉄工所監査役[7][8]日本製罐相談役[7]。族籍は東京府平民[2][4]

人物

[編集]

東京府・千葉勝五郎の孫[4][7][9]。祖父勝五郎のあとを享けて[2]1903年家督を相続する[7][9]金融業を営む[5]。また池貝鉄工所や満鮮運輸などの重役を務めた[4][7][8][9]

地家主である[6]。『帝国信用録 第26版 昭和8年』によると、千葉亀之助は「職業・貸地家 会社役員」である[10]1930年慶應義塾特選塾員[11]

東京在籍[8][9]。住所は東京市京橋区五郎兵衛町[4](現・東京都中央区八重洲)、同市芝区葺手町[7](現・東京都港区新橋)。千葉亀之助邸の和風本館の別館として大正時代に建てられた西洋館は菊池寛実記念 智美術館敷地内に現存する[12]

家族・親族

[編集]
千葉家
親戚
  • 妻の叔父千葉恒次郎(池貝鉄工所副社長)
  • 妻の父・千葉松兵衛煙草製造業)- 松兵衛の父親は、亀之助の祖父・勝五郎の分家の婿養子で、勝五郎の義弟にあたる[14]。松兵衛(1864年生まれ)は天保より銀座の街頭で刻み煙草を売っていた「松葉屋」の子で、「牡丹」「菊世界」の銘柄で知られる国産紙巻煙草製造者として成功、1904年の煙草専売制により廃業し、見返りに政府から得た資金で銀座一丁目で煙草販売店を営む傍ら、池貝鉄工所に出資して監査役となり(弟の恒次郎は同社の副社長)、東京演芸場の取締役も務めた[14][15][16][17]
  • 妻の兄・千葉直五郎(池貝鉄工所監査役) - 妻・久の兄にあたる長男の直五郎が家督を相続した。久の姉・ゆうは広部鉱業社長の広部清一郎(東京府多額納税者で広部銀行頭取の広部清兵衛長男)に嫁いだ。直五郎が息子の常五郎と子爵鍋島直庸(鍋島直虎長男)の娘・京子の婚姻の際に新居として1934年に渋谷に建てた邸宅は登録有形文化財「ミュージアム1999(旧千葉常五郎邸)」として現存し、レストランに利用されている[18][19]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 『日本紳士録 第46版』東京タ、チの部305頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e 『人事興信録 第5版』ち1頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  3. ^ a b 『全国五十万円以上資産家表 時事新報社第三回調査』3頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 『人事興信録 第6版』ち1頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  5. ^ a b 『大正人名辞典』2060頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  6. ^ a b 『日本紳士録 第38版』チの部515頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年12月11日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j 『人事興信録 第13版 下』チ3頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  8. ^ a b c d e 『人事興信録 第8版』チ3頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月11日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i 『人事興信録 第14版 下』チ3頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  10. ^ 『帝国信用録 第26版 昭和8年』東京府(チ)76頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  11. ^ a b c 『慶応義塾塾員名簿 昭和17年版』慶應義塾塾員名簿108頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月10日閲覧。
  12. ^ 菊池寛実記念 智美術館港区ゆかりの人物データベースサイト、港区役所。
  13. ^ 『日本紳士録 第2版』ち122頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月9日閲覧。
  14. ^ a b 日本巻煙草業者千葉松兵衛『成功と失敗』宮村無声 編 (又間精華堂, 1903)
  15. ^ 時事新報社第三回調査全国五拾万円以上資産家時事新報 1916.3.29-1916.10.6 (大正5)
  16. ^ 千葉松兵衛君『勧業功績録. 第1編』木下敬正, 河野左十郎 編 (青年教育義会, 1904)
  17. ^ 千葉松兵衛君『日本ダイレクトリー : 御大典紀念』清田伊平 編 (甲寅通信社編集部、1915)
  18. ^ ミュージアム1999(旧千葉常五郎邸)文化遺産オンライン
  19. ^ 建物の歴史と由来ロアラブッシュ

参考文献

[編集]
  • 『日本紳士録 第2版』交詢社、1892年。
  • 『全国五十万円以上資産家表 時事新報社第三回調査』時事新報社、1916年。
  • 東洋新報社編『大正人名辞典』東洋新報社、1917年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第6版』人事興信所、1921年。
  • 慶応義塾編『慶応義塾塾員名簿 昭和17年版』慶応義塾、1924 - 1942年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年。
  • 帝国興信所編『帝国信用録 第26版 昭和8年』帝国興信所、1933年。
  • 交詢社編『日本紳士録 第38版』交詢社、1934年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第13版 下』人事興信所、1941年。
  • 交詢社編『日本紳士録 第46版』交詢社、1942年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第14版 下』人事興信所、1943年。