千田善
表示
千田 善(ちだ ぜん、1958年10月10日 - )は、日本の国際ジャーナリスト、通訳・翻訳者(セルビア・クロアチア語など)、政治学者。元日本共産党中央機関紙特派員。
元・サッカー日本代表監督イビチャ・オシムの通訳を務めたことで知られる[1]。
略歴
[編集]岩手県胆沢郡胆沢町(現・奥州市)出身。胆沢町立南都田中学校(現・奥州市立胆沢中学校)、岩手県立水沢高等学校、東京大学教育学部卒業。ベオグラード大学政治学部大学院修士課程国際政治専攻中退。専門は国際政治、民族紛争、異文化コミュニケーション、サッカーなど。
しんぶん赤旗特派員として、ベオグラード(セルビア)、リュブリャナ(スロベニア)を合わせてユーゴスラビアでの生活を10年近く送る。日本と現地を往復しながら、旧ユーゴスラビア地域やパレスティナなどの民族紛争、サッカーと国際政治の関係、ギリシャ・トルコ紛争などを取材。週刊誌や新聞への寄稿、子ども向け図書執筆などとともに、NHKやテレビ朝日など、活字メディア以外にも活動の場を広げている。
そのほか、報道各社向けの通訳・翻訳(セルビア語・クロアチア語・ボスニア語・モンテネグロ語+英語+日本語)、外務省研修所講師、一橋大学、中央大学法学部、放送大学の非常勤講師を経て、2006年より日本サッカー協会にて代表監督イビチャ・オシムの通訳(セルビア・クロアチア語)を務める[1]。
自身も元サッカー選手であり、サッカーに関する造詣も深い。漫画家の吉田戦車は従弟。他の親族にはスクウェア・エニックス取締役の千田幸信がいる。
著書
[編集]単著
[編集]- 『ユーゴ紛争 - 多民族・モザイク国家の悲劇』 (講談社[講談社現代新書]、1993年) ISBN 9784061491687
- 『世界に目をひらく』 (岩崎書店、1997年) ISBN 9784265050383
- 『ユーゴ紛争はなぜ長期化したか - 悲劇を大きくさせた欧米諸国の責任』 (勁草書房、1999年) ISBN 9784326351183
- 『なぜ戦争は終わらないか - ユーゴ問題で民族・紛争・国際政治を考える』 (みすず書房、2002年) ISBN 9784622070146
- 『ワールドカップの世界史』 (みすず書房、2006年) ISBN 9784622083191
- 『オシムの伝言』 (みすず書房、2009年) ISBN 9784622075042
- 『オシムの戦術』 (中央公論新社、2010年) ISBN 9784120041105
訳書
[編集]- ラットコ・ステボビッチ 『現代サッカー』全2巻 (東日本サッカー・アカデミー) 絶版
- ジョルジュ・カステラン、アントニア・ベルナール 『スロヴェニア』 (白水社[文庫クセジュ] 2000年) ISBN 9784560058275
- ジョルジュ・カステラン、ガブリエラ・ヴィダン 『クロアチア』 (白水社[文庫クセジュ] 2000年) ISBN 9784560058282
脚注
[編集]- ^ a b “元通訳、オシムさんは「人生の師」 訃報に奥州出身・千田善さん”. IWATE NIPPO 岩手日報. 2022年8月21日閲覧。