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劉枝万

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
劉 枝万
プロフィール
出生: 1923年12月12日
死去: 2018年1月6日
出身地: 台湾台中州南投郡
(現南投県
職業: 民俗学者
各種表記
繁体字 劉枝萬
簡体字 刘枝万
拼音 Liú Zhīwàn
注音二式 Liu Chih-Wan
和名表記: りゅう しまん
発音転記: リウ・ヂーワン
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劉 枝万 (りゅう しまん、繁体字劉 枝萬ウェード式:Liu Chih-Wan、1923-2018)[1]は、台湾生まれ東京教育大学文学博士日本道教学会理事、儀礼文化学会専門委員、旭日小綬章受章[2]

研究内容

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日本では数少ない法教研究者。 中国道教の祭りと信仰上・下などの劉枝万氏の著書でも以前から法教を扱っていたが、氏の遺稿となった台湾の法教 風響社は法教のみに視点を当て、現時点では日本語著書では唯一無二の法教の符の解読本となっている。 仏教・道教・神道等含め同型の護符を扱う宗教において符の解説書は多くあるが、符の意味を解説するものはあっても、符を構成するパーツを解説した研究は珍しい。

劉枝万氏が提唱する法教の定義

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台湾では道法二門[3]という言葉がある。 日本では法教という言葉自体が知名度が無く、台湾でも道教と法教は混同されている。

道士と言った祭祀者が道教を奉ずるように、法教には法師という役職がいる。

法師は自らの呪術的行為をまとめた総称として、道教に対する名称としてこれを法教と呼んでいるが、劉枝万氏によれば法教には教と呼べるようなものはないという。

道教には降霊や占い呪術や護符などがあるところはよく知られたところで、歴史書や複数の経典、道士の制定制度などがある。

それに対して法教は呪符のみで経典や教えは無いという。 台湾で道教と法教が混同される要因として道士が法教の法師を兼任する場合がある為だとしている。

童乩(もしくは乩童、乩とも書く)などの霊媒師も道教と混同されるが、台湾社会においての地位には違いがあるという。 道教の道士を頂点に、次いで法教の法師、下層が男性の霊媒師をさす童乩や女性の霊媒師をさす尫姨という。 ※これらの名称と地位に関しては他の道教研究者と意見が分かれるため、このページのみの記述とし劉枝万氏が提唱する法教の定義とす。

略歴

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※略歴は台湾の法教―閭山教科儀本と符式簿の解読より引用。

著書

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  • 臺北市松山祈安建醮祭典 1967年、中央研究院民族學研究所專刊之14、中央研究院民族學研究所
  • 中國民間信仰論集 1974年、中央研究院民族學研究所專刊之22、中央研究院民族學研究所
  • 臺灣民間信仰論集 1983年、聯經出版事業公司
  • 中国道教の祭りと信仰上・下1983年・1984年、桜楓社
  • 台湾の道教と民間信仰1994年、風響社[4]
  • 台湾の法教―閭山教科儀本と符式簿の解読 風響社[5]

脚注

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  1. ^ 台湾の法教 閭山教科儀本と符式簿の解読
  2. ^ 公益財団法人日本台湾文化交流会-劉枝萬氏に旭日小綬章を伝達(https://www.koryu.or.jp/about/taipei/chief-representative/numata/activity-report/tabid1802.html)
  3. ^ 道法→道教と法教
  4. ^ 台湾の道教と民間信仰(http://www.fukyo.co.jp/smp/book/b92305.html)
  5. ^ 台湾の法教(http://www.fukyo.co.jp/smp/book/b432087.html)