創作四字熟語
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創作四字熟語(そうさくよじじゅくご)は、住友生命保険がその年の世相を反映した四字熟語を募集し、発表するイベントである[1]。1990年から実施されている。「創作四字熟語」は同社の登録商標である。
概要
[編集]例年9月下旬~11月上旬にかけて、郵便や同社Webサイトで応募を受け付ける。近年は毎回10,000作を超える作品が寄せられている。
基本的に既存の四字熟語の漢字や読みを活かす形で、その一部の漢字を変えて新たな四字熟語を作るスタイルである(応募時に変更元の四字熟語も記載する)。しかし、変更元が四字熟語でない作品や、漢字以外の仮名やアルファベット(ラテン文字)を含む作品の入選例もある[2]。
開始当初から俵万智が審査員を務めており、12月中旬に「講評・傾向」とともに、50編(最優秀作1編、優秀作9編、入選作40編/2019年までは優秀作10編、入選作40編)が発表される。入選者には、入選作品集(小冊子)、クオカード(2012年まで図書カード)、同社のノベルティグッズなどが贈られる。2017年以降、TWIN21アトリウムにおいて、優秀作の1編を上宮高等学校の書道パフォーマンス部が披露して発表している。
第一生命のサラリーマン川柳、日本漢字能力検定協会の今年の漢字、東洋大学の現代学生百人一首、自由国民社の新語・流行語大賞と並んで、現代の世相を反映する一つの指標として使われることが多い。発表日以降、朝日新聞の天声人語をはじめとする新聞各紙のコラムや、テレビのニュースでも1年を振り返る恰好の題材としてよく取り上げられる。
一覧
[編集]歴代の最優秀作は、以下の通り[3]。
年 | 四字熟語 (元熟語) |
読み | 意味 |
---|---|---|---|
1990年 | 異旗統合 (意気投合) |
いきとうごう | 東西ドイツ統合。 |
1991年 | 台風逸果 (台風一過) |
たいふういっか | 度重なる台風により、出荷目前の果実が多数落下した。 |
1992年 | 紫煙楚歌 (四面楚歌) |
しえんそか | フランスで禁煙令が施行され、日本でも禁煙ムードが高まった。 |
1993年 | 扇扇狂狂 (戦々兢々) |
せんせんきょうきょう | 扇子を持って踊り狂うお立ち台ギャル。 |
1994年 | 政転辟易 (青天霹靂) |
せいてんへきえき | 青天の霹靂で首相になった村山富市。 |
1995年 | 震傷膨大 (針小棒大) |
しんしょうぼうだい | 阪神・淡路大震災は人々の心にも大きな傷を残した。 |
1996年 | 高官無恥 (厚顔無恥) |
こうかんむち | 官僚のスキャンダル。 |
1997年 | 靴下象様 (隔靴掻痒) |
かかぞうよう | ルーズソックス。 |
1998年 | 倒行巨費 (登校拒否) |
とうこうきょひ | 倒れる金融機関に巨額な公的資金を投入すること。 |
1999年 | 着歌繚乱 (百花繚乱) |
ちゃっかりょうらん | 街にでるとあちらこちらからケータイの着メロが賑やかに乱れ飛んでくる。 |
2000年 | 圏外孤独 (天涯孤独) |
けんがいこどく | いつも携帯電話でコミュニケーションをとっている人にとって、圏外になった時の孤独感はひとしお。 |
2001年 | 万国胸痛 (万国共通) |
ばんこくきょうつう | 米国でのテロ、それに対する報復。世界はどちらにも胸を痛めている。 |
2002年 | 日本熱闘 (日本列島) |
にっぽんねっとう | サッカーW杯では日本全国が熱くなった。 |
2003年 | 八方取税 (発泡酒税) |
はっぽうしゅぜい | あらゆる所から税金を取ろうと、発泡酒も増税。 |
2004年 | 様様様様 | よんさま | ヨン様(ペ・ヨンジュン)ブーム。 |
2005年 | 無職無習 (無色無臭) |
むしょくむしゅう | ニートの増加は大きな社会問題に。 |
2006年 | 住人怒色 (十人十色) |
じゅうにんどいろ | 耐震強度を偽装した建物とは知らずに買った住人、怒りの色は隠せない。 |
2007年 | 医師薄寂 (意志薄弱) |
いしはくじゃく | 医師不足による急患問題。 |
2008年 | 苦労長寿 (不老長寿) |
くろうちょうじゅ | 後期高齢者医療制度。長寿医療制度という愛称もむなしく何かと不評。|- |
2009年 | 遠奔千走 (東奔西走) |
とうほんせいそう | 土日休日の高速道路料金が遠くまで走っても千円に。 |
2010年 | 諸牛無情 (諸行無常) |
しょぎゅうむじょう | 口蹄疫の感染拡大防止のため、大量の牛を処分する非情な事態となった。 |
2011年 | 帰路騒然 (理路整然) |
きろそうぜん | 大地震(東日本大震災)や台風で帰宅困難に。 |
2012年 | 税途多難 (前途多難) |
ぜいとたなん | 消費増税や復興税の使途により政治混乱。 |
2013年 | 凍庫写寝 (投稿写真) |
とうこしゃしん | 悪ふざけ写真のネット投稿(バカッター)が頻発。 |
2014年 | 用意終活 (用意周到) |
よういしゅうかつ | 死後のことまで生前に準備する(終活)。 |
2015年 | 仮装狂騒 (仮装競争) |
かそうきょうそう | 年々盛んになるハロウィーンイベント。 |
2016年 | 四士奮銀 (獅子奮迅) |
ししふんぎん | 五輪陸上男子400mリレーで、日本チームが銀メダルを獲得。 |
2017年 | 棋聡天才 (奇想天外) |
きそうてんさい | 将棋の天才、藤井聡太棋士。 |
2018年 | 台量発生 (大量発生) |
たいりょうはっせい | 台風が多発し、次々と日本列島に襲いかかった。 |
2019年 | 国祭令和 (国際平和) |
こくさいれいわ | 新元号「令和」に変わり、国中がお祭りムードに。 |
2020年 | 医師奮診 (獅子奮迅) |
いしふんしん | 新型コロナウイルスが広がる中、医師をはじめ医療従事者の方々が奮闘してくれている。 |
2021年 | 七菌八起 (七転八起) |
ななころなやおき | リバウンドがあってもコロナに負けずに起き上がる。 |
2022年 | 遠客再来 (千客万来) |
えんきゃくさいらい | 水際対策の緩和で、遠方から旅行客が再びやって来るようになった。 |
2023年 | アレ貫徹 (初志貫徹) |
あれかんてつ | 阪神タイガースの「アレ」、ファンの見事な徹底ぶり。 |
2024年 | 盗打随一 (当代随一) |
とうだずいいち | 大谷翔平選手が59盗塁、54本塁打という圧倒的な成績でシーズンを終了した。 |
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ “コロナで「七菌八起」 最優秀創作四字熟語”. 産経ニュース (2021年12月21日). 2021年12月21日閲覧。
- ^ 2008年の世相を反映した『創作四字熟語』50編 (PDF) - “暗増景気”(クリスマスケーキ)、“グ美人走”(虞美人草)など
- ^ 過去の優秀作品一覧 - 住友生命